冬季の水辺に卵やオタマジャクシの姿
散歩をしていると水辺などを通過することもありますよね。

特に都市部ではない自然が豊かな環境にお住まいであればなおさら水田を始め水辺は多いものです。
ふと水辺に目や耳を傾ければカエルの声や姿が目につき、うわぁカエルだぁと近づいてみれば水の中には卵やオタマジャクシを見つけられるかもしれません。
いったいどんなカエルなんだろうと疑問に思うそのカエルの正体はヤマアカガエル。冬季に産卵のために目覚め,産卵し、また眠る不思議なカエルの卵やオタマの可能性が高いのです。
ヤマアカガエルの卵塊
ヤマアカガエルの卵塊は自然度の高い止水域で行われることが知られています。

このオタマジャクシは私は3年ぐらい飼育したことがあるので分かるのですが、泳ぐのが本当にへたくそであり、水流などにほとんどあらがえずに流されてしまいます。
ヤマアカガエル自体もそれを理解していると考えられ、このカエルの産卵は川の本流や用水路のような水の流れがある場所ではなく、水田の一角にある止水や湧水があるような場所、沢沿いの溜まりなどの環境で行われます。

時期は2月の中旬から3月の中旬ぐらいまでが多く、暖かい日を境目に水辺では可愛らしいプカカ↑というような声が響いています。
卵塊は産卵初期から四日程度は綺麗な球形を保っており、大きさは拳大ぐらいから大きいものでは人の頭ぐらい物もあります。
卵はジェル状ともいえるような物質で初期は保護されており、球形の内は粘度も感じられます。

物体に張り付くという感じではないのですが、卵塊が球形で大きいため、水流などの拡販に対して枝などに引っ掛かれるような感じなのではないかなと個人的に考えています。
1週間ほどで卵塊の球形はジェル状物質が水分を吸収することで崩壊し、そこにべたッと張り付くような見た目になります。
この頃になるとオタマジャクシのようなシラスみたいな細長い形状になってきていることも多く、中には動き始めるものも見られますね。
その後はよく知るオタマジャクシの姿へと変化していきます。
冬季のオタマジャクシ
オタマジャクシは全てのカエルで通過するステージであり、かつ、見た目が似ているものが多いためどのカエルのものか悩ましいものです。


しかしながら冬季に目覚めてわざわざ産卵するという不思議な生態を持つヤマアカガエルは2月から3月頃に見つかるオタマジャクシの多くを占めています。
3月頃になるとお馴染みのヒキガエルなども産卵に入ります。ヒキガエルはひも状の卵塊を作るなどヤマアカガエルとは異なる性質を持ちますが、産卵時期が擦れているために時期である程度見分けることも可能なのです。


身近な水田にいるアマガエルやシュレーゲルアオガエルなどは繁殖期が初夏から梅雨時ですし、ツチガエルのような茶色っぽいカエルも同様に5月頃からが本番です。
ヤマアカガエルはその越冬の途中から目覚める生態により、オタマジャクシとして種を特定しやすいという嬉しい要素も持っているのです。
ただし注意点としてはヒキガエルも地域や気候により3月始め位から産卵するケースもあります。
その場合には水辺にある卵塊の形状を見ることでヤマアカとヒキガエルを区別することができますね。
オタマジャクシは集まって何をしている?
ところでそうして集まるオタマジャクシは何をしているのでしょうか?

水辺の浅瀬でちゃぷちゃぶと楽しそうですよね。
彼らの食性は雑食性であり、水中に堆積した植物の残渣や死んだ生き物、藻類や付着したぬめりなどを食べています。
オタマジャクシは前半はえら呼吸、後半は肺呼吸というように状態が変化していきますが、冬季の中盤終盤で目にする段階ではえら呼吸(もしくは皮膚呼吸?)の割合が高いのか水中に埋まっていることが多いです。

飼育してみると後半に近づくと明確に水面に呼吸しに来る個体が増えるために、ヤマアカガエルにおいては蛙になる前から試験的に肺呼吸へと移行しているように思います。
オタマジャクシは集団で同じ止水の中にいる事も多いですから、そこにはタヌキやアライグマのような天敵がやってくることも多いです。
集まって過ごしているそうしたオタマジャクシを一匹突いてみると、派手に水を揺らしながら水中へと逃げていきます。

その振動なのか何かを察知した個体も一斉に潜っていくことからオタマジャクシは同じ水辺に生息する同胞たちに、小鳥が混群を作り警戒するかのように生存のための戦略をとっているように思えますね。
オタマジャクシのように産卵個体数が多いものというのはつまり天敵の捕食により個体数が大きく減少するということを意味していますので、きっと群れる事にも意味があるのだと思いますね。
水辺にオタマジャクシを見つけた時は少し注意しながら観察をしてみるとそのような生き抜くための知恵を見ることができます。尚、これらは私見です。
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