高尾山で人気の腐生植物たち。
6/4日、高尾山の腐生植物の様子を見てきました。
ツチアケビは意識していれば見つけやすいところにあり、昨年も発生した場所と同じところで見られました。6/4日時点ではまだつぼみの段階で、開花には早そうです。
ツチアケビは非常に貴重な植物で、見付けるのは困難です。
私もここ以外では1箇所でしか見たことがなく、この時期の高尾山でこの植物のために登る価値がある植物だと思います。
茶色のツチアケビは葉緑体を持たず、土中の菌糸から養分を奪うことで自身を成長させます。
そのため、今回のテーマである3種の植物はいずれも葉緑体を持ちません。植物に見えないため、希少植物であるにも関わらず多くの人は素通りしていました。
目当てのムヨウランは?
ツチアケビを後にし4年ほど前にムヨウランの蕾を見かけた場所へ向かいます。
薄暗い林床にはこの時期の名物イナモリソウが生えていました。暗い中に咲いていると癒やされます。
腐生植物の多くは落ち葉などが堆積した薄暗い林床に咲いています。この環境条件が腐生植物の発見を更に難しくしています。
ムヨウランはまだ存在しているのでしょうか?
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前ほど密集してはいませんが、記憶にある場所付近でぽつりぽつりと終わりかけのムヨウランを発見しました。
今年の高尾山のムヨウランは6/4時点でほぼおしまいの段階でした。4年越しに開花した姿を見ることができてとても良かったです。
感無量の美しさです。暗い道を歩いてぼんやりと不意に姿を見せるムヨウランは、幽霊のようです。
ツチアケビと同じく通り過ぎる多くの人がその姿に気づかず、ひっそりと暗い林床で咲いています。
色は茶色でもその花はしっかりとランのものですね。
暗いとはいっても真っ暗ではなく、背景を見れば分かるようにほんのり明るさもあります。暗すぎるとダメなのかもしれませんね。
ここではいくつかのムヨウランの株を見つけましたが、ほとんどが1~2輪の花を残し終わっていました。
これはこれで腐生植物らしい儚さが見れていいかもしれません。
ムヨウランはツチアケビと比べるとかなり細く、背丈も20cm程度と低いです。
そのため、相当意識して探さないと見つけられないと思います。しかし、知っている人も多いようです。
探す場合には登山道の路肩などが踏み固められている場所を意識してみるといいかもしれません。発見した人が同じポジションで写真を取るので、路肩が固まっているんですよね。
6月でもギンリョウソウが見れた!
ムヨウランがあるということは土中の菌糸が充実しているということでしょうか?ムヨウランの近くでギンリョウソウも見ることができました。
いい事づくしでハッピーです。高尾山のギンリョウソウは4月下旬頃から出現し始め、もう遅いかと思っていたのですが、咲いていました。しかし見つけたのはこの1株だけです。
ムヨウランと比べれば見つけるのは簡単ですね。
ギンリョウソウはその種をゴキブリに散布してもらうことが有名ですよね。色の地味な植物はタネに美味しい部分をつけることでなんとか種を拡散して、暗い林床で生活しているのです。
6月の高尾山は希少な植物を探すことができるいい時期です。発見するのは大変ですが、見つけたときの感動は大きいですよ。ぜひ登ってみてください。
サイハイランももうじき咲きそうでしたよ!