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2025年高尾山昆虫観察記7 夏の高尾山の人気昆虫昼間に集めてみた(ミヤマクワガタ、ネブトクワガタ、アオタマムシ、ヨコヤマヒゲナガカミキリ)

昼間の高尾山で夏の人気昆虫に出会う

夏の高尾で好きな人しかいない4種類の昆虫を1日で集める挑戦

夏の高尾山に訪れる昆虫好きの方はおおよそミヤマクワガタ、アオタマムシ、ネブトクワガタ、ヨコヤマヒゲナガカミキリあたりの夏の高尾の人気昆虫をお目当てに訪れている方が多いのではないかと思います。

それぞれの虫にはその虫に応じた探し方と時期があり、どの虫も偶然出会うこともできますが戦術を練ることで出会う確率を大きく上げることが可能です。

多くの場合これらの虫は夏のターゲットとして主要な目標として設定されるレベルの昆虫たちです。(ミヤマを取りに高尾に行く、アオタマを取りに高尾に行くなど)

私の高尾の採集も3年目となり、ポイントの事情や時期の事情なども分かってきましたので今回は夏の高尾の4大人気昆虫に昼間に出会うことを目標として訪れてきました。

高尾人気昆虫、クアトロチャレンジの開幕です!

夏の高尾の昆虫の私的な難易度

夏の高尾における人気昆虫のミヤマ、ネブト、アオタマ、ヨコヤマの4種は種ごとに難易度が異なります。

夏の人気種アオタマ。高尾では要点が分かるとよく出会える虫。

日中の遭遇を体感の難易度で並べると
ミヤマ☆
アオタマ☆☆
ネブト☆☆☆
ヨコヤマ☆☆☆
という感じで、ある程度高尾における地理感と経験があることを前提とすればミヤマはシーズン中ならば樹液でだいたい出会えます。☆です。

今季のオールナイト高尾のミヤマ。サイズを気にしなければ普通に出会える(装備がある前提)

アオタマはモミの立ち枯れのポイントが経年で変化することや気温や天気などの条件を加味して☆☆です。ポイントが分かれば取れますが、分からないと坊主もありえますね。

ネブトはポイントが薄く、先行者などの条件によると日中では出会えないことのほうが多いです。日中では☆☆☆です。

大理石に例えられる美しいカミキリ

ヨコヤマは日中は樹冠にいる虫であるため、遭遇には運が必要となります。ネブトと同様先行者の有無や夜に探すほうが効率的なので昼間は☆☆☆です。

これら4種の虫を日中に探すことをルールとし、今回やってみてなかなかに腕前が試されて楽しかったので記事を見て興味が湧いた方はチャレンジしてみてください。
(高尾山クアトロチャレンジ!)

日中の高尾でターゲットを探せ!まずはヨコヤマ

今回、ケーブルカーなどの始まりの写真がないので過去のものから。

今回は複数の高尾の人気昆虫を設定しているため、普段のように夜の徘徊や特定ポイントでの定着などをせず、ひたすら過去の記録がある場所を巡回するような探し方をします。

ある種マンネリ化してきた高尾の採集への挑戦のようなものです。

この挑戦の障害はネブトとヨコヤマですね。

ネブトとヨコヤマ。高尾ではやや珍しく、複数見つかることはあまりない虫。

行けばわかりますが、日中にヨコヤマとネブトが取れるのかは割と運と当日の先行者(ポイントなどを知っている人)の影響を強く受けます。

まずは広く薄く分布する最大の障害となるヨコヤマを探していきます。

前回の記事で日中ヨコヤマを見つけましたが、イヌブナの地際を見ると行ってもそう簡単に見つかる感じではありません。

地際を見ていくのだが、宝探し感が楽しい

高尾のイヌブナをひたすら見ていく過酷な採集ですが、挑んで見ればオオトラなどに比べればずっと楽に見つかります。

夜間では最大一日で3匹見つけたことがありますが、日中では1匹が限界となるこのヨコヤマ探し。

過酷さがわかりますが、ヨコヤマを目当てとする方は日中にも探すことで発見の可能性を高められます。

さて肝心のヨコヤマですが、まずは食痕や羽脱痕が多く、前年に日中に地際で見つけたエリアを見に行くことにします。

イヌブナがたくさんあるしヨコヤマのシーズンにはまだ例年なら早め位となるこの頃。日中ヨコヤマの厳しさを体験することになる予感を覚えながらわずか1本目にして...

地際3例目の発見。すべて同じ姿勢なので休息体制なのだろう。

ヨコヤマヒゲナガカミキリ発見!前回は今年初の発見に興奮してしまい撮影前に取ってしまいましたが、今回は地際にいる姿を収めましたよ。

やはり落ち葉との隙間に垂直に潜んでいましたね。私はシンジュサンとハナノミ、オオトラを除いてメジャーどころの高尾の人気虫には手を付けていますが、ヨコヤマを見つけるときが一番嬉しいですね。

見つける気持ちで探していないと見落としちゃうよ

夜ならばブナの樹皮に溶け込む美しい模様にハッとし、昼ならば薄い可能性にドキッと心臓が跳ね上がるあの採集は癖になります。

アオタマやミヤマほどたくさん見つけられないのも希少性がありますね。

後は初年度に探し方の感覚がわからず、大苦戦したこともここまで好きな理由かもしれません。
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(懐かしい)
いろんな虫好きが追い求める人気昆虫であるヨコヤマは高尾では狙えば取れますが他の産地ではライトでもたかないとなかなか出会えない昆虫です。

高尾山の代表的な昆虫としてこれからの時期でも全然狙えますから、虫好きな方には挑んでみてほしいですね。擦れ具合はまだマシな方で、触覚脚ともに完品です。

ミヤマクワガタはうっかり見つける

さて親子層や学生、クワガタ屋に大人気のミヤマクワガタです。

ミヤマもいざ探すと苦戦したりする

高尾においては高尾のミヤマの出現のリズムを知ることが大事です。

訪れたタイミングがいい頃合いであると過去の傾向から読み取れますので、樹液を見ていけば見つかるだろうと考えていました。

が、ここでイレギュラーが発生します。ヨコヤマを捕まえた後に私はヨコヤマを探すのがとても好きなのでイヌブナの地際のルッキングを続けていました。

ヨコヤマを探したことがある人は分かるかと思いますが、イヌブナには凹凸があります。

いやいやなんでそんなところにという感じ(笑)

この凹凸にミヤマクワガタが挟まっていました(笑)

しかも測定すると63mm程の大型個体です。毎年これぐらいの時期に60mm超えの大型を捕まえていますが、やはりジンクスがありますね。

随分いいサイズ!

ミヤマはこの時点では1匹ですが、この日は後3匹を追加します。ミヤマクワガタの採集においては樹液を見つけることが全てです。

ですが、見るべき樹種には注目すべきです。クワガタ採集においては高尾に限りませんが、高所の虫を取れる道具や発見のための高性能ライトが差をつけますね。

アオタマを探す

アオタマムシですが、人気ポイントでは今年既に捕まえていますし、晴れているので取れますね。

アオタマが一番今回では楽に思えるが、ポイントは新規開拓することに

しかしそれでは面白くありませんのでメジャーポイントではなく自己開拓したポイントで採集することにします。

昨年のオオトラの時期に目をつけていたポイントが有り、きっと来るだろうと考えています。

道中のポイントなどを見つつ、アオタマを探していきましょう。

ポイントに到着するも天気が怪しい感じになっていきます。ポイントに到着すると木は枯れてしまっていますね。

木はいいのだが枝がとても怖い。正直おすすめはしない。

鮮度が抜群すぎて羽脱痕などもないレベルの立ち枯れですが、アオタマは来てくれるのでしょうか。アオタマ自体今年は発生が早かったのもあって終盤に入っていないか心配です。

上にいるキラキラした虫をとりあえず捕まえてみるとそれはオオスジコガネでした。

外れ

ですが、8mほどにいたオオスジコガネのわずか下にキラリと輝くシルエットが動いているのが見えます。

これはアオタマでしょうということでネットインすると、やはりアオタマムシでした。

当たり。その日の1匹目は非常に嬉しい。1匹取れれば個人的には満足。

青色の要素が強いアオタマで、今季は初めて見る色合いですね。

天気が悪いですが、虫仲間に新しい情報が落とせればそれも役に立ちますので、30分程度様子を見ることにします。

晴れ間ができたときに上空20m程度のところにアオタマが来ているのが見えましたが、高すぎて降りてくることもなく天気が悪くなって消えてしまいました。

結局このポイントの良し悪しは天気の影響で不明ですが、30分で2匹ならば悪くはないですよね。

木が高すぎて首が疲れるのと、枯れ枝が太くて数が多いのが怖いため、今季のポイントが取れるなら行く必要は薄そうです。新規開拓で目標の1匹を取れたので良しとします。

最後の壁、ネブト。

ネブトクワガタですが、高尾山において採集されている方はなんかいたという場合が多いのではないのかと思います。

夜間採集でなんか取れるのがネブト。狙って取れる機会はかなり少ないのでは?

特に夜間の外灯や樹液で見つけるケースが多いため、日中となるとなんかいたのかモミの樹液溜まりやグジュグジュの樹液のポイントを抑えておくことが重要となります。

今季はモミのポイントで採集の経験がありますが、それ以降訪れるたびに見ているもののその姿はありません。まさに最後の壁となる対象にふさわしい虫です。

ネブトですが、今季おなじみの虫仲間のSさんが良いポイントを抑えているようで、前回のアオタマ採集のときにそこを教えてもらいました。結構いる確率が高いらしいのでそこに期待しつつマイポイントを探していきます。

6月下旬にネブトがいたモミ。ここは外れた。

コナラのマイポイント、モミの複数あるマイポイントはハズレてしまい、期待はSさんのポイントにかかります。

ここは始めてくるのでそもそもポイントが見つけられるのかと不安もありつつもなんとかそこにたどり着き、いてくれと思いながら樹液を見ると!

樹液で大歯ネブト!これは興奮しましたね。

こ、これは!随分大きなネブトクワガタがいるではないですか!今季初の大歯ネブトを発見です!この木はこの樹液以外にも2箇所樹液のいい場所があり、非常に良さそうなポイントでした。

最後の難関種であるネブトはマイポイントでは見つけられませんでしたが、虫仲間の知識込みで見つけることができました。

ミヤマペアとミヤマオス単体

また、移動中には一見樹液がなさそうに見える木々にミヤマクワガタがついており、1ペアと1オスを追加で得ることができました。

この日の日中だけでミヤマが4、アオタマが1、ヨコヤマ1、ネブト1と高尾の良いところ全てを味わえるような素晴らしい体験をすることができましたね。

ミヤマクワガタは私はいらないのですが、山中で虫取りの親子がいたら上げようと思ってキープしていました。

結局合わなかったのでヨコヤマを探しがてら虫取りの人も探すことに。

クアトロチャレンジ後の余談

山頂付近で虫取り少年がいたので少し話しつつミヤマクワガタを渡します。

譲渡前に感無量の成果をパシャリと。いい虫の宝箱か。

下山中にも虫取りの方がいるかも知れないと思い下山しますが、特にそうした親子はおらずミヤマを渡す機会はありませんでした。63mmだけ手元にいます。

ミヤマは60mm超えぐらいが基準になるかと思いますが、アオタマもヨコヤマもネブトも1匹落とせればホクホクで下山できる程のいい虫たちです。

大歯ネブトなんてもう1匹で大はしゃぎですよ

そんな虫たちに挑むこのチャレンジは、終えてみると非常に清々とした気持ちでしたね。同じ地で数年間昆虫を追い求めていくと体感できるぐらい採集や観察のスキルは上がるものなんだなと思いますね。

ここからは個人的な感想となりますが、これらの虫はいずれも2022年のブログを書き始めるから追い求めてきた虫たちでした。

初回の夜高尾怖すぎ問題。

記事にない22年は私は夜の高尾を初めて訪れてミヤマを取った年です。あの時は夜の山も怖く、1匹のミヤマを取れて大興奮したものです。それが日中でも4匹、この前の夜では9匹ですからね(リリースしてます)

アオタマも大変美しい人気も納得な虫ですね

アオタマは2022年に実は興味があって取りに来て、今では信じられないくらいギリギリな15時過ぎに手づかみした1匹から始まっています。24年には3匹、今年はアオタマに力を入れてませんがそれでも2桁台の数を見ています。(取ったのは数匹だけど)

個人的思い入れも強い虫。これを超えるのはオオトラになるか。

ヨコヤマは23年のブログ書きはじめの年に難関の種類でした。

7~9連敗ぐらいし続けたのですが、今思えば時期がズレていたのと探し方が外灯一辺倒だったのが悪かったですね。

去年、今年と見るべき部分の腕も上がりなんやかんや10匹ぐらい出会っていますね。

ネブトいいですよネブト。小さいながらもかっこいいです。

ネブトはミヤマの影に隠れていましたが最近はミヤマよりもずっと好きですね。遭遇数は累計で7か8ぐらいになるかと思いますが、高尾では狙って出会うのは一番難しいかもしれません。

夜間ならば外灯で最近は出会える機会も増えているみたいですけど、なんやかんやヨコヤマと同じか以上ぐらいの難易度はある感じですね。

これより先ではエゾゼミやアカエゾゼミが☆☆☆☆という感じでしょうか。鳴き声は聞こえるけれども出会えない不思議な虫ですね。

4種の難易度が高い虫たち。見るべき場所も取るべき戦術も異なり、運も必要。あなたの腕前が試される!

今回の高尾山のクアトロチャレンジは虫好きの人が挑んでみると一つの山の中でいろいろな見るべき場所を求める必要がありとても楽しめると思います。

4種のコンプリートが簡単な人も数種類で断念する人も新しいチャレンジとして試してみてください。戦略性とギャンブル性がありやっていてとても面白かったです。
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次回はお盆の日中にミヤマクワガタです。遅い時期ですが、大物を取りました。

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前回はこの記事です。日中にヨコヤマとアオタマを狙ったものです。この二匹が取れたらホクホクですよね。
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アオタマやネブトの発見記事です。アオタマは私は見つけてないのでミヤマとネブトを見つけたときですね。
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24年時点でのネブトクワガタの事情です。このチャレンジの障壁となる存在です。
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ヨコヤマやミヤマなどの過去の記録ですね。