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5月のカブトムシ、クワガタムシ採集。夏前にカブクワを探すメリット。

初夏の気候、カブクワがいる予感

5月に狙いたい人気種ヒラタクワガタ。神奈川では大変な1種。

5月といえばサクラも終わり夏の虫には早い中途半端な期間という認識の方も多いかと思います。

しかし越冬性のクワガタが出現している時期であり、気の早いカブトや当年出現のクワガタも少ないながら見つかる時期でもあります。

今回は真夏ではなく初夏の5月にカブクワを探す理由とそのメリット、そしてデメリットもお伝えします。

5月に探せるカブクワについて

まずは私自身の活動の中で5月に見つけたことがある種類について紹介します。

5月採集で最も目にするコクワガタ

この時期のメインターゲットは越冬明けのクワガタ、その中でもドルクスと呼ばれる黒くて薄いクワガタがメインターゲットになります。

種名を上げるとコクワガタとヒラタクワガタが東京神奈川ではねらい目となります。

ヒラタとスジクワガタ。どちらも少し珍しい。

神奈川ではヒラタの出現は薄いのでコクワばかりになりがちですが、都内ではヒラタもそれなりに見つかるようなのでどちらとも狙えるかと思います。(今年都内は調査しますので続報をお待ちください)

しかし出現は薄いながらもノコギリ、カブト辺りも見つけられます。

特に死骸に注目してみると見つけやすい。後述するが、5月の樹液は少ないため。

特に近年は5月中でも夏日のような日があるからか、以前よりも出現が速いように感じています。

カブトムシの最速記録は5月の中旬、ノコギリも同じくらいの時期に確認しています。

5月はコクワヒラタならば狙うのに適切な時期、ノコギリカブト辺りにはさきがけの時期となり、意外と夜の雑木林に行けば見つかるのです。

なぜ5月に狙うべきなのか?

さてわざわざ5月と一般的には早い時期に行動することを推奨するには理由があります。

ライバルの例として6月ではたくさんクワガタがいた場所も真夏には採取者で溢れ姿を消した。

東京神奈川などの都市部でカブクワが取れない最大の理由はライバルの出現です。

真夏の都市部の少し緑があるような場所にはカブクワを求めてたくさんの家族が訪れます。

エリアの樹液は増えているとはいえ限られている

カブクワの資源はそのエリアの樹液に依存しており、人の目につく範囲にいる虫は根こそぎ取られてしまうので当ブログに多数ある採集知識を生かしてもうまくいかない場合も多々あります。

ではそのライバルを避けるためにどうするべきでしょうか?

その答えこそライバルがいない、少ない時期に探そうということです。

チビヒラタだが、採集期は5月。

特に人気が高いヒラタクワガタは他のクワガタが出てくると姿を消す傾向があり真夏では逆に狙いにくかったりします。

もちろんそれを理解しており、特にヒラタは採集慣れしている方に人気が高い種類でもありますから同時期に探し求めている方もいます。

ですがコクワに関しては巨大サイズを除いて取るような方は少ないです。

コクワはかなり見つかる。クワガタを見つけるという目的があるならばかなりいい。

なのでコクワガタに関しては相当ねらい目な時期となり、成果が非常に上げやすいです。

加えて5月に行うそうした採取は真夏に向けた下見を兼ねており、その時にクワガタが見つかった場所は今年は樹液が出るポイントであり続ける可能性があります。

早いと4月下旬くらいから出る樹液もある。

真夏の人が多いタイミングでもちょっと人が見に来なさそうなポイントを押さえておけば真夏の日没直後に素早くそこを見に来ることでノコギリやカブトムシに出会える可能性は高まります。

加えて5月というのは越冬した個体の出現と、新成虫の出現が重なる時期でもあります。

クワガタが利用しそうな大きな材。こういう材中で羽化を待つ。

クワガタが木材内部で成長しているというのは多くの方が知る情報かと思いますが、前年の秋には成虫になっており、木の内部の蛹室で過ごしているというのはあまり知られていません。

外に出てくるトリガーは不明ですが、5~6月にかけては特にコクワヒラタの新成虫が出てくる時期に当たるのでまだ警戒心が薄いドルクスにうっかり遭遇できるチャンスがあります。

また、5月の樹液はスズメバチが少ないという安全面の利点や、下草が伸びきっていないという点でも優秀です。

いるにはいるが、女王蜂の可能性が高い。攻撃性はかなり低い。

スズメバチは誰もが知る樹液採集のリスクです。およそ5月頃になると女王バチは巣をつくり、第一次の働きバチを育てます。

巣も小さく産卵数も少ない時期なのでスズメバチの個体数は巣が大きくなっている夏と比べても圧倒的に少なく、心理的な安心感は高いです。

マダニやマムシなどのリスクは5月時点でもちゃんとある。

同様に河川敷や山に隣接した緑の場所では下草につくマダニや薮に潜むマムシが最大のリスクとなります。

5月の段階でも下草はそれなりの伸びていますが真夏に比べれば何とかなる程度です。場所を選べば腰位で済みます。

安全面の点からも実は5月は優秀なんですね。

一方でデメリットもあります。

5月のデメリット

なんといっても6月下旬や7月のピーク時に比べると個体数の少なさが挙げられます。

5月の河川敷は樹液こそ出ているが、見つかる個体はポツポツ。

探せば見つかる程度にはいるのですが、カブクワ出現のピーク時に自分だけが知っているような樹液で見る光景と比べるとだいぶ控えめな数しか見つかりません。

この時期は雨がまだ少ないことと気温がまだ低いこと(これは主観ですが)も相まってそもそも樹液の出現が弱いです。

なので本当に初心者の場合には弱い発酵の樹液を見つけなければならず、なかなか難しい点が挙げられます。

5月の樹液に来ているスズメバチ。この他、コムラサキなどの樹液性の蝶も来ていた

ですが逆を言えば樹液のポイントが限られているということであり、そうした場所を見つけられるならばぽつぽつとカブクワが見つかります。

人が少ないというのはメリットでもありますがデメリットとも捉えられます。

夜の闇はかなり恐ろしい。慣れても油断できない。

夜の闇は知っている場所であっても慣れないと怖いものです。人がいれば心理的安心感はかなり確保されますが、成果を上げるならばその逆をしなければなりません。

数回採取していると慣れますが、ここは初心者の壁ですね。この問題はいいライトを持つことで解決できますので、今年挑んでみたい方は検討してみましょう。

人の少なさに関連してきますが、現地で慣れていそうな人に情報を求めるというような行動もとれません。

クワガタやカブトムシなど現地での情報がもらえる可能性もある

例として高尾山などでは採集慣れした方もかなり多いのでアドバイスや虫自体をもらえるという幸運に恵まれることも多々あるはずです。(結構坊主の親子にクワガタを上げる方がいます)

ですが早期の時期だと人に出会わない可能性も高いため、事前に樹液の探し方やクワガタの種類、どんな場所にいるのかやクワガタを探すテクニックなどを押さえておく必要があります。

もちろん木の見分けだって必要ですよね。

見分けは初心者最大の壁とも言える。が、成果を出すには学ぶのが一番。

早期採集では頼れるのは自分だけとなるので、知識を押さえたものが勝てる時期です。今の私たちにはそんな知識がないと思っても安心してください。
当ブログにはそういう方を対象としたコンテンツが多数ありますので、ブログ記事を押さえておくだけで東京神奈川の低山で見られる種類までは捕まえられます。

今回は5月にカブクワを探す理由を紹介しました。一般的にカブクワは夏休み頃から探すという認識の方も多いかと思いますが、初夏からバッチリ探すことができます。

運よくヒラタなど捕まえることができれば知人やお子様の中でヒーロー扱いされること間違いなしですので、今回の内容を生かして採集に挑んでみてください。
知識を深めたいという方には関連記事を貼っておきます。

その記事内などの関連記事をグルグルしていくとかなり採集に関する知識を深められますので、ぜひ活用してみてくださいね。
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(ブログ内カブクワ関連の殆どがこの記事より読めるようまとめました。情報収集にぜひどうぞ。)

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その他にも採集に挑みたい方に向けて役立つ記事を沢山備えています。当サイトを活用して自身の目標達成を目指しましょう。