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2024年高尾山昆虫観察記10 高尾のオオトラカミキリを目指して(3.4敗)

オオトラは何処へ

前回から更新の間こそ開きましたが、オオトラ探索自体は続けていました。

現在5回訪れてモミを30時間ぐらい見ていることになる。狂気。

同じ場所で同じ探し方をしているので内容的に新しい内容もありませんが、今期高尾山のオオトラ事情などをある意味リアルに体験できる感じになります。

今日も今日とてモミを見て回る

今年の9月上旬は晴れの日が多く、オオトラ日和と言えそうな日も多かったと思います。

雲が多く、ずっと日が当たる日ではなかった

前回でこの採集の過酷さはわかったので、無心でモミの木を周回していきます。

訪れた日はどちらとも天気はよく、3敗目は午後から崩れる予報だったので現地の人は私ともうひとりだけ。

4敗めは快晴予報だったので4~5人程度はいたような記憶があります。

期待はしないが、集中はしていく

どの日もやることは変わらずモミの木を樹冠から幹の下まで見て回ることです。

オオトラの日は6時間程度はこれを繰り返していくわけですが、ある種の修行のような感覚を得てきました。

3敗目の日は天気のお陰で人が全くおらず独占状態だったわけですが、高尾のエリアは広すぎるのであまりにも人がいないとそれはそれで話などもできずに辛いものです。

この時期の癒やしがきのこ。タマゴタケは成長が早くいろいろな顔を見せてくれる。

生き物の発見はほぼなく、もはや時折見つけるタマゴタケが癒やしです。

過酷な採集ですが、オオトラはモミの木からふとした時に降りてきている可能性があるために気が抜けません。

最近頻繁に来ているのでよく見る木に新しい羽脱孔がないか見たりしていますが、それもないようです。

フラスや食痕を見ることでオオトラかどうかも分かるという。

モミの木が伐採されており、その木から粉状のフラスが出ていました。切断時に発生したものなのか、カミキリ類が出しているのかは不明ですが、粉状のものですね。

幹と樹冠を見ます。飽きるとかもはやそういう領域ではありません。木にオオトラが降りていると信じてひたすら見て回るのです。

生き物がいるだけで嬉しいよ

成果がなさすぎてトカゲも撮影してしまいます。たまに地際に生き物がついているとまさか!?と衝撃が走るのはオオトラ採集あるあるなのではないかと思います。

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3敗目唯一見つけられたカミキリであるヒゲナガカミキリです。虫が見られるだけでも嬉しいものです。

オオトラは触覚が短いので樹上にいても間違えずにすむ

期待はしていませんが、ルッキングの精度を高める日として修業を重ねました。

帰りに食べたモスバーガーが美味しかったことくらいしかこの日は覚えていません。

4敗目の日

また別の日、4敗目となる日ですが、高尾に向かうときは今日の気候ならば出会えるかもしれないと希望を持ちながら登りに来るわけです。

今日こそみつけるぞ!と意気込みは家出る時がピーク。

オオトラカミキリがレアすぎて、挑むまではかなりモチベーションがあるのですが、モミを見ていくと現実に引き戻されます。

やることはいつもどおり、いると信じてモミの木を6時間ほど見続けることです。

似た写真ばかりですが、毎度撮影しています。

今回は現地にてカミキリ屋さん(今期観察記ではおなじみの方です)が来ていますので、エリアを分けて時折情報共有をしていきます。

いつもの人気エリアにカミキリ屋さん、別のいそうな気配がある場所に私、その後日没後くらいに別のエリアにももうひとり虫にかなり詳しい方がいらっしゃいました。

小指の先くらいの羽脱孔。オオトラのものではないかと思われ、複数見つかった。

私が見ていたエリアでは、鮮度は不明ですがオオトラの羽脱孔らしきものがついた木もあります。

日当たりはやや悪いのですが、以前遭遇した方はこのエリアで採集したことがあるらしく、希望はあると思われます。

樹冠には生息しているのだろうか...

日当たりの条件は本当に様々で、樹冠から幹まで日があたるような場所も見られます。渦巻き状の古い羽脱孔も見られますので、良さげですよね。

オオトラ採集でスズメバチに騙されるのはよくあることですが、今回は木の根元にいるこの蛾にはまあびっくりさせられましたね。

遠目から見た2cm程の虫の膨らみにドキリ。

一瞬オオトラかと思いました。

モミの木を諦めずにルッキングしていると久々にいい虫を見つけます。

ネブトのメス。ネブトは1匹取れれば十分嬉しいレベルの虫。

ネブトクワガタの♀です。モミの木の地際に普通についていました。なんやかんやネブトクワガタがモミにいるのは見たことがありませんでしたし、高尾ネブトは夏の虫の中でもそこそこ珍しい虫です。

ここ最近何も拾えていませんでしたからこの出会いは嬉しかったですね。

あとはミヤマの死骸を見つけたくらいでしょうか。6時間モミを見て回って得られる成果というのがこれくらいです。

9月上旬終盤でもいるらしい。

今回の文章は複数回行った後にまとめて書いているのであやふやな記憶だからというのもありますが、現地でのヒエヒエな空気感が淡白な感じで現れています。

その後カミキリ屋さんと合流しに行くと途中で先週姿を見ていた方を発見しました。

前述の私とカミキリ屋さん以外のエリアでずっと探されていた方なのですが、クワガタ屋であるらしくSNSやブログなどをされていて私自身インターネットで情報など見させていただいている方でした。

モミを見つつ採集仲間の輪も広げられるといいですね。そういうのも有名地の醍醐味かと。

高尾山には結構ハイレベルな虫屋の方が来ていると思っていましたが、実際にwebで見ていた方とお話ができるというのはかなり嬉しかったですね。

オオトラ事情やクワガタに関する話など色々と情報交換させていただきました。

この3.4連敗で得られたのはオオトラの情報とネブトの♀、現地で出会った方々からの情報と採集の面ではいまいちでしたが、情報的にはかなり有意義なものとなりましたね。
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次はこの記事より。シーズン終盤となるタイミングの訪問です。取れないのは当たり前ですが、天気がいいなら行くしか無いのです。

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前回はこの記事より。今回のように複数回のまとめではないので、記憶は鮮明です。内容は殆ど変わりません。
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今期高尾山の虫関連の第1回です。