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ホオノキに現れるフチグロヤツボシカミキリ。4~6月に葉の食痕から探すコツ。

初夏の美麗種 フチグロヤツボシカミキリを探せ!

昆虫シーズンもいよいよ開幕です。初夏におすすめのフチグロヤツボシカミキリを探し、植物と昆虫の魅力を味わいましょう。

こちらが今回のターゲット、フチグロヤツボシカミキリです。1cm程度の小型カミキリですが、淡い緑の光沢と並んだ8つの斑点が美しいこの時期人気のカミキリです。タマムシのような光沢が好きならまず好きになれると思います。

カミキリムシ探しでネックになるのは昆虫の知識と植物の知識が両方必要なことです。カミキリは特定の木にしかつかないものも多く、採集を始めたばかりのときには植物の方で苦労させられます。フチグロの場合はホオノキに付きます。この植物はかなり特徴的なので初心者でも分かりやすいのです。

カミキリがつくホオノキとは?


ホオノキは人の顔よりも巨大な葉をつけ、手を広げたような特等的な葉の付け方をします。バナナの葉を小さくしたような形といえば伝わるでしょうか?
春先であれば巨大な芽の皮が剥けた痕が地面に大量に残っているはずです。また、フチグロヤツボシが現れる4月~5月頃には非常に大きな花が咲いているはずです。


白い手のひら程の巨大な花が上向きに咲きます。 ホオノキ抗菌作用が有るらしく、昔はおにぎりなどを包む葉として使われ、今でも長野などでは朴葉焼きや朴葉味噌として親しまれている身近な植物です。見た目が分かりやすいので植物入門におすすめなんですね。

特徴を見分け、フチグロヤツボシの痕跡を探す


さて、上記の特徴からホオノキと判断したら葉を見上げて1枚1枚見ていきます。カミキリの仲間には葉を食べるものや葉脈を食べるものがおり、それらが食事をすると葉に特徴的な痕が残ります。それを探すわけです。ちなみにここがわくわく感があって一番楽しいと思います。
もう一度写真を見てみましょう。

写真左上の葉に細い線状の食べ痕があります。葉を食べるカミキリムシの食痕になります。
この痕が見つかればいることが分かるので、後は葉を丁寧に見ていきます。

写真中央にひげが目立つカミキリムシがいますね。フチグロヤツボシカミキリです。隣の葉にいるのはバナナムシでおなじみのツマグロオオヨコバイですね。このように植物→痕跡→実物発見を繰り返していくと昆虫採集はとても面白いものになります。

ちなみに普通種のようでホオノキを見かけると所々に痕を見かけるぐらいにはいます。実物よりも食べ跡を見つけるのが重要ですよ。

小さいですが満足感の高いカミキリムシです。夏に向けての昆虫採集に必要な基礎を一通り教えてくれる虫なので、興味の有る方は大きな葉を見上げて探してみてください!