マットで悩むカブクワの飼育
カブトムシやクワガタを捕まえて飼育する方が増える時期ですよね。

虫かごや昆虫ゼリーなどは手軽に用意できますが、マットについては昆虫の観察がしにくかったりコバエが湧いてしまったりダニが湧いてしまったり、マットを敷いてもひっくり返ってしまったりと色々な悩みが出てきます。
今回はそうした悩みを解決できるマットとしてハスクチップを紹介し、その利便性を見ていきましょう。
ハスクチップと利点
ハスクチップは日常生活でほとんど馴染みのない言葉であると思われますが、爬虫類や昆虫の底材として使用されるヤシの実の殻を粉砕したものです。

クヌギマットや針葉樹マットのように粉々ではないため、観察対象が粉まみれになることも少なく、ハスクチップがカブクワの引っかかる足場になる他、底材の凹凸が激しいためにカブクワが面ではなく立体的に見れるという嬉しい要素もあります。
また、チップ自体が複雑な立体構造であるために霧吹きなどの水分を吸収しやすく積み上がる構造であるため、水分が逃げにくいというのもこのチップの利点ですね。
それに針葉樹ほどではありませんが防虫効果も見込めるため、コバエやダニに悩まされている場合にも多少効果が見込めます。
何より管理のしやすさが圧倒的に良いですね。マットを変える際や霧吹きなどで粒上のマットが飼育ケースに張り付いてしまって汚れることがかなり減ります。
ハスクチップの欠点
ハスクチップの欠点はゼリーを直置きする場合にはハスクチップの凹凸による不安定感とカブクワの動き回ることのコンボによりゼリーが非常にひっくり返りやすいということです。

これはゼリーケースを投入し、餌場を安定することで回避することができますが、100円ショップで買えるとはいえコストになります。

ハスクチップは前述の通り凹凸が激しく、山あり谷ありな形になっているため、ゼリーがこぼれると複雑にこべりついてしまいます。
これにより対策しないとチップがすぐ汚れてしまうのが欠点と言えますかね。
また、昆虫マットで最もメジャーなものがクヌギマットであるため、需要はそれに偏っています。
同じ容量で比べるとちょっとお値段が張るのがハスクチップの欠点とも言えますね。
ハスクチップはどんな人に向くか
このハスクチップですが、大量ではないけれどもいろいろな種類のカブクワを飼育する人におすすめできますね。

理由はシンプルにマットの交換が非常に簡単で容器の壁などもほとんど汚さないためです。

管理上転倒防止材を入れなくてもチップが脚の引っ掛かり場所になってくれますし、保水性能も高いので水分条件の維持も楽です。
ゼリーのみが懸念点ですが、これは対策しないと面倒なため逆に問題になりません。
それくらい対策しないとゼリーがひっくり返ります。

他のマットが余っている場合でも組み合わせることで足場兼立体的な構造作りと針葉樹ほどではないものの防虫効果も見込めるため、邪魔になりません。
総じて優秀な要素が多いため、日頃の管理が多い人や思ったより取りすぎて飼育数が増えてしまっている人におすすめできますね。
他底材との比較とどんな人に向くか
底材の選択肢としてはクヌギマットや針葉樹マット、園芸用の土やティッシュなどなど選択肢は色々とあります。
ここではカブクワの底材を探す人に向けてどんな人にその底材が向くか見ていきましょう。また、ハスクチップはこれらの底材と組み合わせても転倒防止効果や隠れ家を作る効果が見込めます。
クヌギマット(広葉樹)
クヌギマットはマットの中でも王道で流通量もとても多い安定の選択肢です。
黒いため汚れが目立ちにくく、自然界の地面に近いものがこのマットであると考えられるため最有力候補と言えますね。
クヌギマットの最大の欠点はコバエが湧くことです。

ショウジョウバエではなくキノコバエというハエの仲間なのですが、これは朽ちた木材から発生するため、時折マットから新しく発生しときにはたくさん出てくることがあります。
発酵マットであっても屋外からキノコバエの仲間が来ることもありますので、コバエが嫌な場合にはちょっと嫌ですね。あとは加水されることで発酵臭が出ます。ちょっと特有の香りがします。
足場がないので転倒防止剤をしいて上げる必要があります。ハスクチップと混合して底材にしてあげると足場が作れて便利です。
針葉樹マット
針葉樹マットは針葉樹特有の香りで防虫効果が見込めるマットになります。

色が黄色っぽい系統のマットになるため、生体が非常に映える他、ゼリーがこぼれてだまになったり水分の状況がクヌギマットなどより分かりやすい点、防ダニ効果が強く見込めるなどの明確な利点があります。
マットの細かさがメーカーにより様々で統一感がないのが個人的には面倒かなと思います。粉末状のものもあれば軽く形状の残ったもの、水苔のようにある程度の形が残っているものなどがあります。
針葉樹マットでは利用樹種が様々でスギやヒノキ、マツやヒバ類などいろいろなものがあります。

カブクワによっては成分が合わないのか落ち着かずにウロウロしっぱなしのものが見つかる場合がありました。生体に依る合う合わないが多少あるのかもしれません。
地味に香りがいいので、クヌギマットなどの香りやカブトムシ臭が気になる方にもおすすめできますね。
園芸用の土
園芸用の土は100円ショップなどでシーズン外でも購入できる選択肢です。

100円ショップでもシーズン中には安いマットが出ますが、身近で手頃な土が欲しい場合の選択肢として活用できます。
基本乾燥しているので水の染み込みが悪く、あくまで妥協の一手です。
ティッシュ
ティッシュは水分保持能力も高く隠れ家も兼ねている侮れない選択肢の一つです。

上記のマットと合わせて隠れ家がない場合などには最も簡単な隠れ家として便利に使うことができます。飼育容器の底にひいてあげることで転倒防止剤としてもよく機能するため、飼う数が少ないし一夏の間も飼うかわからない、一時的に状況を見たい場合におすすめできる選択肢です。

これらの底材と組み合わせても優秀な効果を発揮できるマットなので、興味が湧いた人は試してみてください。