青に輝く美麗種
青い金属光沢をもつ虫ってとても魅力的ですよね。

特にここ数年はタマムシに興味を持っており、その金属光沢が放つ美しさに魅了されていました。
タマムシで青系といえばアサギナガ、ホソアシナガ、シラホシナガなどに加えトガリバシラホシナガなど美麗種も多いです。
そんな中でここ数年注目していたのが東京の平野部で分布を拡大しているというミヤマナカボソタマムシです。
ナガタマとは異なるフォルムでかつ、非常に美しいブルーの光沢をもつタマムシということでぜひその姿を見てみたいと思ってきました。
昨年から探し始めてついに遭遇することができましたので採集記です。
平野部のサワフタギを探す日々
ミヤマナカボソタマムシは植栽に由来してなのかここ数年で東京の平野部における目撃情報が随分と増えているようです。

サワフタギという木は採集的にはあまりなじみがない木であり、せいぜいタンナサワフタギがトガリバホソコバネカミキリで必要となるぐらいでしょうか?
あまり虫との絡みがないような木であるように思います。
そんな木はこれまでも注目することがないため、これまで訪れた場所にあったのかどうかも分かりません。
というわけで一からサワフタギを探す必要が出てきます。
サワフタギはよくわかりませんがクヌギやコナラなどの低木層として出現するらしく、雑木林的な環境でぼちぼち見られるということが今でこそわかっていますが、探し始めた当時は沢沿いによく生える植物であるとの認識を持っていました。

東京で探す分にはクヌギコナラ植生にあるようなのでそうした場所を探すのがよいかなと思いますね。
さて、2025年にはヒラタクワガタの採集をしていましたが、それと並行して色々な場所の植物に注目しサワフタギを探していました。
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東京におけるミヤマナカボソタマムシは分布が増えているとはいえ、まだ局所的に個体が見られる状況なのかなという感じで、サワフタギがたくさんあるからといって本種がいるというわけでもないようです。
しかしながらこの虫もタマムシらしく晴れた日に活性が随分上がることを見つけた木で確認しています。

過去サワフタギを探していた日には曇りの日でいい場所を訪れていたケースもあり、改めて食痕などに注意して見直してみる必要があるかななんて思ったりしています。
ミヤマナカボソはおよそ6月ごろから個体数が増えてくるとされています。
その時期に同じような雑木環境で狙えるヒラタクワガタと合わせて探していたんですね。

所が全然これが見つかりません。
2024年は回数は忘れてしまいましたがぼちぼち出動し、まずはサワフタギという植物がある場所、サワフタギという植物の葉の雰囲気や枝ぶり、実などその対象を探し出すことに苦労します。

アオマダラタマムシにおけるアオハダという植物を見つけるのに苦労するように、他に虫が来ない植物を食草とする者はその食草を見つけるのに苦労しますよね。
サワフタギはガマズミなどの身近な植物に似ている部分があるので、ミヤマナカボソを探すにあたりサワフタギの判別はネックになるかなと思います。
昨年は一応サワフタギがたくさんある場所は見つけられたもののミヤマナカボソの姿はなし。
ヒラタに熱が入りすぎて6月はなんやかんやヒラタの月となってしまいましたが、サワフタギを容易に判別できるようになったという意味でこの年の活動も意義があったことでしょう。
2026年、サワフタギを探す
サワフタギは昆虫が利用しないと思っていたのですが、ふとしたことから下見していたサワフタギにて毛虫がついているのを発見します。

たくさんついていることからサワフタギ食いであることを感じ取り、調べてみるとシロシタホタルガというホタルガがサワフタギ食いであることが分かりました。
コイツはサインとして活用できるかもしれませんね。

2026年は昨年の反省を生かしてヒラタよりもまずミヤマナカボソに注力したいと思っていました。
やはりシロオビナカボソタマムシ以外のナカボソタマムシにも遭遇したいですし、ミヤマナカボソは美しいようですからね。
昨年見たエリアとは全く異なるエリアで探してみることにします。
市の植生調査やもろもろの情報を調べてみると、サワフタギの調査情報などが出てくる場所などもあり、そうした場所をピックアップしてあるエリアに焦点を絞りました。

出現タイミングは不明ですが、SNSの有名タマムシの方が本種の出現をポストしていたのを見て待ちきれず、出動しました。
あたりをつけていた環境は雑木林的な環境であり、過去の傾向を見てもサワフタギはあってもおかしくないかなという感じでした。
ミヤマナカボソとの出会い
雑木林へ足を運ぶとわかりますが、無数にある木々からサワフタギを見つけるのは意外と難しいものです。

サワフタギは見ている感じ人の背丈から2.5m程度のものが多いかなと思います。
ただ、そんな低木もたくさんあるので葉を一枚一枚丁寧に見ていくしかありません。大変です。
雑木林でようやくサワフタギらしきものを見つけ、この葉はサワフタギだろうと食痕などを探していると、葉の上に止まっている太い線形のフォルムがいるではありませんか!

眼を奪われるとはまさにこのことです。
これまでいくつのサワフタギで見つけられなかったその対象に、ようやく見つけたのに「え?いるんだけど!」と驚いてしまいました。
出会いというのは唐突なもので、2026年には探し始めて早々に遭遇することができました。

しかし昨年のサワフタギ探しの修業がなければ見つけられなかったでしょう。
ようやく見つけた対象なので、撮影よりもまず捕まえることにします。
今日は曇りよりの時折晴れ間が差す程度の条件ですが、なかなかに活性は高かったです。

サワフタギの樹冠や先端部に執着を見せており、一時的に別の木へ移動してもまた戻ってくる感じがありましたね。
目の前にきた個体を難なく摘まみます。そしてようやく青に輝く宝石をこの手にします!

この輝き!そしてシロオビナカボソで見慣れたナカボソタマムシのフォルム!
好きなフォルムに好きな色が輝いている幸福な瞬間がついに訪れました。
今年出会いたい虫の目標の一つが達成でき、大変うれしいです。
とりあえず成果を上げることができましたので写真や個体の動向などを調査していきましょう。
ミヤマナカボソタマムシの動向
まず雑木林内で見つけられたサワフタギの数はたったの2本です。

食痕などはあるものの羽脱孔が見られないため、大本となる発生木のような大きなサワフタギがどこかにあるものと思われます。
ミヤマナカボソタマムシもやはりタマムシの仲間であるため、日差しが差し込むかどうかというのは彼らの活性に大きく影響を与えるようです。

この日は晴れ間と曇りが交互に来る感じでしたが、晴れると明らかにサワフタギ上での確認数や活発な飛翔が増え、日がなくなると活動は静かになったり一時的に全く姿を見せなくなったりします。
一方で晴れ間になると活性が非常に高く敏感になってしまい、撮影においては難しいこともわかりました。

彼らの色味を自然下で写すには曇りの日の方がいいと思いますが、彼らのいる場所を見つけるためには晴れの方がいいというジレンマがあります。
ということで晴れた状態から曇ったタイミングを狙って葉上の個体に接近します。
なんとかTGで撮影できたのがこれらの写真です。


フラッシュ込みで撮影すると、不自然なぐらいの美しい色合いをしていますね。
これまで見てきたタマムシの中でもトガリバシラホシナガタマムシに並ぶぐらいの好きな色です。そして何よりコイツは大きめですからね。
サワフタギ探しが本種のカギ
食痕についてはタマムシという感じです。


サワフタギの葉を縁からジグザクした感じでかじるようです。サワフタギを集中的に利用する虫は多くはないと思いますので、食痕をもとにいる木なのかどうかを判断するのはおすすめですね。
どんな雑木林についてかという点については、サワフタギは東京の平野部において意外と広く分布しているようです。

各市の生物調査情報や植物情報などをだいぶ調べましたが意外と自分が知らないだけでサワフタギって身近な植物なんだなと思うぐらいには結構いろいろな場所にあります。
しかし、たくさん生えているような場所というのはそんなにないため、この虫に出会いたい場合には網羅的に雑木林環境にアプローチしていく必要があるといえそうです。

サワフタギという植物が分からない場合には5月ごろの開花期もしくはブルーベリーのような実をつける秋ごろに探すとわかりやすいですが、ミヤマナカボソタマムシの適期である5月末ぐらいからもかわいい緑色の実がついています。
葉の質感が分かりやすい植物であるため、葉と実の2点から探すだけでも見つけられるかなと思いますね。

ミヤマナカボソタマムシは大変美しく、苦労して遭遇できてよかったなぁと思える良さがあります。タマムシ全般に言えることですが、局所的なものも多いので探すのが大変なこともあります。
それでもやはりついに見つけた時のあのキラキラ感がやみつきになってしまいますね。
お手軽に探してねとは言えませんが、見つけたご褒美感も強い虫なので私もヒラタクワガタと並行して探していこうと思います。
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タマムシ科に手を付けるなら持っておきたいものですね。
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素早いのと樹冠に移動するので長竿網が欲しいです。
タマムシ採集シリーズ
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タマムシ科は食草から探していくのがセオリーです。基礎的な部分を代表種を例にしながら学んだり道具について知りましょう。
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真冬の宝石、トゲフタオタマムシ耐久です。ひたすら樹皮をめくる虫好きの様子が楽しめます。
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大型種のアオタマちゃん。タマムシの魅力にはまるきっかけになる虫です。
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局所的な分布を示す関東難関種。遭遇までに3年かかり、非常に苦労した虫好きの様子が楽しめます。