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2026年高尾山昆虫観察記6 トホシカミキリの仲間たち(ニセシラホシ、ヒゲナガヒメルリ、ヤツメ、ヨツキボシ、ヘリグロリンゴ、シラハタリンゴ)

かわいいサペルの仲間たち

今年はカミキリムシの仲間の中でもトホシカミキリ族の仲間にはまっています。

サペルでも身近なヤツメカミキリ。改めてみるとかなり綺麗。

トホシカミキリの仲間たちはサペル(族のサペルディーニより)と呼ばれており、その美しさから愛好家も多いカミキリムシの仲間です。

今期は別のエリアにて密かに探していたムネモンヤツボシカミキリを見つけることができ、この仲間たちへのモチベーションが非常に高まっています。

そんなわけで当地においても探せそうなサペルの仲間がいくつかいそうであったので、多くの彼らに出会うために訪れました。

意外と大変なサペルの仲間たち

今回はカミキリムシを探します。
pljbnature.com

当地においてはカミキリムシの調査記録をまとめたlong horn beetl fauna in takaoという高尾のカミキリムシ層を数年かけて調査した個人出版のものがあります。

当然自分であれやこれややるよりも事前に何がいるのかを大きく知ることができるので活用していきます。

21種もいるのでなかなかに楽しめそうだ

サペルの仲間は21種(怪しいものを除く)が記録されており、その中から個人的に見てみたい主としてニセシラホシカミキリ、ヒゲナガヒメルリカミキリ、ムネモンヤツボシカミキリ、シラホシキクスイカミキリをメインターゲットとしつつ、食草などをリストにまとめ、狙えそうなものは狙っていくスタイルとしました。

サペルの仲間たちの探し方

トホシカミキリの仲間の多くは食草がある程度決まっているものが多く、加えて葉脈や葉柄、つるなどに特有の線形の食痕を残すものが多いです。また、夕方などやや薄暗い時間に活性が上がることも知られています。

ツバキに残るニセシラホシカミキリの食痕

すなわちその探す種が何を食べていて見つけた食草に痕が残っているのかを手掛かりに探していくことになります。

始めたばかりのころは植物側を見分けられることが大前提となっているので、なかなかに苦労することになるかもしれません。

例えばヤツメカミキリはバラ科の樹木のやや太目な枯れ枝や枯れた幹にいることが多いです。

ニセシラホシカミキリは椿科の樹木を利用します。

サルナシに残るシラホシ、ムネモンヤツボシ?の食痕

ムネモンヤツボシカミキリはサルナシなどのマタタビ科を利用します。


ということでこれらのカミキリは実質植物を探すということになるわけですね。

高尾山で食草探し

さて現地では早速食草を探していきます。

無限の自然の中で複数の種数を探すというのはなかなかに難しい

事前にリストアップしているわけなのですが、さすがに探したい種類が多すぎて中途半端になりそうです。

具体的に述べると今日探したい植物は

いずれも何かしらのサペルが利用する植物である

アザミ、サクラ類、ケヤキ、アブラチャン、ダンコウバイ。イケマ、キジョラン、スイカズラ、オニグルミ、コナラ、クヌギ、ヤブツバキ、サワフタギ、マタタビ、サルナシ、クワ、という感じです。

トホシカミキリに詳しい方はこのラインナップで何を狙いたいのかが分かると思います。

植物ある程度やっていてよかったとカミキリ探すと思う

実際にこれだけの種数を探してみると途中から逆にこれは効率が悪いと感じまして、今回のメインとなるヤブツバキ、サルナシ、アブラチャンにダンコウバイをメインと探しつつヌルデとクワが近くにあるような場所なんかも調査していきます。

ついでにミヤマクワガタとか花があれば掬っていきたいですね。

食草は多いがあまりいない

さて実際にサペルに注目してみるとほかの虫では見ないような樹木に注目することができてなかなかに楽しいといえます。

ダンコウバイなんかも日ごろ目にする機会はない

例えばアブラチャンなんかはまず見る機会がないですよね。

そしてそれらの日頃見ない食草を探してみるというのも新鮮でした。

アブラチャンなどのクスノキ科にはヒゲナガヒメルリカミキリがつくのですが、探してみると視点が違うのかなかなかに見つけられません。

もともと多い種ではないカミキリなのか、そもそも探す人自体が少ないのか情報がほとんどないカミキリです。

高尾でカミキリを探すならばとても役に立つ

long horn beetl fauna in takaoがなければ知ることもなかったでしょうね。

そしてアブラチャンについては意外と山中に分布していることがよくわかりました。しかしアブラチャンの妖精はおらず、並行して探していきます。

道中でサクラ類のいい感じの太枝が枯れているのを見つけます。こうした場所は叩いてみるとヤツメカミキリが入るかもしれません。

叩いて損することはないので叩いておきましょう。

すると...?

ヤツメカミキリです。

ヤツメカミキリはサペルに手を出すとかなり印象が変わる

やはりいましたね。サペルあるあるですが、目に見えないだけでいるということがありますので、とりあえず食痕を探して適当にスウィーピングしたほうがいいです。

黄色と青と緑が混じったようなとても綺麗な色合いを持つ大型のサペルです。

普通種ですが、魅力的ですよね。色合いが結構複雑です。

引き続きアブラチャンやサルナシなどを探しつつ、目に食草が入ったら食痕を探していきましょう。

サペルの楽しいところは食草に食痕を見つけて、おお!と虫捕まえる前に楽しめるところ

薄暗い環境に足を運べば出てくるのがヤブツバキという植物です、

ヤブツバキにはニセシラホシカミキリが付きます。チャドクガぐらいしか印象の無いツバキにも視点が変われば虫がいるんですね。

葉には今日初めて見る線形の食痕が残されています。

これは分かりやすい!

これは確定演出でしょう。ということでガサガサとスウィーピングします。

なかなか入りませんが、視界の端をシラホシカミキリのような虫が通り過ぎ、近くの枝に止まりました。

これは?

慎重にネットインします。

ニセシラホシカミキリ。確かにシラホシと違う。これもいい!

ニセシラホシカミキリです!とりあえずアブラチャンの主がおらずげんなりしていたので、新規のサペルに出会えてほっとしました。食痕自体はぼちぼちあるのですが、意外と入らなくて驚きました。

また日を改めて様子を見ておきたいですね。

更なるサペルを求めて

薄暗い環境では追加が狙えそうにないので明るい場所に環境を移し、リンゴカミキリの仲間やサルナシを探していきます。

アザミという紫色のお花をつける植物を利用するやつがいる

アザミ類につくリンゴカミキリの仲間というのがおり、過去、アザミの花を見つけていた場所があったのでそこを訪れてみることにします。

また、サルナシがそこにはあるとの情報を得ていますので立ち寄ってみましょう。

日当たりがよくなるとつる植物からなるマント群落というのが出現します。

こうしたところにはヒメカマキリがいたり、スイカズラやサルナシが見つかります。

マント群落の手前にはアザミ類のロゼットがあり、この付近をオレンジ色の虫が飛んでいました。

配色の時点でリンゴカミキリの仲間を確信し、ネットインします。

到着早々いてくれるなんて嬉しいですね。

リンゴカミキリは似たものが多い。ヘリグロは縁が黒い。

ヘリグロリンゴカミキリです。アザミ類には葉脈にはっきりと線形の痕が残されていました。これは分かりやすいですね。

なお追加はありませんでした。

マント群落に眼をやり、カマキリを探しつつ別の食草を探していきます。

この場所はギャップと呼ばれる林縁部と草地の境目であり、こうした場所にはパイオニア植物の一つ、ヌルデが生えています。

付近にはクワも生えており、イッシキキモンカミキリが狙えるかもしれません。

そんなことを考えていると群落に飛来するカミキリのようなシルエット。

とりあえず確保しておきましょう。

網の中には黄色い姿が見えるものの小さいです。イッシキではないですね。

ヨツキボシ。今夏はイッシキキモンも取りたい。

ヌルデにつくヨツキボシカミキリの方でした。こいつもサペルの仲間です。普通種ですが、なかなかに美しいですね。

クスノキ科の妖精

ここまでで遭遇したのはヤツメ、ニセシラホシ、ヘリグロリンゴ、そしてスイカズラにいたけれどもロストしたシラハタリンゴカミキリ、ヨツキボシカミキリとなっています。

シラハタリンゴは一匹で会えたのだがロスト

サルナシの主とクスノキ科の妖精には出会えていません。また、ギャップ環境であるためにアカメガシワの主であるトラフホソバネカミキリなんかも狙えるかもしれません。

この日ではないものの、先日トラニウスも山内で採集している。

当てればでかいいい虫たちです。

トラフホソバネカミキリはトラニウスの愛称があります。

今年トラニウスは3匹(高尾は1匹)出会えている

今年はよく出会えており、実は先日も外灯にてトラニウスを捕まえるという強運に恵まれています。

トラニウスはサペルではないのですが、個人的にかなり好きなのと時期がいいので狙えるならば狙います。

ムネモンヤツボシはサルナシ食いのサペルですが、群落規模が小さすぎるのかサルナシはあってもシラホシの食痕すらありません。

別エリアで追加したムネモンヤツボシカミキリ。高尾でもなんとか出会いたいが、今回は出会えなかったのでこんな虫ですと。

根本的に見ている場所が間違っているようです。

クスノキ科の妖精ことヒゲナガヒメルリカミキリも全く見つかりません。

いやはや困りました。まあ簡単に見つからないレベルの位置にいる虫なのかなという感じです。

リンゴカミキリの仲間を見つけてからかなりの間追加のサペルが見つからず、意気消沈してしまいます。

シラハタは初見ではないものの、当地では初なので捕まえておきたかったかなと

アブラチャンにダンコウバイ、クロモジなどなど見ているのですが、クスノキ食いのリンゴカミキリの仲間と妖精はいません。

リンゴカミキリの方はいてもよさそうなものなんですけどね。

ということでもはやあきらめムードで適当なルッキングを繰り返していると、ダンコウバイが目に入ります。

写真がよくないですが、食痕らしきものがある

裏には虫がついており、これは小さなハマキガのようなものだったのですが、付近にもう一匹の小さな虫がいました。

あれ?線形の食痕じゃないけれども触角が結構長いぞ?これはもしかして?と思い、ネットインしてみると

最後の最後に大逆転!3種狙って2種取れたらまあいいでしょう。

クスノキ科の妖精ことヒゲナガヒメルリカミキリだったのです。非常に小さいですね。

どうやらこのカミキリの食痕は他のサペルとは異なり、弾痕状であるようです(採集後高尾のカミキリ屋に話を聞いた)

いまいちピンと来ていませんが、狙っていた虫が最終的には採集することができました。

採集してみると2段階の喜びがあるので、非常に楽しい。シラホシキクスイが今後の課題。

今日の探している感じでは見ている感覚が異なっている可能性があるため、クスノキ科については再度見直す必要性がありそうです。

ヒゲナガヒメルリカミキリについては追加も狙いつつ再調査をしがてら、今回坊主となったサルナシの主ことムネモンヤツボシカミキリを求めてまたサペル探しをしていきたいと思います。

曇りの日での成果なので晴れの日があればそこでも探しに行きたい。

結果的にはヤツメ、ニセシラホシ、ヘリグロリンゴ、ヨツキボシ、シラハタリンゴ、ヒゲナガヒメルリと色々な種類に出会うことができました。

他の種類にも出会っていきたいですね~どの種類も探して楽しく、見つけてうれしいいい種類です。
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高尾山シリーズ

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前回はミヤマクワガタ編ですね。
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別エリアのムネモンヤツボシ採集です。サペルにはまったきっかけですね。
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フチヤツ編。光沢のある美麗種です。