olightの代名詞的なライトwarrior3S
olightの中でも特に人気が高いモデルとしてwarrior3Sがあります。
数ある同社製品の中でも売り上げNo.1を誇るライトです。スペック的に見れば他のライトも魅力を感じる人は多いと思いますが、どこに魅力があるのか?を紹介します。1年4か月ほど使ったもののレビューです。
こんな人にお勧め
護身具、防犯災害用のライトが欲しい人。アウトドアの屋外ユーズを目的としている人。拡散系ライトを既に持っていて追加のライトが欲しい人。
olight warrior3Sのメリット
素晴らしい配光
タクティカルスイッチのロマン
3段階のステップ式光量
痒い所に手が届く双方向クリップ
緊急時において替えが効かない
完全防水IPX8
2m落下耐性
前方集中2300lmのロマン
優秀なランタイム
以上のメリットを感じました。
特に他のライトと差別化できる点は緊急時の性能です。総じて防犯災害対策としてライトが欲しい人に最適なライトと言えるでしょう。
所持ライトの中で防犯災害目的の使用を想定するならば私もwarrior3Sをおすすめします。
素晴らしい配光
warrior3Sの配光は同社製品の中では珍しい配光をしています。
中心円はハッキリと映り、周囲も幅広く照らす配光です。
seeker3pro/4pro、marauder mini,perun2などのライトは拡散系と呼ばれるカテゴリーですが、前方180℃の視野を広く照らせる代わりに光を拡散させているのでlm数に対して一部分を見る上では暗く感じます。
一方でwarrior3Sの配光はそれらより前方集中型です。見れる視野角はおおよそ70~80度程度に減少するものの、見たい対象をはっきりと照らすことができます。
同社seeker3proの1200lmの光とwarrior3Sの800lmでは照射範囲はwarrior3Sの方がはっきりと見えます。
配光に関しては好みの割合も大きく、個人的には拡散のライトが好きです。だからこそ拡散の欠点も知っており、視野内の特定個所をはっきり見るのは苦手です。
例えば昆虫採集で木々を見るような場面では拡散よりもwarrior3Sの方が使いやすいです。特定対象を照らすという使い方もできるのがこの配光の利点ですね。
さらに素晴らしいのはスロワー系と呼ばれる遠距離照射のものほど局所的な照射ではないという点です。
スロワー系は遠くを照らせる代わりにスポット的な強い光になるので、近距離がまぶしくなりすぎて日常的には使いにくいです。このライトは中心と周辺を程よく照らしつつ夜の暗闇も消し去らないので、夜の活動感が強く楽しめます。これは夜を昼に変えるような拡散ライトでは味わえないです。
スポットと拡散のいい所を突いたこの配光は日常使いにしやすい素晴らしい配光といえます。
タクティカルスイッチのロマン
このライトはタクティカルユーズを想定されています。
通常のボタンに加え後ろにテールスイッチという特殊なスイッチがあり、これを押すことで映画の世界で使うようなライトの使い方ができます。
当然タクティカルライトにしかできない芸当であり、warrior3Sの採用理由として「なんか使っててかっこいいから」や「憧れの持ち方ができるから」というアーミーな憧れを採用するのもアリです。
私はこの口だった人で、長い期間使っていますがタクティカルスイッチを押すたびにメタルギア(ゲーム)の世界にいるような楽しみを感じます。
このスイッチはそういうロマンを感じることもできますが、本来は戦闘のためのデザインです。
warrior自体が戦士の意であり、このライトはテールスイッチを使うことで瞬時に2300lmの光、もしくはストロボを発生させることができます。実用性のあるタクティカルユーズができるので遊びのためのものではありません。
緊急時において替えが効かない性能
タクティカルユーズの続きであり、このライト最大の魅力となる点です。
warrior3Sは無点灯から最大照射を瞬時に出すことが可能です。同社seeker4pro/3proやmarauder mini,perun2などにもゼロから最大照射が可能です。しかしボタンを2回タップする必要があります。ストロボなら3回も必要です。
これは実際に使わないと分からないことなのですが、ライトを出してボタンをタップするのに2~3秒ほどかかります。
さらに言えばボタンの位置が取り出したときに分からないことも多いので、瞬時の照射はできません。
一方でwarrior3Sは取り出してテールスイッチを押す、これで最大照射とストロボが可能です。1秒ほどでできます。
私は幸運にも経験していませんが夜間の非常時にこの数秒の差が生死を分けると感じています。
なので他のライトを所持していても防犯用として使うならwarrior3S一択なのです。信頼度が他のライトと全く別物です。
ちなみにですが防犯目的でのライトの所持は国も推奨しています。これ目的で選ぶなら命を預けられるものを選んだほうが良いでしょう。
warrior3Sの優れた面としては防災用の長期間点灯モードも挙げられます。
1lmの手元を照らせる程度の明かりが55日間連続使用可能で、驚異的な数字です。
このfireflyモードはカバンの中を見たり、夜にちょっと物を探したかったり、クルマの中で探し物をしたい時などの僅かな光が欲しい場面で大活躍します。正直なところこんな便利だとは思いませんでした。
必要な時に超光量を放て、わずかな光も確保できるまさに替えの利かない性能をしています。
参考程度に同社製品を比較するとseeker3/4proは12/15日の連続点灯、marauder miniにはfireflyがありません。
3段階のステップ式光量
フラッシュライトにはステップ式と無段階の光量調整があります。
warrior3Sはステップ式を採用しています。
私は一時期無段階調光のロマンに惹かれていくつかのライトを購入しましたが、ステップ式の方がいいと感じました。
屋外のユーズでは手元を見たい場合と遠くの何かを見たい場合が多いです。無段階は調整に時間がかかり、次第にめんどくさくなります。ステップ式はあらゆる使い方で便利な方式です。
warrior3Sは15lm,200lm,800lmのステップが可能で、パパパッと変わります。
そしてカタログスペック以上に200lmと800lmのバランスがいいです。
スペック上は差がありすぎでは?と感じていましたが、200は足元や見回り~わずかな前方を照らせる光量です。800は完全に前方照射に向いている光量で、正面がしっかりと照らせます。
足元を照らしてもまぶしくないぎりぎりのラインで、この光量の設定はセンスがいいです。
光量の切り替えは現場では頻繁に切り替えるので使いやすいスタイルだと言えるでしょう。
痒い所に手が届く双方向クリップ
warrior3Sには上からも下からも取り付け可能なクリップがついてきます。
このパーツが防犯防災上の利便性に大きく貢献しています。
前述の通りこのモデルは瞬時に迷うことなく最大照射が可能なモデルです。しかし取り出す手間というのはどのライトでも手間となる部分です。
双方向クリップにより胸ポケットやベルトなどに忍ばせておけば、瞬時に取り出して照射することが可能になります。これならば1秒で戦闘態勢に入れます。
seeker3proにはこうしたクリップはなく、4proで取り付け可能なホルダーが出ました。しかしそれでも外す→スイッチを探す→ダブルタップの手間がかかります。
warriorが近接戦闘想定用でseekerは視界を確保して移動の利便性を図るという差別化だと思いますね。
この点で最近はwarriorX4も販売されました。同じくタクティカル使用を想定されたライトで、私も買おうか悩んだので資料を端から見ました。
しかしクリップではなくホルダー使用であること、光はより防犯向きではあるものの買い替えるほどではないもの(セールで12000円のため)、テールスイッチのみの運用であること(3Sはテールとボタン両方ある)から購入は見送りました。テールスイッチのロマンを味わいたくてかつ3Sを持っていない方は選択肢としてアリだとは思います。
いかんせん3Sが完成されすぎています。
完全防水IPX8
olightのハイスペックライトはIPX8の防水を持ちます。
これは完全水没しても問題ないレベルの防水であり、アウトドアシーンや災害を想定したライト選びならば必須の項目です。
ライトを買って雨に濡れて壊れました。ではお話になりませんからね。アウトドア及び災害を想定したライト選びには値段が高くなっても完全防水を選ぶべきだと思います。
私の事例でいえば昆虫採集で使うことが多いのですが、夏なのでゲリラ豪雨に襲われたり、水辺に落とす可能性があります。
夜の山でライトの故障を恐れずに使え、それどころか置きっぱなしにしても大丈夫なのは心強いです。
両手をあけたいときは多いですからね。
この機能を支えているのが後ほどデメリットに挙げる独自の充電機能にあります。
主流のタイプCなどの充電はプラグが露出するデメリットがあります。
この手の充電機構はIPX6.7レベルのものはあり、中には8のものもあります。しかしプラグ部のゴム栓が緩んでいたり、ほこりやゴミが入ってしまえば水没し故障します。
olightは露出を一切せず、マグネットで充電するため安心感が違います。
2m落下耐性
いかの天日干しのように後からじわじわとうまみを感じる機能です。
どんなに自信があっても人間である以上うっかりライトを落とします。絶対に落とします。
手の高さから落とすと液晶が割れるようなバキッと音がしますが、olightのライトは人間の高さ程度であれば大丈夫です。
私もクリップがあるから/バンドで結んであるから/気を付ければ大丈夫/のノリでアウトドアに臨んでいましたが、落としています。
ライトは結構転がるので、夜間の食事の時などのうっかり落ちてしまうこともあります。
なので落下耐性はしっかりしたものを選ぶ方が結果的に長持ちするでしょう。
warriorは双方向クリップのおかげで転がりにくいですが、紐などが付かないので落とすことは多くなりがちです。
前方集中2300lmのロマン
もはや個人的に語りたいだけなのですが、テールスイッチから放つ2300lmのパワーはほれぼれします。
タクティカルな持ち方をしているだけでも楽しいのにそこから爆光が放てます。照射距離は300mにも及び、街中でおまわりさんに見つかれば職質されかねません。
そのため雑木林や山の中でしか味わえない奥義なのですが、自己満足の世界とは言えとにかく楽しいです。
タクティカル使用のライトはアーミー物を通ったものの憧れでありロマンなのです。もしアニメや映画、ゲームの世界でそうしたアーミーな世界を味わった経験があるならば一度は「あの角から敵が出てくるかもしれない」 と妄想をしたことがあるはずです。
優秀なランタイム
ランタイムも魅力的です。
200lmの足元を照らす光が13時間、800lmの十分な光が170分近く利用できます。
同社のseeker3proが1200lmと高光量でありながら2時間ほどのランタイムでやや物足りないのに対し、wariior3Sは十分な光が2時間40分持つのは差として大きいです。
アウトドアシーンでは800lmを使い続ける場面はソロ山でもない限りないと思うので、1本あれば十分です。気持ち的にはバッテリーが1つ欲しいですが。
また、このモデル特有のものではありませんがolghtの大型モデルで使われる21700バッテリーを搭載しています。
seeker3/4pro,perun2,などと同じバッテリーサイズなので後ほど他のモデルを買う場合にバッテリーを使いまわせるというメリットもあります。もちろん電池単体も購入できるのでリチウムイオンの劣化も大丈夫です。
olightの充電はモバイルバッテリーなどからも可能で、痒いところに手が届き隙がありません。
warrior3Sのデメリット
メリットをまず上げました。
しかし使用する上で感じたデメリットもあります。
LEDが1つで熱を持ちやすい
warrior3Sは光を発するLEDが1つです。
そのため同社のseeker3/4pro(led4つ)やmarauder mini(led7つ)に比べると発熱しやすいです。
具体的に述べると夏季の発熱が気になります。山などで使用する場合800lmを主に使うのですが、発熱と夏の気候で手が汗だくになります。
ライトの設計においてLEDに支障が出る温度になると光量を落とす使用が組み込まれています。なのでライトに影響はないのですが、他のolightのライトに比べると熱を持ちやすいです。
冬には温かいというメリットになります。
ライバル種seeker3pro/4proとのカタログスペック負け
このライトは定価1万円を超えるライトでありながら使える光量が1lm,50lm.200lm,800lm,2300lmストロボだけです。
特殊な用途を除けば15,200,800lmだけで、目玉の2300lmは熱量の問題で1分30秒ほどの照射が限界です。
ライバル機種であるseeker3/4proが5~4600lmの無段階でこの区間の必要な光量を自由に扱える点や、ボタンではなくダイヤル式で使いやすい面、インジケーターや誤点灯防止のロック機能を持っていることを考えると同価格帯にしてはスペックがしょぼく見えてしまいます。
ただ、両者の利点は明確に分かれているので、自身がどんなニーズに合わせて使いたいのか?をはっきりさせておけば気になりません。
warrior3Sは防犯の視点が強い1本であると私は考えます。
最大照射に制限がある
このモデルに限らずフラッシュライトで掲げられる最大lm数の照射は1~2分程度がせいぜいのものです。
最大照射はturboモードと呼ばれますが、これは目につきにくい制限があるのです。
実はバッテリーが75%以上ないと使えないという条件があります。インジケーターで残量が見えることと、リチウムイオン電池が優秀で残量が減らないため、長期間使わなくてもいざというときにturboが使えないということは起きませんが、細かいチェックは必要です。
専用充電器
専用充電器による完全防水は明確なメリットです。
しかしolightのライトを1本だけ買う場合それを充電できるケーブルも1本だけです。
もし旅先にケーブルを忘れたら汎用充電器では充電ができません。 充電ケーブルが断線したら公式通販などから購入しないと入手できません。
この点は独自規格の明確なマイナス点だと思います。しかしolightにはまると充電器のストックが購入ごとに増えていくので、問題ではなくなります。
拡散配光ではない
これはデメリットの擦り付け、個人的な好みとなります。
夜間のソロアウトドアにおいてはやはり拡散系のものが欲しくなります。
散歩やジョギング、ちょっとしたお出かけや自分の位置を知らせるのに優れる配光ではあるのですが、真っ暗闇で使う場合(夜の高尾で昆虫採集とか)ならseekerの方が向いています。
似た配光のものとしてより安価なsofinSC31proがあります。 お値段がちょっと...という方にお勧めな選択肢で、値段も3分の1程度です。検討してみては?
総括
フラッシュライトなどの道具は安いものを購入して次はアレを、この機能がほしいなとだんだん欲が増えていき、結果的に安物買いの銭失いになりがちです。
私自身安いライトを買って失敗してきました。なので防犯、災害対策でもアウトドア利用でもライトがほしいならばいい一本のライトを購入したほうが満足度は高いです。
warrior3Sは防犯防災対策の傑作であると個人的には考えています。ライトをこれらの目的に使用したい方は購入して文句は出ないでしょう。記事のボリュームにある通り語りたいことがたくさんある良いライトです。
もしあなたが夜の山やキャンプ、河原など自然の中で活動をする場合や廃墟探索など真っ暗な場所に行く場合には前方照射の強いwarriorよりもseekerやmarauderなどのシリーズを検討したほうが満足度は高いと思います。
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拡散ライトのおすすめとして今回の記事でもたくさん比較したseeker3Proです。今は4proも出ており、持っていないなら4proを一本目にするのもおすすめです。
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拡散ライトの傑作であり、スロワーライトとしても使える私的おすすめライトです。防犯防災というよりは屋外ニーズに特化していますが、屋外で必要なあらゆる要素を満たしています。olightの最高傑作だと思います。記事だけでもぜひ。
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その他所持ライトの中からおすすめのものを紹介。記事中に紹介したsc31proはこの記事で分かります。安いので1本購入して、それ以上のスペックがいるのか?を考えるのもおすすめです。