地上と土壌を結ぶ昆虫
昆虫の中には飛ばずに地上を徘徊する者たちがいます。
オサムシやシデムシなどは薄暗い林床を探索し、生き物や死骸などを食べることで細かく分解し、土壌に返します。
野鳥や動物、昆虫などの死骸は目にしても、気がついたらいなくなっていますよね。
彼ら分解者の仲間のおかげです。今回は美しい色合いが人気のアオオサムシに遭遇しました。
色彩変化が豊富でマニア人気も高いオサムシの仲間
この宝石のような輝き、とても美しいとは思いませんか?
アオオサムシはとても身近な種類で、少し木々の有る雑木林があれば見つけられる可能性があります。
落ち葉がカサカサと揺れる音に注目しながら探してみましょう。
アオオサムシの幼虫はミミズを食べます。
ミミズは落ち葉が堆積した栄養豊富な環境に現れます。アオオサムシがいるということはミミズが見られる良い環境で有るともいえますね。
こちらは発見場所です。
付近に落ち葉の堆積場所がありました。薄暗い林床下でほんのり日差しが差し込むこんな環境にいます。
下草や落ち葉が天敵から身を守るシェルターの代わりになっているようで、そういった場所に身を隠す行動が見られました。
アオオサムシを始め、オサムシの仲間は肉食性です。
写真では大きな顎が見えますね。地上を徘徊し小型の昆虫やミミズなどを捕食します。牙は鋭いので、人間も注意が必要です。
彼らは死んだ生物も食べ、それらを分解して土壌に返し、植物や土壌微生物の栄養を作ります。
地上の動きに特化しているので飛べません。
その代わりクワガタなどと比べると非常に素早く動きます。更に嫌なニオイを出して自分を守ることもできます。
しかし地上を徘徊するという性質が弱点のため、地面に紙コップを植えるようなトラップには非常に弱いです。
もし興味があればオサムシトラップを活用してみると見つけやすいでしょう。
なぜトラップが推奨されるかというと彼らは夜行性なんですね。
昼間に探すと結構苦労します。
なので見たい場合には餌を探す彼らの習性と、羽を使えないという特徴を生かした落とし穴式トラップがいいのです。
その美しさから見つけて嬉しい、生態系のつながりを学ぶにもよし、生態を理解した採集の体験にもよしと身近でありながら様々なことを教えてくれる昆虫なのでぜひ探してみてください。