色付きの蛾はいいぞという話
色のついた虫っていいですよね。

蛾の仲間の中にはそうした美しい配色を持つものが多く、美麗種が多いことから隠れたファンも多い昆虫たちです。
その中でも特に人気が高いのがキシタバの仲間たち。翅の前側は地味なのですが、後ろ側には鮮やかな配色を持つものが多く、多くの虫好きを魅了している蛾の仲間です。
初夏から出現しているのですが、その時期の種類は少なく、前回はフシキキシタバにしか出会えませんでいた。
本命のオニベニシタバを求めて虫仲間のW氏と雑木林を訪れましたよ。
流石に赤色の気分
初夏から出ているキシタバの仲間にはこの辺ではアサマキシタバとフシキキシタバがいます。

今年の5月では気温が高かったこともあり、6月中旬以降のキシタバの仲間たちも早くも出ているかもしれないと意を決してW氏と6月の上旬に採集に行ったのですが、その時にはフシキキシタバ祭りでした。
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フシキ君は間違いなくいい蛾なのですが、フシキしかいないとまた君なのかと段々がっかりしてきてしまいます。

その時からおよそ10日前後が過ぎ、さすがにもう出ているのではないかなと思いましたので改めて雑木林を訪れたのです。
今日は黄色ではなく赤色の気分です。
シーズン的にはまだ少し早いようにも思いますが、早いということは美麗個体に出会える可能性があります。
ビカビカの新成虫のオニベニシタバなんて想像しただけでもワクワクしてしまいますね。
併せてまだあまり興味を持っていない虫仲間のWも蛾の魅力の沼に引きずり込みたいところです。
オニベニを見ることができればそこはもう沼の入り口です。
雑木林の樹液事情
今年の6月は非常に涼しいという感じです。

夜は涼しくてカラカラとしており、動いていても汗が出ることはあまりないぐらいの気候です。
ブログを始めた2023年ぐらいからはずっと6月ごろからもう夏という異常な気候が続いていたころから、感覚がおかしくなりそうな感じがしますね。
肝心の雑木林の樹液事情については気温の影響なのかやはり樹液の出は悪くなっているように思います。

それでも前回のキシタバ採集で活用していた樹液は今回も健在であり、多くのクワガタたちが来ていました。
ノコギリクワガタやコクワガタがいる地域なのでクワガタ的なワクワク感はあまりありませんが、大型のノコギリクワガタなどはやはり見つけるとうれしいですからね。探していきたいものです。

さて早速ですが樹液には蛾が来ています。恐らくフシキキシタバであるかと思います。
前回よりはずっと少ないものの7月頭ぐらいまではいそうな感じですね。

ご神木ポイントに足を運んでみると、早速前翅の色合いが違う大型のキシタバがいます。
いや、飛ばすまではカトカラだとは思わなかったのですが、あの大きさならば通常のキシタバかなという感じでした。
飛ばしてキシタバでびっくりしたため、網も構えておらずこの個体はロストしてしまいます。

そして今日最後のキシタバとなりました。
まあ珍しくはないのでまた時期が遅くなればたくさんいることでしょう。
ご神木の樹液には虫が来ていません。外れの蛾はいるのですが、お目当ての色付きの蛾がいない状況です。

しかし関係のない木の上に目を向けてみると濃い灰色とも黒ともいえる翅をもつ怪しい姿がいることを発見します。
模様の感じからフシキではなく、フシキなどよりも大きい感じがします。
私の志賀昆虫の網では届かないのでWの網で捕獲を頼みます。
突くと飛ぶ怪しい蛾、そしてネットからは外れたものの手元の明かりに誘引されて墜落します。
裏側は真っ白な感じで、赤いという感じではありませんが、怪しい感じがあります。

よく見ると翅の内側にはちらりと赤色の模様が見えています。
そうこの真っ白な裏側を持つ蛾こそお目当てのオニベニシタバです。
志賀昆虫網でも届く場所に来たのでネットイン!
メッシュ網なのでアンモニア注射も楽々できます。早々に〆てしまいましょう。

こうした隅々の手際に5月ごろから探して、〆たりする際の失敗が生きていました。
この地にオニベニシタバがいることはもうだいぶ前から知っていたのですが、蛾に興味を持って能動的に見つけるのは初めてです。
Wとともに注射針で翅を持ち上げてその魅了される赤を堪能することにします。

この鮮やかさ!TGのフラッシュデフューザーを導入したとはいえ、生物的に不合理とも思えてしまうほどの鮮やかな色合いを持ちます。
キシタバにはあまり興味を示していなかったWもこの赤には思わずこれは欲しいなぁと言ってしまうぐらいいい色合いをしています。
とても真新しい新成虫ですので、時期的には始まりぐらいかもしれませんが、追加を狙っていきたいですね。
少し違うキシタバも出現
フシキキシタバが基本となるこの地の採集ですが、翅の模様を見ているとマメキシタバらしきものが混じっているのに気が付きました。

フジ利用のキシタバの仲間であるため、いてもおかしくはないと思もいます。
フシキと違いU字の斑紋の内側に線が入るものが多いのですが、フシキにもそうした個体がいることから確保して展翅してみることにします。
キシタバの仲間は展翅してみないとわからない場合も多いのですが、そんなこんなで捕まえていくとフシキばかりになりそうです。

この地ではアサマ、フシキ、キシタバ、アミメ、オニベニ、ワモン、マメ、コシロ辺りがいるはずです。
いやはや時間があれば通ってその違いを堪能したいところですね。
その後、樹液が出ている木にて先ほどよりも大きそうなオニベニを発見します。

同じく虫仲間に捕獲を頼み何とかキャッチ。オニベニですがやはり大きいです。雌雄差でしょうか。
大きくてうらやましいぞ...と思いつつもここはWに譲り、沼への入り口をプレゼントします。
オニベニに手を出したらそれはもう蛾って魅力的だなぁと思ってしまいますからね。
Wは展翅版を自作したり、ライトトラップで興味のある蛾を持って帰りたいなど蛾への興味が湧いてきているようです。

もともとはクワガタに興味がある人でしたが、クワガタと一緒にいる虫について魅力を語り、春のイボタガなど分かりやすくいい蛾の採集に同行してくることで気がついたら蛾はいいものだと刷り込まれてきたようです。
沼の入り口というのはプレゼントすることができるんです。
このオニベニシタバとフシキキシタバはその概念を具現化したものなのです。

ということで今回は美麗種となるオニベニシタバを捕まえてきました。
オニベニシタバはクヌギコナラ利用の普通種なのですが、あまり多くはありません。
でもちらりと見えるその翅は非常に美しく、少し虫に興味のある人を一気に蛾の沼へと引きずり込むポテンシャルを持つぐらい素晴らしい蛾です。
これからの時期に出てきますので、夜間の樹液を探す人はついでにこの美しい蛾がいないか探してみてください。
私も追加を狙って探しに行きたいですね。
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