大事な植物たちの茎に白い違和感
植物のお世話をしているとその茎に白い物体が付いていることに気が付くことがあるかと思います。

これなんだろう?病気かな?と思っていると場合によっては動いていたりするケースもあるかもしれません。
今回は植物の茎や木に付いている白い物体の正体について紹介していきます。対策も合わせて覚えておきましょう。
白い物体の正体は複数あり
まず結論としては白い物体の正体にはいくつかの犯人がいます。

代表的なものを上げると1つがハゴロモ類の幼虫類、1つがカイガラムシなどの生き物、あとは葉などであればアゲハモドキの幼虫などにワンチャンスがありますかね。
犯人はおおよそハゴロモ類かカイガラムシ類であり、どちらも考えられます。判別も一筋ではいかず、柔らかそうか硬そうかでは判別ができません。
ハゴロモ類は幼虫に蝋物質をまとうものがおり、茎がふわふわと白いものに抱かれたように見えます。

カイガラムシは堅い殻のようなものを持つ印象が大きいかもしれませんが、コナカイガラムシの仲間もおり、こちらはハゴロモ同様白い蝋物質をまとっています。
実態として対策方法なども同じであるため、白い茎につく物質はこれらの仲間と大きく判別しておけばいいかと思います。
この姿にピンときたら要注意
ハゴロモ類とカイガラムシについてその姿を見ていきましょう。

身の回りではハゴロモ類の被害が増加傾向にあります。
これはハゴロモの中でもチュウゴクアミガサハゴロモという外来種が近年急激に増加しており、この虫が広い植物を利用するためです。
見た目は小さな茶色い蛾のような姿をしているのですが、この記事を見た人の中にはピンと来た方も多いかと思います。

この成虫の姿をマンションや自宅の植物、外灯などで見ている場合にはまず疑うべき対象です。
次点ではアオバハゴロモやヘリチャハゴロモなどが挙げられます。

アオバハゴロモは在来種の羽衣の仲間の中で最も身近ともいえる存在です。
見た目は青白いちょっと綺麗な虫なのですが、群生することも多く茎に大量についているそれには虫嫌いな人からするとうわわわという感じかもしれません。
いずれも幼虫には蝋物質があり、茎を白くふわふわにします。
カイガラムシの場合もコナカイガラムシの場合には蝋物質が分泌されるため姿は似ています。ただしカイガラムシは見た目がワラジムシを白くしてマジックテープを張り付けたようなとげとげした姿をしているため、ハゴロモ類の幼虫とは簡単に見分けられます。
ふわふわの正体
ここまで記事を読めば茎などにつくふわふわとしたものの正体はもうお分かりですね。

白いふわふわの物質は彼らの幼虫時にまとう蝋状の物質です。
幼虫は身を守るためか集団でいることが多く、このために茎の一部が白く染まってしまうのです。
蝋物質ですから風などで煽られるとふよふよしており、これが生き物のように見えてちょっと嫌な感じに見えているのですね。

幼虫時のみに見られるものではあるのですが、この蠟物質がそのまま茎に残るケースもあります。
それらの痕跡を発見すれば植物が被害を受けているかもしれないと判別することができますので、害虫被害の参考にも活用してください。
ふわふわがある時の対処法
ふわふわした物体を見つけた時にはハゴロモ類やカイガラムシ類が疑われます。

彼らはいずれもカメムシの仲間が近く、植物の汁を吸うという特徴が見られます。
こうした生き物について良く聞くのが浸透移行性の農薬です。
浸透移行性とは散布した後に植物体に吸収されて数週間効果を発揮する薬剤です。効果は物にもよりますが3週間ぐらいは継続する体感がありますね。
代表的なものがオルトランです。

根元に撒くタイプと、葉に散布するタイプがあります。
植物の樹高と、被害の位置に応じて使い分けるのが良いかと思います。
私は散布型のオルトラン水和剤を利用していますが、これに加えてベニカファインスプレーも効果的です。
サインを見つけて薬剤で対処する。これが最も楽に害虫を除去する方法になりますね。
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