空に大量のカラスを見かけた
町中でも山間部でもふとした時にかあかあ鳴くおなじみのあの鳥の声を聴くことがありますよね。
またカラスかと思いつつ空を見上げてみれば、なんととんでもない数のカラスが飛んでいるではありませんか。
不吉の兆候?地震?原因は何?と疑問に思うケースもあると思います。
今回は無数に飛ぶカラスは何なのかを考察していきます。
カラスとは?
カラスはカラス科に所属する鳥です。
身近な種類としては顎が太く都市部に多いハシブトガラスとシャープなハシボソカラスが挙げられます。
一年中見ることができる留鳥(りゅうちょう)であり、かなり都市部に適応した鳥の仲間です。
都市部から離れた場所でもハンガーなどの人工物を利用して巣をつくるなど見事な適応ぶりを見せます。
出現期、期間、レア度全てにおいて普通種であり、ごみ漁りなどの悪印象も強い鳥であると思われます。
繁殖期はかなり狂暴になり、巣のある木に近づいた人に攻撃を仕掛けたり威嚇するなど活発な行動を見せます。
その一方でなかなか美しい鳥であり、間近で観察してみればなかなか魅力あるつぶらな瞳と艶のある羽毛に目が行きます。
食性は雑食性で人間の食べ残し、木の実、昆虫類、小動物などを食べていると考えられます。
人間生活上ではゴミばかり食べている印象が強いですが、本来は自然界の掃除屋的な側面があります。
綺麗好きな鳥で、水浴びなども大好きです。
カラスが集団で空を飛ぶ場合
外で活動しているとカラスが集団で飛ぶ場面を目にします。これにはいくつかのパターンが考えられます。
前提としてカラスは非常に頭が良く、小学生程度の頭脳があることを押さえておいてください。
私の例は山よりの環境ですが、もしカラスが大量に飛んでいる場合には大抵の場合猛禽類が絡んでいます。
猛禽類は鷹やハヤブサなどのいわゆるかっこいい鳥たちの仲間です。肉食性の猛禽類は時にカラスの仲間を仕留めたり、攻撃を仕掛けたりします。
カラスの仲間は町内会のように地域のコミュニティを持っているらしく、危機を感知したカラスは鳴き声で仲間たちに知らせます。
その声を聴いた仲間が更に別の仲間に知らせます。そうするとカエルの輪唱のようにカラスの鳴き声がこだまし、地域のカラスが助っ人にやってくるようです。
空に大量のカラスがいる場合これは判断に慣れが必要なのですがシルエットの異なる鳥がいます。
それこそカラスに攻撃を仕掛けたり、気まぐれで被害にあった猛禽類です。仲間を攻撃されたカラスは持ち前の団結力で敵に集団で攻撃を仕掛けるのですね。
これとは別のパターンで鳴きながら特定の場所へ向かうカラスが次々に見つかることもあります。これに関してはもうお分かりだと思います。
仲間の救援の声を聞きつけて現地へ向かう別のコミュニティのカラスですね。
カラスは生態系の中では中間に位置する鳥です。より上位の者から身を守るための知恵として集団でコミュニケーションをとって戦うすべを身に着けたのでしょう。素晴らしい連係プレーです。
敵の視点から見たカラス
生態系の中ではこのカラスの集団行動はかなり恐れられているようです。
先ほどの通り猛禽類は鷹やハヤブサなどの仲間であり、生態系の最上位に位置する生き物です。単体で見れば彼らに勝てる生き物は多くはありません。
しかし猛禽類もまた学ぶ生き物です。
これは推測ですが、一度集団攻撃にあった猛禽類はカラスを避ける行動を取るようです。
トビやミサゴ、ノスリが単体のカラス相手に負けて逃げていく場面に遭遇しています。
こうなってしまうとカラスは単独行動をしているのにその背景に数百のカラスがついているようなもので非常に強いです。お互いに賢い鳥だからこその戦いが繰り広げられていますね。
繁殖期ではさらにカラスが狂暴になり、巣のあたりに近づいたトビが何もしていないのに襲われていました。カラスがより上空から蹴りを加えるような形で飛びにかかっています。
カラスの集団行動を理解しておくと自然下でカラスを見かけたときに考察するのが楽しくなります。
また、カラスをいじめた結果嫌がらせを受けたなんて話もありますから、ゴミ漁りをしているカラスの報復には気を付けましょう。
カラスは非常に賢い鳥である
カラスは小学生程度の知能があると言われています。
しかし実際に彼らの行動を見ているとそれ以上の知能があるように感じられます。
例えばカラスは人のことを明確に覚えています。一時期雑木林のある公園でおにぎりとワッフルを食べ、読書することにはまっていた時期があります。
カラスの知能は私も知っていたので挨拶をしたり声掛けするようにしていたのですが、私が来ると2羽のカラスが枝先に止まってこちらを眺めるようになったんですよね。
まあこれは餌をあげる人がいるだとか、食べ残しを期待しているとの解釈もできますが毎度カラスが来てくれるというのも面白い話でしたね。
後はカラスの知能を裏付ける話としてクルミ割の話があります。
堅い殻を持つクルミを道路に落として中身を食べるという行動です。
これは都市伝説だと思っていたのですが、つい先日目の当たりにしました。
クルミを咥えたカラスがおり、付近には割れたクルミが散乱していました。
これに関しては観察条件が結構シビアであると思われます。
まず観察場所がクルミの木に隣接した道路でした。クルミの実ができるのは晩秋頃です。このころは冬に向けて脂肪をためる時期で、カロリー消費を抑えたい時期です。
おそらくカラスもそれを理解しており、木と横の道路を行き来するのが最も効率が良いと分かっているものと思われます。
また、交通量も重要で往来が激しすぎるとダメなようです。
クルミを咥えたカラスを見ることができましたが残念ながら写せませんでした。いずれ収めてみたいものです。
今回は私が観察した事例として猛禽の例を紹介しましたが、群れる理由には他にもあるように感じます。
猛禽以外の脅威の観察や、襲われた死骸の見舞い?(仕留めた対象の観察かも?)と見えるような行動もあると思われ、注意深く見ていく必要がありそうですね。何があっても不思議ではありません。小学生程度の知能があるのですからね。
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ヒヨドリと並んで朝にぎやかな鳥であったりと、姿は知らなくても声は知っている鳥だと思います。