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カマキリの探し方と捕まえ方について。カマキリがいる場所を探すコツとは?

秋のカマキリ探し

カマキリはとても人気が高い昆虫です。

大きな鎌が人気のかっこいい虫

大きい体に体色の変異、種類の程よい複雑さとなんといっても大きな鎌を持つことから、絶大な人気を誇る秋の昆虫です。

そんなわけで子供たちに頼まれていざ探してみると、なかなか見つからないのがカマキリだったりします。

そこで本記事ではカマキリの探し方について詳しく掘り下げていこうと思います。

カマキリを探す際に重要な視点

カマキリ探しには時期がとても大事です。時期は9月頃から10月中程度が個体数も多くておすすめです。

9月中から11月上旬ぐらいまでがピーク

まずはカマキリはどんなところを好むのか?という点について理解することをお勧めします。カマキリに限りませんが、昆虫は自身が餌とする者のある場所に現れます。

バッタ類がいる場所を基本は探す。すなわち草地。

カマキリは自慢の鎌で他の昆虫を捕食する昆虫ですよね。ということはカマキリの出現は餌資源が豊富な場所となり、これには草地と花が該当します。

その前に実はカマキリの中にも好む環境というのがあり、オオカマキリ、チョウセンカマキリ、コカマキリは草原性です。

チョウセンもしくはオオカマキリ
木や物の上にいることが多いのがこのハラビロカマキリ。これ以外は基本草地。

ハラビロカマキリやムネアカハラビロカマキリは樹上性の性質があるため、木や高所を好む傾向があります。探したい種類に応じた戦略をとる必要があります。

カマキリは主にバッタやチョウなどの昆虫を食べています。バッタの多くはイネ科の草本類を利用します。

イネ科の環境に溶け込むために細長い体を持つショウリョウバッタモドキ

イネ科はお米でおなじみの植物であり、細長い葉を付けるため判別がしやすいですよね。

代表例を挙げるとススキが多い場所はバッタが多くカマキリが良く出現します。

河川敷はカマキリがよくいる場所

合わせて自生のオヒシバやメヒシバが多いような場所もいいですね。

林内のギャップ(太陽光が差し込む場所)なども好き

イネ科ではショウリョウバッタやトノサマバッタ、クルマバッタモドキなどが見つかりますが、バッタ類の視野を広げるとさらに遭遇のチャンスを増やせます。例えば水田。

イナゴがいる場所はカマキリも好き

水田はイナゴなど湿潤的な環境を好むバッタ類が出現するため、ここにもカマキリはやってきます。

水田はいい環境といえる。農薬がなければ。

これに林縁などに生えているクズなどの植物上でも目にします。

つる植物上はカマキリがよくいるポイント

さらに雑木林の縁などでもフキバッタを始め、ウマオイやアオマツムシなどいわゆる秋の鳴く虫なども出現します。

こう聞くとカマキリはとても広い場所に生息していることが分かりますね。

樹上性を持つカマキリの場合では木にいるセミや樹液に来るチョウなどの虫を狙っている場合も多いですよ。

お花もサインとして使える

イネ科を始め昆虫密度が高い環境というのはカマキリがよく現れる場所です。

写真上部にカマキリ。花に来る虫を狙っているのか。

これと併せて覚えたいのが花ですね。花にはチョウを始め、この時期のご馳走であるホウジャク類がやってきます。

これらを狙ってカマキリが見つかる場合があります。

よく狙っているホウジャク類。お花によく来る。

時期的にはキク科やシソ科のお花によく来ているように思いますね。

2種とも受粉を昆虫に頼っているお花であり、大型の虫が来るためかカマキリの出現が見られます。

花を中心に周囲に草地があるような場所は特によくカマキリが見られる環境と言えます。草地性のバッタと訪花性の蝶類が同時に狙えるためです。

こうした場所を探してみてください。

これ以外にカマキリがよくいる場所

草地と花がおすすめですが、これ以外にもカマキリが良く見つかる場所がありますので紹介します。

まずは人工物ですね。

ガードレール上にいたハラビロカマキリ。樹上性なので高いところが好きなようだ。

茎や枝などに登る習性があるカマキリは物によく登ってきます。林縁部や自然豊かな場所の手すりなどを見てみるとその上に乗っかっている場合が非常に多いです。

少し高さのある人工物には注目しておきましょう。ガードレールなどにもよく登っていますよ。

それからマント群落もおすすめです。

クズのマント群落をのぞいてみよう

マント群落はつる植物がカーテンのように覆った場所なのですが、秋口に花を付けるものが多く昆虫がやってくることとカマキリ自体がそうした何かに登ることが多いのでよく見つかります。

ツチイナゴなど

マメ科など一部のバッタが利用するものもあるため、食べ応えのある虫たちが来るいい餌場です。

後は秋の外灯の周辺もいいですね。

外灯下の壁にいたカマキリ

夜、灯に来た蛾やトビケラなどの虫を狙うためにカマキリがやってきます。壁などに張り付いていることもありますので、意外な探索ポイントとして頭に入れておいてください。

この時期は朝の気温が下がることも多いため、外灯に来た個体がそのまま残っていることが多いです。

この個体もおそらくハリガネムシに寄生されている

それから川や水辺が近くにあるという前提になりますが、コンクリートや灰色、白などの太陽光を反射する人工物もとてもおすすめです。

ハリガネムシに寄生されて水辺に誘引されるカマキリは、反射した光に引き寄せられるため、コンクリを始め白いガードレールなどに反射した光にもやってきます。

こうした場所であまり逃げないカマキリがいたら寄生された個体が考えられます。カマキリを見つけるのが目的ならば非常に簡単に見つかります。


それから夏にクワガタを探したような雑木林もおすすめです。

木に張り付いていればかなり見つけやすい

ハラビロカマキリやムネアカハラビロカマキリは樹液に来る虫を捕食するケースや木の上に止まっている虫を捕食することが多いためです。

木にいると緑色でとても目立つので、種類にこだわりがない方に特におすすめしたいですね。

カマキリの多い地域を探すサイン

カマキリを効率的に探すにはカマキリが多いエリアに行くことが確実です。それを示すサインがありますので紹介していきます。

おなじみのカマキリの卵。人工物や枝によくついている。

まずは卵が良く見つかるですね。

壁、枝、草などにたまごがたくさん見つかる場合にはその地域のカマキリの密度は高いと考えられます。

また、カマキリは前述のとおり餌資源が草地や花に来る虫を中心としたものが多いため、広くそうした環境がある方が必然的に見つかります。

広い草地が残っている場所を見ていく。

草地が狭く他エリアから隔離されているような場所よりも、イメージとしては河川敷のような広い草地が絶えずある環境の方が見つかります。

探す場所の自然が周囲と断絶されていないかは確認しておきましょう。

川や水辺が近いエリアでは、ハリガネムシに操られてコンクリ上に出てきた個体が踏まれたり車に轢かれているケースがものすごくあります。

引かれたカマキリの数は水辺の近い地域での有力なサイン

道路上の死骸やハリガネムシの姿を確認するだけでも水辺のエリアならばここは多いな少ないなと判別がつきます。


これらのサインを活用すればカマキリの多いエリアを探ることは簡単です。

多いエリアを見つけて草地、花を中心にじっくり観察し、人工物、道路外灯周り、それから木の上を見ていけば以前よりもずっとカマキリに遭遇しやすくなるはずですよ。

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