アウトドアの最重要アイテム、ライト
夜間の活動も多い昆虫採集やアウトドアにおいて、フラッシュライトの性能は命の安全に繋がります。
夜の山や雑木林に入ればあなたは動物の1人にすぎません。
身を守るため、および精神的な安全の確保のためにもそれなりのライトを1本購入するのがおすすめです。
値段はそこそこしますが、高いライトには高いだけの理由があります。
今回はライト好きかつ夜の低山で昆虫採集している私が、所持しているライトの中からおすすめのものを紹介します。
欲しい機能について
昆虫採集(アウトドア)におけるライトでほしい機能
防水性
急なゲリラ豪雨や落とした際の浸水でも使えて安心
落下衝撃耐性
うっかり落としても大丈夫なため安心
ランタイム(人による)
照射時間で活動時間が制限されてしまうため
光量
真っ暗でも心理的に落ち着けるため
配光
暗所の散策なら拡散寄りの光が足元の危険物などをみつけられる
火災防止のロック機能
誤点灯するとカバンの中で物が燃えるため
使いやすさなど
直感的に操作できるか
sofin SC31pro
台湾のライトメーカーです。家電量販店以外で初めて明るいライトを選ぶ場合に強くおすすめします。
sc31proは4000円を切るお手頃さと、最大2000lmもの光を出せる光量によって、アウトドアシーンで光がほしい場面に幅広く使えます。
手頃なのでSC31proを1本買って、1万円を超えるライトが自身に必要なのかどうか、自分がどの程度の光量が欲しいのか判断するといいと思います。
高級ライトが必要ない場合sc31proのスペックで昆虫採集やアウトドアのニーズは満たせます。
重さはほぼバッテリー分で、負担は一切ありません。欠点らしい欠点はランタイムと排熱性くらいです。
sc31proのメリットでありデメリットである点は独自のAIを導入している点です。
こちらの操作をご覧ください。あまりにも複雑です。
軽く説明するとボタンを1~10回クリックorクリック後に長押しすることでそれぞれに各機能が盛り込まれています。
機械好きにはたまらない機能なのですが、それなりに光ればいいというライトのライト層には、誤操作で訳が分からなくなるという欠点があります。
一方でご自分の好みにカスタマイズできるという機能であり、この価格帯では異常な性能をしています。
前述の欲しい機能で判断していくと防水性は最低限あります。
ただしusb-Cポートでプラグが栓で覆われていますので、信用はできません。
ランタイムは18650バッテリー(3000mA)と本体が小さいのでバッテリーも小さいです。
ソロの真っ暗な山でこれ1本だときついですが、親子で近場の採集やキャンプ場などでの照射、移動用ライトとしてのニーズであれば十分足ります。
光量は十分で無段階モードがあるため、実質的に50~2000lm間の好きな光量を使用することができます。
しかし、sofinのものは非常に熱を持ちやすいので、800lm以上で常時点灯という高級ライトでできるようなことはちょっと厳しいです。
2000lmは20秒くらいが限度で、持てないくらい熱くなってしまいます。
また、sofinのLEDライトは所持の2/2で高lm数帯で周波数の関係かモスキート音が出ます。
個人的にはこれが結構マイナス点です。
テール部分にマグネットキャップが付属し、金属への取り付けも可能です。
配光は拡散とスポットの中間位といい塩梅で、操作の複雑さを除けば足元から15m先ぐらいまでの視野は問題ありません。
初めて購入した方は驚くことでしょう。
様子を見るための1本として非常に優れています。
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(sc31proは様子見兼ライト層向けにおすすめの1本です)
olight seeker 3 pro
中国のライトメーカーです。
ユーザー視点で作られたライトが豊富で、特にアウトドアシーンにおいて欲しい要素が盛り込まれています。
特筆すべきはダイアルによる直感的な光量操作です。足元から30m先ぐらいまで瞬時に光量をいじって適切な明かりにでき、目がくらんだりしません。
seeker 3proは定価15800円、セール時には11000円ほどで買える拡散系のライトです。
現在はseeker4proが出ており、3proの純粋なアップグレードなのでそちらを選んでください。類似のseeker4は配光やボタンなど違うので気をつけてください。
最大4200lmの大光量(一般的ライトは200lm前後)と無段階調整モードにより、5~4200lmというとんでもない広域の光量を自在に繰り出せるのが魅力です。
配光の広さがとても魅力的で、正面視野180度まで照らせるため、これ1本で真っ暗な屋外でも十分な視野の確保ができます。
アウトドアにおいてはスポットよりも拡散よりのライトのほうが視野が広く見れるので便利です。
拡散光では足元含め180度見渡せるため、視界の様々なものが目につきます。
olightのライトの魅力は徹底的なユーザーフレンドリー設計にあります。
防水はIPX8で、水につけて点灯しても全く問題がないため、急な雨はもちろん災害時に浸水したりしても平気です。
fireflyモードも搭載で5lmの弱い光を12日間連続で照射できます。
アウトドアではゲリラ豪雨に見舞われることも多く、夜の闇の中で故障を気にせずライトが使えるというのは心強いです。
バッテリーは21700バッテリーで5000mAとモバイルバッテリー程の容量があります。足元を十分照らせる300lmの光(一般的にはかなり明るい)が640分も使えます。
耐衝撃性も強力で、メーカー公認は1.5mです。手元から何度か落としていますが、問題ありません。頼もしいです。
また、ロック機能がついており、誤点灯を防止できます。
適当にカバンに放り込んでも燃えないため、大変便利です。個人的にはロック機能はあった方がいいと思います。
LEDが4つついているのも魅力です。おかげで1200lm以上の高lmを使っても熱くなりにくいです。
総じてお値段は張りますが、初めて購入して使ってみればその性能に驚くライトです。
私も初の高級ライトはseeker3 proでしたが、ソロで暗闇に行くのが楽しくなるいいライトです。
探索者(seeker)の名の通り夜間の散策をしたいなら第一候補に挙がる1本だと思います。
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より詳細なレビューはこちら
olight warrior3S
同じくolightの最も売れているモデルです。
高級ライトの選択時に、seeker3proと並んで候補に挙がってくると思います。
値段は定価で12800円、セール時には9000円ぐらいで買えます。
こちらもアウトドアにて欲しい機能がそろっています。
特筆すべき点としてseeker3 proと異なる点は50,200,800lmの段階式の光量であるという点と、簡単な操作で扱え、瞬時に大光量を出せるという点が挙げられます
ライトのカテゴリーがタクティカルライトという戦術ライトであることから、対人用のテールスイッチを持っており、瞬時に2300lmの光を打てるため、携帯して護身用として持ち歩けるライトです。
アウトドアシーンでは暗闇環境であることから護身用の強力ライトがあると対人でとても助かります。このクラスのライトのストロボは、暗闇では何も見えないですし、40秒くらいは動きを制限できます。
特に女性でアウトドア的活動をする場合にはおすすめできますね。後ろのボタンを押すだけで2300lmが放てます。
このライトはアウトドア用かつ、防犯防災用のライトが欲しい場合に最もおすすめできる1本です。
防犯防災性能
fireflyモードという弱い光のモードがあります。
1lmの手元が照らせる光を最大55日連続点灯可能という災害時にとても役立つ機能です。
防水性はIPX8で水につけて点灯しても問題ありません。耐衝撃性能も2m以上から落としても今のところ問題ありません。
テールスイッチを利用することで瞬時に最大光量2300lm及び強力なストロボを照射できるのが最大の魅力で、1秒を争うような緊急時の対人において圧倒的な強さを誇ります。
seeker3proも防犯には使えますが、ロック機能の問題とテールスイッチがない点から、緊急時の対人には使えません。
warrior3Sはポケットから取り出し最大照射まで1秒かからない性能から、1本持っているだけで夜間の安心度が大きく変わる護身向けの1本です。
独自のインジケーターでバッテリー容量の把握ができるのも地味ながら便利です。
アウトドアにおいては独自の双方向グリップにより胸ポケなどに取り付けられるのが便利です。
ステップ式で光量がパッパッパといじれるため、近場を見る際の200lm,散策時は800lmというような切り替えがスムーズです。
配光はややスポットよりなので個人的には拡散より不便なのですが、日常のライトとしては優秀な配光です。
ランタイムもかなり魅力的です。ランタイムは光量に比例するのですが、このライトは高域が800lmです。
800lmでもスポットよりなので照射範囲はseeker3proの1200lmよりもはっきり明るく見えます。
seeker3 proの1200lm(high)が135分なのに対し、warrior3Sの800lm(high)は165分使えます。この差は大きいです。
欠点を上げるとするとこのライトはLEDが1つなので熱を持ちやすいです。
800lmでも夏場には段々熱くなってくるのでそこはマイナス点です。
ライバル種のseeker3proが無段階調光や最大4200lmとスペックもりもりなのに対し、機能やスペックが劣るように見えるのも表面上はマイナスです。
しかし、実際に使うことで代用の利かない一本であることが分かります。
総じて防犯防災対策として最高の1本で、兼用で昆虫採集にも使いたいライトが欲しい方にお勧めできます。
私は防犯用として常に身に着けています。
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olight perun2
olightの防水、落下耐性などのアウトドアシーンにて欲しい機能を引き継いだヘッドライトです。
こちらもアップグレード版のperun3が出ています。2の強化版です。
定価は9980円程で、セール時には7500円程で買えます。
前述の3種はハンドライトでしたが、こちらはヘッドライトです。
私はハンドライトを複数持った後に興味でヘッドライトを購入した口なのですが、これがとても便利でした。
防水性はIPX8で水につけても問題ありません。落下も頭から落ちても問題ありません。
perun2の利点は両手をあけられるヘッドライトである点と、L型ライトであるという点で別ベクトルの便利さを持っています。
昆虫採集におけるヘッドライト
採集時には網などを持っていきますので片手に網、片手にライトを持ちます。
私の様に長竿を改造した網を使っている場合、網の使用には伸ばすために両手を使う必要があります。
そのため、ライトを一時的に持ち替えたりするのですが、虫を見るたびにこれをするのが煩わしかったんですよね。
ヘッドライトにすることで片手が常に空くため、長竿使用の場合にとてもおすすめです。IPX8完全防水で落下耐性のあるヘッドライトはそう多くないです。
また、L型というのが革命的に便利です。
立てておくことで広範囲を照らす灯台のように使えるのですが、休憩時や食事などの際に隣に立てることはもちろん、後ろがマグネットになっているので様々な金属に取り付けて疑似ランタンのように扱えます。
(fireflyモード)
キャンプなどで大活躍でしょう。
あとは地味ですが、ライトを持つ手というのは動かないので蚊によく刺されます。
ヘッドライトにすることで手の蚊刺されが激減します。
配光はseeker3 proに近い拡散系ですが、パワーが抑えられており、100lm,200lm,500lmとなっています。
500lmの照射距離はおよそ70mほどで、視界の奥までは照らせませんが、ヘッドライトとしてはかなり照らします。
何より500lmが270分使えるというのは大変心強いです。
フルパワー時はヘッドライトとして異常な2500lmで照らすことが可能です。
一時的とはいえ視野すべてを見ることが可能になるため、道迷い対策にも安心です。
デメリットとしてはヘッドライトとして重めです。
鍔付きの防止などに取り付ければ問題ありませんが、そのまま頭に使用するとずり落ちてきてしまいます。
そこだけ注意です。
また、定価1万円のライトにしてはカタログスペックのインパクトが弱いという点もマイナスですね。
使用すれば満足度がかなり高いのですが、1万円のライトを比較した際にhighモードが500lmというのはインパクトとして弱いです。
なので良いライトなのに購入レビューがないのでしょう。
olight marauder mini
olightの最高傑作だと思います。
定価は26800円ですがセール時には20000円前後で買えます。
ソロで暗所を探索する場合にはこれを使うと他のライトが使えない程度には快適度が上がります。アウトドアシーンにおいては革命的ライトと言えます。
最大7000lmの拡散光と最大600m照射のスポット光を瞬時に切り替えられる機能があり、この機能だけでそれぞれ1万円以上する拡散スポット光の能力が備わっています。
これにより、特定の場所や少し遠くにあるものを見ることと、広い視野を見ることの2つが両立でき、全くストレスがなく探索できます。
アウトドアでのmarauder mini
このライトはseeker3 proやwarrior3Sよりも大きなバッテリーを搭載しており、バッテリー性能が良いです。


warrior3Sの800lmが160分であることを考えると、あまりにも強力なランタイムです。
拡散光はseekerやperunと同レベル範囲のもので、800lmもあれば正面180度の視野が確保できます。
十分な明かりを遠慮せず使えるため、安心感が高いです。
拡散の使いやすさは前述の通りで、幅広い視野の確保に貢献してくれます。
さらにスイッチ一つでスポットに切り替えられ、遠目から樹液や樹液の出る樹種を探したり、木々のルッキングを行うのにも使えます。
スポットはルートファインディングにも便利で、道の遠方に動物がいないか見たり安全確保に役立ちます。
アウトドアシーンでは近くと遠くの両方照らしたい場面というのが非常に多く、良質なライトを2本持つか切り替えられるライトを持つかになります。
この切り替えだけを目当てにして購入してもおそらく後悔はしない利便性だと思います。
seeker3とmarauder miniクラスの光量になると蛾やカミキリ、一部のクワガタ類などを引き寄せる効果もあり、主に外灯採集で虫をこちらに寄せる効果も時折見られました。
クワガタ採集には赤色ライトモードもあり、このモードは明らかにクワガタに逃げられにくくなります。
デメリットとしては450gと結構重いです。
持っていると段々手に負担がかかってきます。また、重いので落とすとヒヤリとします。
日常生活では明らかにオーバースペックです。
山やキャンプなどの夜屋外にいることが多い方でないとスペックを使いきれません。
一方でそれらの方には十二分にその性能を発揮してくれます。
定価ではさすがに高いです。
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ライトの詳細はこの記事がおすすめです。
光量について
おそらく多くの方が疑問に思うのは、そんな大光量必要ですか?というところではないかと思います。
7000lmや4200lmのような大きな数字は目につきますよね。しかし日常的に使うには明らかにオーバースペックです。
これに関する答えは明白で、最大lm数が高いということはそれに伴い中域帯のlm数が高くなるということです。
フラッシュライトで重要なのは最大光量ではなく、普段使いする中域帯の光量です。
ここが1000lm前後になると必然的に4000~8000位のlm数が最大になります。
最大lm数はあくまでロマンで、最大lm数を参考に、自分の満足いく中域帯と配光を持つライトを探していくというのがライト探しの醍醐味だと思います。
私のようにソロ山で800~1600lm欲しいなという人もいれば、100lm程のヘッドライトでソロ山している人もいます。
満足や安心の度合いは人によって異なるので、一度安めのライトを購入して検討した後、いいものを探してみるというのがおすすめです。
ただし私のようにちょっとずつ高いモデルに変えていくというやり方はおすすめしません。
道具に関しては下手なものを買うよりも、いいものを1つ買った方が満足度は確実に高いです。(私の失敗です)
色々話してきましたがなんやかんや最大光量の照射はライト好きからするととても楽しい瞬間です。
いいライトの所持は確実に昆虫採集(アウトドア)の楽しみを増やしてくれ、ライトを持って散策しているだけでも楽しくなってしまいます。
ライト探しは最大光量のロマンと自身の満足のいく中域帯を試行錯誤するときが楽しいので、ぜひ今記事を参考に悩んでみてください。
お気に入りのライトで採集をしているとライトにも思い出が積みあがっていき、日に日に相棒になっていきます。その1本が彼らになると嬉しいですね。
私的オススメライト
記事の通りいいものを1本買うか、様子見で低価格高性能のsofirn sc31 proを購入して様子見がおすすめです。
ライトを購入して使ってみれば、強力ライトが夜の虫の発見と安全に大きく貢献してくれることが体感できるはずです。
olightに興味が湧いた方はこちらよりHPに移動できます。いろいろなライトがあるので、相棒を探してみましょう。
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初めの1本、様子見としてはあまりにも高性能なライトとしてあらゆる方にオススメです。
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(ブログ内カブクワ関連の殆どがこの記事より読めるようまとめました。情報収集にぜひどうぞ。)
その他夜の採集であると便利なアイテム
ライトは夜の採集における虫を見つける道具です。長竿網は見つけた虫を捕まえるための道具で、これもライトと同じく柄の長さにより捕まえる虫の数に繋がります。2mの網を使う人は5mの位置にいる虫が取れません。長い網を持っている人は見逃した虫を悠々と捕まえていきます。もったいないですよね。pljbnature.com
長竿網の作成や興味を持った方に向けてどのように作るかを紹介。0からだと面倒くさいですが、記事の通りにすれば簡単にできます。
ライト入手後に待つ楽しい昆虫採集関連記事
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さあライトを手にしたならば、いざクワガタ採集の知識を仕入れに行きましょう!
必要な知識はこの記事にまとめてあります!
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ライトを使うことで成果を挙げられる外灯採集の基礎はここから。
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夜の樹液探しはライトを持つことで壮大な冒険に変わります。山の中でその性能を最大限堪能しましょう!