蓼食う虫も好き好き

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大量発生することもあるマイマイガとLED外灯の普及の関係。幼虫は赤と青色で毒がありそうですが触れます。

大量発生もするマイマイガ


マイマイガという蛾は時折大量発生することがあり、話題に上がります。

この虫を始め外灯に集まる蛾は近年普及しているLED外灯と密接に関係があるのです。今日は外灯と蛾の関係と、マイマイガという蛾の特性を紹介していきます。

LED外灯普及の貢献者


蛾の仲間は真夏に条件が整ったり、食草が豊富であると年々数を増していき、ある時を境に大量発生することがあります。
(2017年の相模原キアシドクガ大発生や2023年北海道クスサン大発生など)

昆虫には光に対して集まる正の走行性と、光から逃げる負の走行性があります。蛾は正の走行性を持つため、外灯に集まってくるというわけです。

私はキアシドクガの大量発生に遭遇しましたが、幼虫が水のように地面を歩き、うねりができていたのを覚えています。

マイマイガの大発生は外灯がその卵で埋め尽くされてしまうレベルだったそうです。

このような自体が発生したので、虫に見える白熱灯を見えないLEDに変えるという動きが生まれ、一斉に山中を始めとする外灯は虫に見えない光へと変わっていったのです。

マイマイガはある意味その貢献者と言えますね。

マイマイガの姿


蛾の仲間の中には触覚が雌雄で異なるものがいます。マイマイガも異なる種類で、♂の触覚は♀を見つけるために大きく櫛形になっています。

こうすることで♀の発するフェロモンを探知することができるのです。

蛾の仲間には成虫になると食事をしなくなるものがいます。

そのためこうした触覚や街灯などの明かりなどで短期的に出会えるように頑張っているのです。

こうした機能を知って改めて見ると、この触覚は重要ですよね。触覚の太さ、形を見ることで雌雄の判断をすることができます。


♂のマイマイガは触覚が耳のように見えてうさぎみたいで可愛いのです。

成虫に毒はありませんのでこれからの時期に目についたら触れてみるのもおすすめです。成虫は5月6月頃に出現します。

マイマイガは幼虫も面白い


4月~5月頃になると樹木のあるところではこういった赤色の目立つ幼虫が出現します。

見た目は毒々しいのですが実際には毒はなく、前回紹介したオビカレハと同じく毒のある幼虫に擬態している幼虫です。
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毒のないオビカレハに触る記事です。かわいいですよ。

オビカレハが桜の害虫であるのに対しマイマイガは非常に多くの植物を食べるため、より広いエリアで見かけることがあります。

天敵が少ないなどの条件が満たされると大量発生することがあり、付近の街灯に恐ろしい数の蛾が集合するのです。

大量発生するものは食草が広いんですよね。

マイマイガの幼虫は非常に大きくなり、7cm程の大きさになります。

この大きさでは毛も非常に固く皮膚に刺さります。

足の力が非常に強く、試してみた所普通に痛かったので手に乗せるのはおすすめしません。また、毛も硬いので物理的に刺さります。

マイマイガは背中に青色と赤色の点が2列に並ぶため、見分けは簡単です。

もしも見かけたならばちょっかいを掛けてみるといいでしょう。
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幼虫では蛇擬態のセスジスズメが入門にオススメです。ビーズクッションのような質感が最高なんですよ。