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2024年高尾山昆虫観察記11 高尾のオオトラカミキリを目指して(5敗)

今日も元気にモミを見て回るぞ

累計何本のモミを見たのかは5敗目でもう数えたくない

4連敗を続けている高尾のオオトラですが、数十連敗で取れない方がいることがわかっているのでめげることはありません。

オオトラの時期あるあるだと思いますが、晴れた日に山に行かないと行っておけばよかったなと後悔します。

取れる取れないの話ではなく、取れる可能性があるならば行く必要があるのです。(根性論)

今日こそオオトラを取るという覚悟

連敗続きの高尾オオトラですが、5敗目となったこの日で9月の10日前後とシーズン終盤が近づいています。

例年ならばもう終盤となる時期らしい

今回は4敗の経験から更に情報を仕入れてきました。

オオトラの生態面に関するもので、私はオオトラは幹で捕まえるものだと思っていましたが、モミの下枝に産卵する割合も高いとのことで枝のルッキングを中心に力を入れていきます。

この戦術が吉と出れば良いものです。

枝を見ていくとオオトラがくっついていることがあるらしい。産卵のため。

早速枝を中心に見ていきます。探す場所が幹周りから変わるだけでも変化を感じられて嬉しいものです。下枝を見ていくと確かにヤニや特有の渦巻き状の痕が見つかります。

9月頭から見ているエリアでは成果が上がっていないので、これまであまり滞在していなかったエリアで張り込みます。
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タマゴタケの色はかなりおもちゃっぽい

きのこが可愛なぁ。

タマゴタケが多くて癒やされますね。

この色合いで大変美味しいきのこなのが驚きです。

タマゴタケは猛毒キノコばかりのテングタケの仲間なのですが、食べられるのが不思議ですよね。高尾では植物の採集は禁止されていますので取るのはやめましょう。

移動中に栃の実を発見。クリと勘違いされる木の実。

予定通りオオトラは現れませんのでいつもの場所に移動します。

今日もおなじみのカミキリ屋さんが来ていますので情報共有をしていくと、先日(私の3敗目の日)オオトラを捕まえた人が一人いたとのこと。

今期高尾で捕まえた情報を初めて聞いたので期待が持てますね。カミキリ屋さんも過酷な採集をされているようで、執念を感じます。

やることは本当に変わらない。モミの木を見ていく。

今日はエリアをわけてお互い別の場所で探しましたが、どちらのエリアも人はきませんでした。

オオトラシーズンの終盤なのか、過酷すぎて1度来たら満足してしまうのか、連敗を重ねつつこのオオトラに挑み続けるには精神的な強さが必要そうです。

オオトラもこうして落ちていることがあるのだろうか。

肝心の今日の採集ですが、スズメバチをたくさん見つけたくらいです。その他ゴマダラカミキリとオオゴキブリを目にしました。

3.4敗目の時と比べると丁寧なルッキングで、二の腕程度の枝を見るようにしていたので退屈さは軽減されましたね。

また、このエリアでもオオトラが現在侵入しているような透明なヤニが出ている良質な木があり、今年は穴あかないかな~と期待していたりします。

イメージとしての透明なモミの樹液。オオトラ穿孔のものは透明ヤニが出るという。

日当たりも良いエリアなので年によっては取れそうなものです。このように枝からヤニが出ています。

オオトラの存在を示すものは多数見つかるのに驚くほどいない

ヒゲナガカミキリは衰弱傾向にあるモミを加害するそうですが、健全な木にこうしてヤニが出ているものはオオトラの疑いもあるのではないでしょうか。

日の傾きとともに敗北を感じる一時

この日も6時間ほど滞在し、休憩時間にはモミの樹冠を見ながら休んで飛翔個体を探したりしますが気配も0

カミキリ屋さん側も収穫はなく、二人で高尾オオトラの運ゲー具合で盛り上がって解散となりました。

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昨年は主に夜のみでミヤマクワガタやヨコヤマヒゲナガカミキリを狙っています。