初夏の長池公園のアイドル
長池公園という公園を知っているでしょうか?

都市部にあるのに非常に自然が豊かで谷戸的な環境を生かした水辺が複数あり、流水域止水域、浅い水辺に深い水辺。さらには田んぼ的な環境から樹林に囲まれた池などトンボ観察に非常に優れた公園なんです。
昆虫採集は禁止されていますが、カメラは大丈夫ということで自然好きのカメラマンには人気が高いポイントです。
この公園には代表的なトンボがいくつかおり、この初夏にはコサナエ、アオサナエ、ホンサナエという素晴らしい面々が見られると聞きます。
今年トンボを見たい私が行かない理由がないため、初夏の時期に訪れました。
天気は悪いがよくなる予報、トンボ類のコンディション
さてトンボにわかもいいところな私ですが、サナエトンボの仲間の知識はさほどありません。

とりあえずアオサナエのオスが成熟すれば青いというぐらいの知識しかありませんが、今回の訪問のお目当てはアオサナエ、コサナエ、ホンサナエです。
コサナエについてはサイズ感もよくわかっておらず、サナエトンボ特有の静止場所や飛翔行動などもよくわかりません。
加えて困ったのが行く予定の日の天気が曇りであることです。

やはり晴れている方がよいと思われ、決行した結果天気は絶対に晴れている方がいいと思いましたね。
結果的に僅かな晴れ間にコサナエやホンサナエを撮影できましたので、行く予定の方は快晴の日をお勧めします。
さて、現地に到着したらまずはパークセンターへ行くことをお勧めします。ここ数日の昆虫情報や野鳥情報などが掲示されており、来園者には非常に役に立ちます。

写真はありませんが、コサナエは4/24の時点で出現しており、アオサナエは5/5に記録があるようです。
個人的にはアオサナエは今年頑張って見たいと思っているので、オスの姿を何とか見てみたいものです。
さて、長池公園には複数の池があります。この内意外なことにアオサナエやコサナエ、ホンサナエのすべてが確認されるのが姿見の池という人工池です。

なんでこんなところに来るんだ?というレベルのプールのような池ですが、彼らにも何か事情があるのでしょう。
曇っているため、池の外周にはシオカラトンボがいる程度です。
いったんここはきつそうなのでコサナエに切り替えていきましょう。
長池公園といえばコサナエというぐらい有名なぐらい代表的なトンボです。公園奥地にある里山ゾーンの奥、トンボ池の周辺にて探してみましょう。
トンボ池の異変
トンボ池の周辺に足を運んでみるとそこには何もいません。

天気が悪いため、厳しそうな感じです。
池の周辺では何かが飛び込む音と鳴き声が聞こえ、嫌な予感がチラリとします。こいつはウシガエルですね。

しかもかなりの数がいます。
コサナエのヤゴは羽化の際に抽水植物との境目で羽化すると聞きますので、こんなのがいたらコサナエも捕食されてしまうでしょう。
現場で出会ったおじさまが言うには駆除してもキリがないとのこと。恐らく周辺にも発生場所があり、発生源がここではないのでしょうかね。

これは厳しそうな予感がしてきますね。一応今年も出ているみたいなので、葉の上や池から流れる水辺にも注目してほかの虫なども探していきましょう。
サナエトンボは話によると葉の上などによく止まるということなのでよさげなフキの上などを見ていきます。
するとおやおや?サナエトンボがいるではありませんか!こ、これはまさか!?

大きいじゃないですか!コサナエというには立派すぎますが、サナエトンボをまともに探すのも初めてなのでちょっとドキドキしてしまいました。
こんな感じでいるんですね。

このサナエトンボの正体はヤマサナエですね。
パークセンターにてヤマサナエの名前も見ていましたが、さすがにどっきりしましたよ。
ヤマサナエ君はこの後もたくさん姿を見せてくれ、計4個体ほどたっぷりと姿を見せてくれました。

意外と曇りだからか大人しく、サナエ類の判別ポイントを学ぶ上でいい対象ですね。
念のためコサナエではないか調べておき、コサナエはどういう模様なのか学ぶことができました。

サイズで言うと直近で見たムカシトンボがコサナエに近いらしく、それで言うとかなり小型といえますね。
フキの上にはトカゲを始め、付近にあるミツバウツギやコゴメウツギらしき花にはヒメウラナミジャノメやダイミョウセセリ、ヒカゲチョウなどが来ていました。

虫自体がかなり多くて曇りなのになかなか楽しめます。
今回はトンボ類の記事ですが、別記事でこの辺の虫は紹介したいと思います。
晴れ間に現れるコサナエ。待望の遭遇
この日は11時ごろに到着しお目当てとの遭遇は3時間ほどなし。

曇りが濃くなり雨も降りだす始末です。天気予報では晴れ間の時間であったのに残念です。
雨の直後に晴れ間が来たため、トンボ池の様子を見に行きます。これ自体は比較的早い時間の出来ことで、到着1時間程度だったように思います。

ウシガエルが陸から水の中に逃げ、またこいつらかよ~と悪態をついていると、水辺からムカシトンボのようなサイズ感の黄色と黒のトンボがふらりと飛んできたのです。
これは間違いなくコサナエ!!晴れになった途端コサナエが飛んでいる姿を見せてくれました!
コサナエは優雅に水面を飛び回り見えない水面の端の方へ消えたと思ったら姿を消してしまいました。
マジックのように消えてしまったのです。消えた場所を重点的に探してみたのですが、姿は見えず行方不明に。

近くのエリアのどこかにいるかもしれないとこの出来事から2時間近く付近を探しました。しかしいるのはヤマサナエのみ。代表的なコサナエも意外と探すと大変なんだなぁと思ってしまいます。
この出来事から2時間が経過し、もう晴れないしダメそうだから帰るかぁとトンボ池を去る途中で田んぼがあるあたり(行ったことがない人は分からずごめんなさい)で晴れ間が急に見えました。
まるで天からのお告げかのように思えたこの瞬間に何かを感じたのか、この晴れ間にもう一度だけ見てみようと思えたのです。

トンボ池に足を運び、ウシガエルにうんざりし、コサナエが2時間前に消えたあたりを確認してみると、小さなトンボの姿が抽水植物の近辺に飛んでいるように見えました。そのまま植物にとまるように見えました。
いやまさか違うよな?と思い近づいてみるとそのトンボは植物上から柵の上に移動してきたのです!
そのトンボの正体は!
コサナエです。

曇りの中、一時的に晴れた日差しを浴びて素晴らしいシャッターチャンスが訪れました。
コサナエ小さいですね~。直前にシオカラトンボのメスを見ていましたがそれと同等程度に小さいです。

でも胸部からはがっちりしていますね。
さらに腹部の黒模様の上にはいる黄色模様がかなり独特です。
複眼もライトグリーンでヤマサナエなどとは大きく違っており、胸部の上から見た模様も異なっています。

コサナエ可愛いです。この後日差しが強くてすぐ飛び去ってしまいましたが個人的には鮮明な写真が撮れて満足です。
今日は曇りでしたが、快晴の日に様子を見にまた来たいと思います。コサナエは満足したので、アオサナエやホンサナエの様子を見ていきましょう。
人工池でまさかの出会い
もしかすると彼らも晴れ間で出てきてくれているかもしれません。

何となく見上げた道中のホオノキにフチグロヤツボシカミキリの食痕を見つつ姿見の池に戻ります。
ここは晴れていないと厳しそうですね。
ぐるりと見渡しつつカメラマンが立派なカメラで何かのトンボの撮影をしています。

あのカメラで集中的に撮っているあたり多分珍しいトンボがいるんだろうなと思いつつ、ぐるりと回りこんにちはとご挨拶をします。
ホンサナエがいましたよと教えてくれました。こんな遅めの時間でもう曇ってしまったタイミングでしたがまさかのホンサナエが出現です。
パークセンターにも情報がまだ出ていなかったので今年は初出かもしれませんね。見れないと思っていた珍しい種類のサナエトンボなのでかなりワクワクしました。

ホンサナエのお礼にコサナエがいたところを情報交換し、撮影してみます。
ゆっくりと近づいて遠くから証拠を撮影。

じわじわと距離を詰めて後ろから撮影。やはり腹部というか全体が太くてコサナエとは違う趣があります。
そして真上からも撮影します。

太陽光がないのでホンサナエの何とも言えない淡さが映っていないのが残念ですが、ホンサナエの太短い感じは満喫できますね。
この見た目で飛翔はとても素早く、シオカラなどよりもずっと素早いです。コオニヤンマくらいの速度がありそうです。

そして近づいたら飛んでしまいました。戻ってくるケースもあるのですが、数回繰り返して最終的には別の場所へ飛んでいきました。
日中曇りっぱなしで帰ろうかと思った間際に差し込んだ日差しが流れを変え、コサナエだけでなくホンサナエにも遭遇できる幸運に恵まれました。
コサナエは満足しましたが、課題のアオサナエ、そしてホンサナエも色味を映したいという欲が出てしまったのでまた天気のいい日に行ってみたいと思います。


採集などはできない環境ですが、網がないからこそ遭遇した個体との駆け引きやドキドキ感が味わえるのもいい味だなと思いましたね。
より一期一会な出会いを体感できる気がします。
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