昆虫採集ライトの金字塔の活用
昆虫採集には色々な手段があります。その手段の中で多くの虫好きがいずれはやって見たいと思う憧れの採集方法の一つにライトトラップというものがあります。

走光性と言って光(紫外線)に対して集まってしまうという特性を利用するものなのですが、夏の人気昆虫であるクワガタの外灯採集の様に実は馴染みの深い特性であったりします。
外灯採集は道にある外灯や山地の外灯など決まった場所でしかできませんが、ライトトラップでは持ち運べるために広い選択肢を持てるのが強みです。
その中でも界隈で名高いのが今峰HIDライトです。価格もライトトラップ用にしてはとてもお安く手を出しやすいのですが、ポータブル電源を活用するということでポータブル電源周りやライトの用語周りに疎い虫好きや親子、調べるのがめんどい人はどんな電源が使用できるのかに非常に悩むはずです。
そこで今回は私もライトに合わせて学んだ今峰HIDライトに使えるポータブル電源とそれらを見つけるうえで理解すべき要素についてまとめておきます。
今峰HIDライトと電源
今峰ライトの購入についてはヤフオクもしくは今峰氏のHPより購入できます。

そちらを活用してもらえばライトの現物については在庫の状況などに左右されるとは思いますが入手できると思います。
問題は出力元のポータブル電源をどうするのかという点です。
今峰ライトは電源としてポータブル電源を採用する場合が多いかと思いますが、この電源において何に注目していけばいいのかがよく分かりません。

今峰HIDライトの使用ポータブル電源については今峰氏が執筆されているブログの中で色々と活用できる情報が記されているものの、ポータブル電源の情報については古いものも多く、かつ、有益情報が複数ページにまたがっているために収集するのも大変というのを実際に調べていると感じました。
imamine.thebase.in
(商品ページからの説明で読み進められます)
特に近年はポータブル電源も多様になってきていますから、どうしたものをどういう基準で選んだらよいのかというのが分かりにくかったんですよね。
まず押さえておきたい用語としては基本的なところ(物理)も含めて
DC12V10A
V(ボルト)×A(アンペア)=w(ワット数)
DCプラグは5521
whは1時間当たりの消費w数

といった用語が挙げられます。私のように理系科目から逃げた人にはこの辺が何のこと?でしょう。
結論的に言えば探すべき電源についてはDC12V10Aのもので5521のDCピンジャックでお望みのwhを満たすものになります。
なんのこっちゃらでしょう。かみ砕いていきます。

まずDC12V10Aですが、今峰氏が推奨しているDCの出力になります。DCとはdirect current、つまり直流の電流のことを指しています。
電流には直流のDCと交流のACがあるんですね。
ボルトは電圧のこと、アンペアは電流のことです。そして電力がワットですね。

つまり消費電力というのはV×Aで分かります。
DC12V10Aということは12V×10A=120wまでの出力ができるということになりますので、今峰ライトのワット数である55~102wを十分にカバーできるということでしょう。
最大値が少しオーバーしているのが電機の出力上重要であるらしく、ジャストだと電源側からのセーフティ(扱える電流をオーバーしてセーフティがかかる)が機能してしまうことがあるっぽいです。
そしてw=V×AということはA=v/wということもできますよね。

使いたいライトのワット数を目安とすれば必要な出力が分かるというものです。
ライトトラップを90wの出力で行いたいという場合にはA=90/12となりますから7.5Aの出力ができないと出せないことになります。
DC12V10Aならば流せる電流は最大10Aですから、90wに必要な7.5Aは容易にクリアしていると考えられますね。
つまり電源を探していると目に入るDC12V8AなどのDC出力では90wの使用はギリギリか使えないということになるのかなと思います。

必要が7.5Aに対し最大出力が8Aとなるためですね。
12V10Aでは最大120wのポテンシャルを出せるということですから、今峰ライトの最大数値である102wを出力するにためにはちょうどではなくそれ以上の出力を扱える12V10Aを選択するのが良いということだと思います。
これは電力は出力直後に最も強く流れるというためですね。
走り幅跳びでいえば踏み込み直後の一歩目にとても強い力がかかります。
その後の飛翔距離はおよそ踏み込み後の力に慣性で載っているようにスムーズとなりますから、一番出力が必要なのは飛ぶ前の一歩なわけです。

ここには一時的にライトの最大数値である102w以上の出力が恐らく必要になるのかなと思います。
高速道路の合流では本線に合流するために一時的に本線の速度以上に加速する必要がありますよね。
しかし本線に乗った後は一定のスピードで走れます。そんなものかなと思います。
一応掲載写真の中では電源の正面写真にDC12V10Aや8Aというように書かれているもの、説明書きに書かれているもの、HPまで見に行かないと分からないものなど色々とあります。

正面写真で読み取れると楽で助かりますね。DCが無いものも見られますので気を付けましょう。
さて、肝心の出力方法ですが、世の中の数多くのポータブル電源には色々な電気の供給方法があるようでして、中にはシガーソケットというプラスチックの電源供給方法や太陽光由来の蓄電方法などもあるようです。

しかし今峰HIDライトはDCポートでの使用が推奨されています。(DCポートに接続して出力してね)
この点において注意すべきことがありますね。
それが5521という数字。すなわちDCポートの規格です。
5521とは5.5m×2.1mmのプラグが差し込めるという規格のことを指しています。
厄介な点が5521の割合が意外と少ないということです。

この点は変換プラグのようなものがあるので対応はできるのですが、出費も追加です。
特に近年増加している太陽光由来のものにはこのポートのサイズが5525であることが非常に多く、サイズ感の違いについては注意が必要です。
一応サイズが5525の場合には今峰ライト購入時にサイズを指定することで対応してくれるとの旨が記されていました。

amazonなどでポータブル電源を選ぶ際にはこれらのDC12V10A,5521ポートの条件がそろうものを探していくことになります。
しかしこれらの要素が製品案内、説明で見れないものもそこそこありまして、どうしたものかと困ります。
一応メーカーで品名を調べるとecoflow,bluetti,jackeryのような大手のポータブル電源サイトでは公式サイトがあるため、そのサイトにアマゾンで記されている種類を調べることでDC出力やDCの規格が5521かどうかなどの要素は調べることができました。

5521や5525は連番の数値で記されていることが多いので知らないと分からんと思いましたね。5521や5525に敏感になりましょう。
メーカーもよく分からない格安中華性のものでは分からないこともありますので気を付けましょう。
DC出力については12Vでも5Aのものや8Aのもの9Aのものなど色々なものがあり、10Aのものは意外とないということが分かります。
今峰ライトは出力を変化させることができるため、実質的には55w~102wまで広く使えるライトとなりますが、例として12v8Aのものでは最高出力が96wになると考えられます。12×8=96w
5aでは60wまでの出力しか出せません。(実際動くのかは分かりません)
これはライトの調節ネジで出力を最低にしておかないと使えないことを意味しますし、ライト側の最低値が55wですから起動時に出力オーバーになる可能性もありそうです。

96wを扱えるA数を求めればA=96/12で8Aとなりますので、5aのものではかなり使えるw数に限りがあることが分かります。8Aでもちょっと怪しい場面があるでしょうか。

ライトの可動域を考慮すればDC12v10A以外は選択肢としてかなり薄くなると考えられますね。ライトのポテンシャルを引き出せないと言えそうです。
どの容量を選ぶのか
要領についてはwhの数値を参考にします。
非常にシンプルな話で、288whならば80wの消費電力で3時間ちょっと使えるという計算ですね。

これらのライトはフラッシュライトの実測値が10%ぐらい公表値とズレるように、バッテリーの実際に使える量は10%ぐらい少なく見積もっておくとよいと思います。
300whならば実際は270whぐらいかなという感じです。

クワガタを狙うならば日没から10時程度ぐらいまでがいわゆるゴールデンタイムとされていますので3時間ぐらいは照射したいな、ワット数はどれぐらいで使いたいな。というようにこの2点を事前に考えておけばどれぐらいの容量が適任かというのが分かるかと思います。
容量が大きくなれば値段も跳ね上がりますので、用途に応じてよく考えた方が良いかなと思いますね。
私は長時間やる予定がないのと車無し民なので移動の重さがダイレクトに来ますからなるべく軽く、かつオオクワとかをやるわけでもないので70~80wで3時間ぐらいできれば十分すぎると考え、268whのものを選びました。

メーカーはbluettiという比較的大手のもので、決め手は40%オフのセールをやっていたからです。
ポータブル電源の相場観については正直ピンキリであり、メーカーが訳の分からないところの中華性と思われるものは大容量で安いものも多く、512whで2万円台と言うような破格のものもあります。が、個人的にはポータブル電源は高くても安全性の高いものの方が良いと思います。爆発したらシャレになりませんし、安くてもすぐ壊れるならば意味がありません。
bluettiは2年の保証があるようです。

200whの価格では数値が250wh以下で2万円程度、200後半のwhとなると2万後半から3万円前半程度となるようです。大手のものはセール無しだと260~80whで3万円前後が多いように思います。
512wh程度からは3万円~という感じですが、ちゃんとしたメーカーでは5~6万円ぐらいが相場です。セールなどで3万円台などになる様子が見られました。
私は268whのものが大手で19000とかなり割引されていたのでそれにしました。DC12V10Aで5521DCです。

どの電源を選ぶのかは自分がどのような場所でどんな虫を狙いたいのかにかなり依存すると思います。
しかしwhの部分は数値が上がれば価格も上昇するし、何時間使いたいかの計算も簡単です。
今峰ライトの電源に使えるかどうかの本質はDC12vと10A、それから接続の5521の規格がとにかく分かりにくかったと思いますね。

ここさえ押さえておけば今峰ライトを購入して、どのポータブル電源を選んだらよいのか?の基準が明確となるため、かなり分かりやすくなるのではないかなと思います。
同じようにライトを購入しようと思っているけれども電源周りでの使用できるものに困っている人に向けて紹介しました。
一応探すプロセスと見ている点についても実例を載せて紹介しておきます。

まずbluettiの今回選んだものですが、正面写真でDC12V10Aと分かりますね。
DCの出力と入力を間違えないのが重要です。
今回のbluetti eb3Aでは正面写真で12V10Aも分かり、説明で5521DCも分かる非常に優良な製品であることが分かります。

読み手に伝わりやすい細部まで気が配れているのは高評価です。
他のものを見ていくと

これは読めないですね。

これはDC12V8Aです。ダメですね。人気のjackery nwe512whでは一見すると12V10Aに見えますがこれはシガーソケット出力の様です。

DC入力ポートはあっても出力に記載がないので、DCはシガーソケットのみ。使えないことは無いでしょうが、溶けてしまうなどのリスクがあると言えます。
というようにDCポートに注力する必要があります。良く調べるようにしましょう。
今峰HIDライトの今後
所でライトトラップの今後はどうなのでしょうか。

ライトを購入するならば末永く活用していきたいですよね。
せっかくですからそんな事情も考察していこうかなと思います。
まず近年のLED化に伴う外灯ポイントの消滅はビギナー層にとってはちょっとした非日常的な夏の思い出採集を経験する機会の損失に繋がっていくと思います。

背景としてはそれらのライトに使われる水銀が関係しており、水銀灯や白色灯の使用は2027年までに廃止されてLEDへと移行することが決まっています。これは「水銀に関する水俣条約」という枠組みで定められたものであるため、今後屋外の外灯においては昆虫採集に活用していくのが難しくなることが懸念されます。
もちろんLEDでは虫が来ないということは言えないのですが、水銀灯や白色灯に比べ飛来する虫の数が少ないことはよく知られています。

となれば外灯の代わりを自らで用意してやるしかないというのが代替案となるわけですが、発電機のライトトラップも同様に市場に出回りませんし、さらに言えば非常に値段が高かったわけです。
今峰ライトの素晴らしい所はそうしたライトを通じた自然体験を安価で誰でも可能にしたことが大きいと思います。
まさにベテランから親子、果てには学術領域まで。

夏の親子で行う昆虫採集と言えば樹液と外灯ですが、樹液はともかく外灯採集については今後機会はますます減っていくでしょう。
しかし昆虫youtuberや博物館、宿泊施設などでも使われる、見かける機会が増えたライトトラップを見てこれまでならば高価で諦めるしかなかったものが、非常に手軽に購入でき、お手軽に実践できる。というのは親子の自然体験の機会として非常に有意義なものであると思います。

ライトが3万5千円、ポータブル電源が2万円から3万円と仮定すればおよそ5~6万円程度ですからね。
夢のライトトラップがこれだけ手軽にできるわけですから、興味のある方はシーズンイン本番よりも余裕をもってライトも電源も調達しておくのが良いと思いますよ。
ライトトラップの注意点として
一方でライトトラップについては条例で禁止されている地域があることや光害等に気を付けなければなりません。

市区町村では違反すると罰金などに該当する場合もあるため、ライトを入手したからと言って好き放題にやれるわけではない点には注意が必要です。
この点はHIDのお手軽ライトが普及する程より注意していきたいところですね。
また、ライトトラップにおいてはスズメバチやハネカクシ、ドクガ類、カミキリモドキなどの毒を持つ生物の飛来や目や耳などへの侵入による事故など、人体に影響が出る事故や飛来した昆虫の放置など自分自身が困るものから界隈自体のモラルを問われるような問題もあります。
大量の採取などにも気を付けて節度と民度を守りつつライトを活用して自然体験をしていきたいものですね。
そのための土台として本記事の内容を活用してよさげな電源を探してみてください。
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カブクワの採集に関する知識もたくさんあります。
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長竿網に標本づくりなど虫を捕まえる、捕まえた後の情報も用意していますよ。ライトを楽しんでいきましょう。