秋の怪物、オオトラカミキリ
皆さまオオトラカミキリを探していますか?今季で2年目を終えましたがオオトラの採集は過酷ですよね。

挑んでいる方は殆どが同意してくれるかと思いますし、挑んでいない方は何が過酷なんだろう?と疑問に思うかもしれません。
オオトラカミキリの採集は現地で人に合ってどれくらい来ているかと聞くと数連敗10数連敗くらいは当たり前のように皆様しています。
それでもこの過酷な採集に挑む理由とオオトラの魅力についてあれこれ語っていきたいと思います。オオトラ採集で気が狂いそうな自身や取れない状況を持つ方に向けて過酷だけど挑み続けるよねという前向きな内容の記事です。
オオトラカミキリというネームバリュー
オオトラカミキリはトラカミキリの最高峰という名誉ある称号があります。

スズメバチに擬態しているとされるその姿は私は実物を見られていませんがさぞ見事な擬態であり、多くのカミキリ愛好家から一度は取ってみたい虫として認識されているのではないかと思います。
有識者から愛好家、ビギナーについても認知度は高く、合わせてその採集の難易度の高さも知られています。
2000年代にモミの樹冠から降りてくることが明らかとなり、以前よりは採集難易度が落ちたとはいえオオトラはオオトラ。
多くの人が挑み、取れずに散っていくその様から一つの勲章のような存在として価値があると考えています。
オオトラカミキリの採集は考察が熱い
1900年代中盤の時期の昆虫は未開拓の領域が多く考察の余地が多い大開拓時代であったと聞きます。

今でこそ明らかとなっている生態や産地の解明が進んでおらず、採集者は各々御考察を持って新天地のポイントを開拓していったそうで賑わっていたそうです。
今では多くの虫においてメジャーどころの虫は生態や採集方法が確立されてきているため、我々は既にある情報の中からお目当ての虫を採集することになります。
もちろん新規のポイントを開拓したりする余地はたくさんありますが、全く情報や生態的知見が無い中で探すなんてことはなかなかありませんよね。
オオトラカミキリは少なくとも一般的に見られる情報の範囲ではその生態に関する情報がありません。

オオトラの採集で現地で遭遇する方の中には、独自の視点でオオトラ採集の要点を押さえている方がおり、その年の増減に関わる要因や環境要因を伝えてくれる方がいます。
これはとても珍しいことだと思います。
例えばヨコヤマヒゲナガカミキリのような希少種でもブナ帯のライトの照射かブナのルッキング、夜行性で日が傾くと樹冠から降りてくる。
♂は外灯に飛来し、♀はイヌブナの地際で見つかるというような詳細ではなくとも採集方法などが分かっています。

オオトラに関してはモミの樹冠から♀が下りてくるということが明らかとなっており、気温や湿度、日照や羽脱の条件、生存期間などなど多くの情報が欠如しています。
生態が明らかとなっていないので考察の余地が多く、合う人合う人でそういう視点があるのかとまるで昆虫の生態を開拓していくような考察の余地がありなかなか面白いです。
例えばある人は当地におけるアカゲラの増加が幼虫の捕食につながると述べたり、台風による気圧差がトリガーとなる。昼夜の寒暖差が重要、モミの木に下枝があるかどうかで下部に降りてくるかが変わる。樹上性のムネアカハラビロの増加が関与しているなどなど色々な理論を聞きました。

そんな意見がある中で、今年の例では四国からたまたま来ていた人がササっと捕まえてしまったり、全く関係なさそうな日当たりの悪いモミに降りてきていることが報告されていたりいわゆるセオリー的な部分がありません。
過酷で出会えないのにさらにヒントになる情報もほとんどないという虫はなかなか珍しいですよね。ゆえに正解がなくオオトラ採集では人と出会い考察を交わすのもとても面白いものです。
オオトラの過酷な採集
このカミキリムシの採集はとても過酷なものとなります。

同時に狙える副産物が殆どなく、長時間熱い時期に拘束されて限りなく薄い可能性を拾いに行くというのがオオトラカミキリの採集です。
1日辺り5~6時間ほど活動することを考慮すれば、何連敗したかによってその人のおおよその費やした時間を推測することができます。
一桁の連敗は当たり前であり10を超えてからがオオトラの神髄という感じでしょうか。
オオトラカミキリの採集を経験することにより、副産物が取れる採集が非常に楽しく有意義であると感じられます。

また、メインターゲットに数連敗した程度ではめげない精神力と、木をずっと見て回り続ける集中力を手にすることができます。
時折虫が見つかるだけで虫取りってこんなに楽しいんだと、日々当たり前に感じている昆虫採集に感謝をする気持ちが湧いてきます。
オオトラの採集ですが、まだやったことが無い方に向けて説明をするとオオトラの加害痕と羽脱痕が見られるモミの林にて、木をひたすら見て回り産卵に偶然降りてきた個体に偶然遭遇することです。
オオトラの個体数が少ないこと、その虫がたまたま降りてきたものに遭遇しないといけないこと、モミの林が広いこと、環境が年々変化していくこと、気温や湿度などの環境条件がありそうなことなどの複合的な要因と相まって運の要素がかなり強い採集となります。
言い換えるならばオオトラの採集は修行です。

オオトラ採集における敵はオオトラではなく自分です。
採集中に自分は何をやっているんだとか、取れるわけがないとか、オオトラはいないだとか、オオトラの幻覚が見えたりしますが、出会うためにはこの過酷な採集を続けるしかありません。
この時期のオオトラカミキリ採集に手を付けるとまるで呪いにかかったかのような状態になります。

天気が晴れていればオオトラに行かなければならないという状態異常にかかってしまうのです。
オオトラの時期の晴れた日にオオトラに行くことをサボると、いっておけばよかったなと必ず後悔します。
一方で過酷なオオトラへの挑戦に敗れた日には二度と挑むかこんな虫と思いながら帰宅します。

オオトラへの挑戦者はこの二律背反の気持ちを自分で制御し、成果も上がらない過酷なモミ林の巡回を目の前にオオトラが現れるその日までするのです。
どうでもいいですが、私の経験でいうとポケモンの色違い厳選に近いものを感じます。(旧式の1/8192時代のもの)
昔のポケモンで1/8192で出現する色違いを求めて、伝説ポケモンの前でレポートを書き、ひたすら色違いが出るまでリセットするというまあ普通の人はやらないような作業があります。

昔のポケモンの色違いは本当に大変で、数か月かかる場合も珍しくないものでしたがラティオスやレックウザ、スイクンなどの色違いを探して入手したものです。
オオトラカミキリを採集しているとこれに近い感覚を覚えますね。やることはモミの木を見て回る。場所などの違いはあれど同じ作業を繰り返して確率を上げていく作業です。
昔のポケモンのルビーサファイアにあったまぼろし島のように、同じ作業をしながら異なる結果を求めるとても厳しいものです。
pljbnature.com
pljbnature.com
今期のオオトラカミキリ採集は4回ほど行いました。4度目にしてだいぶ心が折れてしまいましたが、オオトラに出会える人というのはここで諦めずに続けられるものなのでしょう。
今期4度目の敗北時にはもう行かねーよと思ったものの翌日の快晴時に行かなかったことを後悔し、翌々日にはもう行きたくなっていました。そしてシーズンが終わるとあんなに嫌だったのにオオトラに行っておけばよかったとくよくよ反省する羽目になるのです。

とんでもない呪いですよこれは。ちなみに8月終わりが近づくと憂鬱な感じと希望が入り混じった何とも言えない気持ちがやってきます。
今年はオオトラをとってやると思いつつもあの巡回する長時間の拷問と自分の精神を疑い始めるメンタル面の異常と一昨日、昨日、成果があがったらしいという希望のアップダウンにより行きたいけど行きたくない気持ちになるのです。
そんな気持ちを抱えつつもモミを見て回り、またいないのに来ちゃったよ馬鹿だなぁと虫好きのサガには逆らえない現実を知るのです。

ここまでの苦行であっても探したくなってしまう不思議な魅力がオオトラにはありますね。今はオオトラ探したいんですけどねぇ。今年は出会えたらいいなと思いつつ出会えない状況が楽しかったりするのかもしれません。
皆様もオオトラを探していればさぞ苦労していると思います。私は現在9連敗ですが、負けずに人生で一度ぐらいはオオトラカミキリを捕まえる体験をしましょう!
オオトラカミキリ関連記事
pljbnature.com
存在を示すサインはこのようにぐるぐると巻いた模様です。
pljbnature.com
pljbnature.com
pljbnature.com
pljbnature.com
過去の連敗模様が気になる方はこれらの記事をどうぞ。捕まえるのが難しい虫に挑みたい方にもオオトラはおすすめです。