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ウバタマムシは絶滅危惧種で珍しい?タマムシのメスと間違えられる虫を紹介

色がないタマムシ?ウバタマムシ

タマムシの仲間といえばその美しい金属光沢や緑を始めとした鮮やかな色合いでとても人気です。

タマムシのメスではないウバタマムシ

身近な代表種のヤマトタマムシが持つように派手な光沢をもつものがタマムシと思いきや、時に目にする者の中には本テーマのウバタマムシのように全く光沢をもたないものもいます。

タマムシのレアカラー?緑のがオスでこっちはメス?タマムシなの?と色々と想像して今いましたが果たしてどんな生き物なのでしょうか。

ウバタマムシとは?

ウバタマムシはルリタマムシ亜科のタマムシの一種です。

樹皮にそっくりな色合いを持つかっこいいタマムシ

ヤマトタマムシと並びタマムシ科の最大クラスの種類であり、その体長は3~4㎝前後と非常に大型です。

出現時期はおよそ5~10月程度でライフサイクルは松類に依存しています。成虫は松類の葉を食べ、松の枯れ木に産卵しにやってくるため松類を中心に探すことで比較的簡単に遭遇することができます。

成虫にはヤマトタマムシのような派手な色合いは一切なく、黒と灰色を混ぜたような独特な色合いと黄色い斑点のような薄い模様が見られ、上翅にはごつごつとした不思議な凹凸があります。

ヤマトタマムシ(左)とウバタマムシ(右)

ギラついた光沢こそ持ちませんがその翅の造形美は非常に見事であり、アオタマムシやオオルリオサムシのような縦筋の入るものとは全く異なる質感を持っています。

本州のものはこうした地味な色合いなのですが、沖縄の方面にいるサツマウバタマムシなどの亜種には緑色の薄い模様を持つものがあり、その美しさはタマムシの仲間でも屈指のものです。
(標本がないのでサツマウバタマムシなどで調べてね)

ウバタマムシはヤマトタマムシのメスなの?

ウバタマムシを知らずにこのタマムシを始めて見つけると、昆虫を知らない方の多くは色が抜けたタマムシであるようにとらえます。

そもそもタマムシに種類がいることを知らない方も多いのでは?

多くの色が派手な昆虫にはミドリシジミの仲間やメガネトリバネアゲハのようにオスの色合いが派手でメスの色合いが地味という認識を持つ方も多く、ウバタマムシを始めてみた人の中にはこれはヤマトタマムシのメスなのだと勘違いしてしまう方がいるようです。

参考までにヤマトタマムシのメスを紹介しておきますとこのようにメスも明るく強い金属光沢を放つことが分かります。なぜこれがメスかって?

産卵行動をとるかどうか、そもそも枯れ木に来る時点でメスの可能性が高い

シンプルに枯れ木に産卵に着た個体だからですね。

ヤマトタマムシとウバタマムシは生態的にも大きな違いが見られますのでその点について紹介していきましょう。生き物の違いを知れて面白いですよ。

まずヤマトタマムシ(以下ヤマト)とウバタマムシはサイズ感がそっくりであり、実は同じルリタマムシ亜科の仲間なので形態的にも似ています。

ウバタマとヤマトはサイズ感がほぼ同じなのである

そういう意味ではウバタマムシをヤマトのメスととらえるのは非常にいい視点を持っています。

一方で生態的にはこの2種類は大きく異なっています。

産卵するヤマトタマムシ。コナラの枯れ木にて

ヤマトタマムシはエノキやケヤキなどの広葉樹を中心にクヌギやコナラ、サクラ等非常に多くの枯れ木を利用して産卵することができます。故に出現環境については非常に広く、都市部などでも実は姿を見ることができます。

ウバタマムシは松類に強く依存した種類であり、成虫も幼虫も松類を利用します。

松類の枯れ木でメスを待つウバタマムシ

自然下での松類は栄養に乏しい尾根沿い(山の上のほう)に生えているため、平野部ではなかなか姿を見れないという事情があります。

こうした事情を組んでいくと現在ではウバタマムシのほうが見つけるチャンスは少なく、珍しいと感じてしまうのも無理はありません。知らない方が多いのです。

平野部に見られるウバタマムシ

しかしながらウバタマムシを目にする方の多くは都市部を始めとしたあまり山のないような場所にお住まいの方である場合も多いのです。

こちらも平野部の松が多い場所で見つけた個体。いるところには普通にいる。

この背景としては松類が植栽されているケースが意外と多いことにあると思います。

公園には松類が意外と植えてありますし、海辺に近いと黒松などが風を防ぐ目的で植えてあり、海辺に近い地域でも意外と見つかるほか霊園などにもよく植えられています。

ウバタマムシは松類を利用するタマムシの中では生息環境には寛大な方で、複数松類があると見つかります。より珍しい松類利用のクロタマムシが全く見つからないことを考慮すると驚くほどの見つけやすさです。

そして大型種であるために飛んでいたりすると目につきやすいんですね。

見つけた多くの方はタマムシということに気が付いてもそれがウバタマムシという別種であることには気が付かず、タマムシのメスとして認識するのです。

誤認されてしまう背景にはこうした松類が身近に植えられている事情があるんですね。

ウバタマムシは絶滅危惧種?珍しいの?

ウバタマムシは埼玉、東京、神奈川に準絶滅危惧種として記載されているタマムシです。

絶滅危惧種としてのレベルは高くはなく、全国的に見ても絶滅の心配があるような種類ではありません

タマムシといえば珍しさが気になるところ。ウバタマムシのレア度は?

しかし松類がマツノマダラカミキリとそれにより媒介されるマツノザイセンチュウにより深刻な松枯れを起こしてきた背景を加味すると出会うには前述の通りなかなかに苦労するかもしれません。

食草が松類に依存していることから山地にも平野部においてもまずは松を見つけなければならず、虫に慣れていない方からすると遭遇するのはちょっと難しいかもしれません。

一方で松類を利用するクロタマムシというより珍しい種類を探す方面に目を向けると見つかるのはウバタマムシばかりでうんざりしてしまいます。

総じて虫の探し方に慣れていれば出会うのに苦労はしませんが、初心者では大変かもしれないと覚えておきましょう。

ウバタマムシの探し方とは?

派手な色味こそありませんがタマムシの大型種としてウバタマムシが好きな方は多いです。

ウバタマムシはどう見つけたらよいのか?探したい方に向けて紹介

そんなウバタマムシの探し方について紹介していきます。

ウバタマムシは松類を利用します。山地から平野部において最も目にする松はアカマツという松です。(写真ないので後日)

樹皮が赤いという特徴がありますので見つけやすいですし、おおよそ山の尾根沿いに行くとアカマツは生えています。

松を見つけたら木々の葉先を何となくぼやーッと見続けていると、葉にとりついているシルエットや飛び回るウバタマムシの姿が見えるのではないかなと思います。

また、見つけた松が部分的に枯れていたりしないか注目してみましょう。

ウバタマムシは松の枯れ木に産卵しますので部分的に枯れていたり松の枯れ木があるとすでに飛来していたり、どこからか飛んでくることがあります。

まずは幹に注目し張り付いている個体がいないか見てみましょう。ウバタマムシにはオスが幹に張り付いてメスの飛来を待つという生態がありますので、条件のいい場所ではオスがすでに張り付いていることがよくあります。

よく見ないとわからない色合いをしていますよ

ウバタマムシの色合いは樹皮によく溶け込んでしまうため、幹はしっかりと確認しておきましょうね。

こういう場合の個体は手でもつかめますので楽しいですよ。

とにかく松と松の立ち枯れ、伐採木や土場などを探すのが遭遇するコツです。
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タマムシ科の採集についてより詳しく知りたい方はこの記事を参考にしてみてください

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