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6月のクワガタ採集事情 平地で最もクワガタが見つかる時期

梅雨、ジメジメしているからこそピークが来る

ジメジメ感で外出を控えたい時期だが、クワガタを求めるならば出る必要がある。

梅雨は外に出る気もせず、早く夏が来てクワガタ採集したいなぁと考えている親子や虫好きの方もいるのではないでしょうか?

夏に向けて情報を仕入れようとしてこの記事にたどり着いた方もいるかもしれません。

雨が多く嫌な時期のこの時期にクワガタの出現はピークを迎えます。

その理由と真夏ではなく今こそ行くべき理由などを紹介していきます。

6月、個体数のピークがひっそりと。

当ブログのたくさんいるクワガタの写真はほとんど6月

6月にクワガタの出現がピークとなることは特に親子層においてはあまり知られていないようです。

7月や8月の印象が強いクワガタですが、その時期には既に衰退期に入っており、このピークの概念を知らずにこれまで採集していたのならば悪条件の中で挑んでいたと言わざるを得ません。

例として600mの標高がある高尾では7月頃にならないと個体数が出てこない

もちろんこれは東京や神奈川の平地の話であり、山地となると標高による気温の影響で真夏にピークが来るということもあります。

しかし今回は平地を中心に話を展開していきますのでお願いいたします。

6月にピークを迎える原因としてクワガタの出現要因となる樹液の流出が関わってきます。

カブクワの出現は樹液に依存している

類似の記事にて5月のクワガタ事情を紹介したことがありますが、この時期は樹液の出が弱いという話をしました。

この要因として土中の水分量と気温を上げましたが、6月はこの条件が梅雨により満たされているので樹液が非常によく流れます。

沢沿いや川沿いは土中の水分量が多いので樹液が出やすく枯れにくい

私的な体感としては5月下旬から姿を見かける頻度が急激に増え、6月頭からノコギリが増加、6月の下旬には平地の普通種であるコクワガタとノコギリクワガタがピークを迎えるという印象です。

なので東京神奈川の平地でカブクワを捕まえたいと考えている方は6月中に行動することをお勧めします。

人気のノコギリクワガタは6月中はめちゃくちゃいる

6月はこの記事で知った方も多いかと思いますが、大多数の親子層は知らない時期であり、5月程ではないもののまだ真夏に比べると人の出現も少ない時期です。

なので一年の中で平地の場合最もクワガタを捕まえやすい時期になります。

これまで真夏に探していて捕まえられなかった場合でもこの時期の概念を理解して探す時期を変えれば簡単につかまってしまう可能性が高いです。

6月のメリット

なんといっても生態的にクワガタの出現のピークを迎えていることです。

1本で2~30くらい見たことがある。場所を当てればここまではなくとも見つかる。

ここでは紹介しませんが、樹液が出やすい環境となっている2024前後の時点において6月は大発生と言っても過言ではないくらい昆虫が出ています。

クワガタがいる場所を探す方法で紹介している航空写真を利用して、緑のある場所に行けば見つかってしまう可能性が高いです。
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また、樹液がかなり色々なところから出る時期であるため、夏休み期間にかけての下見にもうってつけです。

この時期に虫が来ている樹液はだいたい7月中は出ていることが多いです。

例えば河川敷でも高尾でも6月に樹液を見ておけばそのシーズン中は使えるかも

発酵もかなり起きている時期なので、樹液が分からなくても道を歩いているとアルコールのような甘い香りが漂っているのをヒントに探せる可能性があります。

また、近年では樹液の流出が多いため(根拠については別記事)、ピークシーズンの樹液にかなりの個体数が来ており、業者などの一部を除いて取り切れないような数が出ている場所もあります。
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(樹液の流出やそれに関わる虫、近年の事情の変化などはこの記事より)
一過性のものになる可能性は高いのですが、5月や真夏にネックとなるライバルの存在が他の時期と比べネックになりにくい時期かなと思います。

さらに出現種数も大きく変わっており、5月時点ではコクワやヒラタを中心としていたターゲットがコクワ、ヒラタ、ノコギリ、カブトと拡大します。

クワガタの範囲が大きく増える6月。知る人はこの時期を待ち焦がれている。

特にノコギリとカブトムシという巨大種が良く狙えるというのは特に親子層にとって魅力的なはずです。

それがたくさん見つかるのですから、ピーク時の採集を経験すると昆虫採集にはまりかねません。イベントなどしているとお父様の方が熱中してしまうというのはよくあることです。

6月のデメリット

熱中症のリスクが高まります。

写真でももう暑い。昼間の河川敷は年数度で勘弁してほしいくらい辛い。

6月は暑さに体が慣れていない時期なので少し無理をすると日頃屋外で行動しているような方でも熱中症になります。

特に雨が多く蒸しやすい時期なので注意が必要です。また、近年はゲリラ豪雨が増えており、樹液的には嬉しいですが人間的にはげんなりするケースが多いです。

この対策は難しいですが、私はwindyというサイトを使っています。

夏最大の恐怖。積乱雲の予想は6月頃から必要。

気象予報は世界で4つ有名なモデルがあるのですが、windyでは各4モデルの数時間後の雷雨予報が見られます。

複数のモデルを見て予測を立てると何もしないよりは断然ゲリラに合いにくくなるので非常におすすめです。

https://www.windy.com/
また、この時期は昼間でもそれなりに成果を上げられますが、昼間は一層熱中症に注意が必要です。

河川敷などでは深刻な暑さで笑えないので熱中症対策はしっかりしておくことをお勧めします。空調服はお勧めですね。

森の中でゲリラ豪雨にやられると精神的にかなり披露する。雷の怖さを体感することとなる。

6月ですがカブクワの環境に現れる人の質が変わります。具体的にはベテラン(5月からいるが)と業者が混じり始めます。

ベテランはおそらくサイズを求めており、業者は販売することが目的なので根こそぎ持っていきます。

特に業者は非常に面倒な存在であり、我々が具体的な場所を明かさない理由の一つと言えます。

ご神木のある場所が7月直後、業者の出現により根こそぎ取られていた。

ベテランの方には色々なタイプがおり、気さくで教えてくれる人と話しかけるなオーラを出している人がいます。

ですがベテランの人から話を聞けると結構参考になるので、よさげな人なら会話してみると何か情報がもらえたりするかもしれません。

6月になるとそういう人がらみの問題が増えてくるのが面倒ですね。

人の多い夜高尾は虫以外にも虫を知る人との出会いが面白い

一方で人も増えてくるので夜の闇への心理的な安心感は高まります。やはり人がいるというのは採集的にはいい面も悪い面もありますが、初心者としてはありがたいものでしょう。

また、この時期以降スズメバチが増えてきます。とはいえ6月くらいだとまだ大人しいのでお盆以降程警戒する必要もありません。

脱水対策として飲み物などを多めに所持して安全に配慮して楽しみましょう。
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(ブログ内カブクワ関連の殆どがこの記事より読めるようまとめました。情報収集にぜひどうぞ。)

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