人気タマムシと出会う体験を。
タマムシの仲間はキラキラした見た目を持つために非常に人気の昆虫です。

代表種ヤマトタマムシの人気は言うまでもありませんが、こと光沢においてはヤマトを上回っていると思えるタマムシの仲間も多数います。
その美麗種に上げられるのがクロホシタマムシやマスダクロホシタマムシ。
かつての私がそうだったようにこの虫を探したい人に有益な情報が落とせればと思いますので情報を落とします。
クロホシタマムシとは
ここの文は別記事と同じです。

クロホシタマムシはタマムシ科ルリタマムシ亜科のタマムシの1種です。
体長は1㎝前後程度、ミドリとオレンジ色を混ぜたような光沢があるもの、オレンジ味が強いもの、緑が強いものなど体色は様々であり、その複雑な光沢はヤマトタマムシよりもずっと美しいと私は考えている人気のタマムシです。
成虫は主に5~7月頭頃まで出現し、出現のピークは5月。主にクヌギやコナラなどの葉の若芽を食べているようです。

成虫は産卵のためにクヌギやコナラの材や枯れ木によく飛来し、日当たりのよい幹に卵を産み付けます。
成虫の背中には黒くまばらな斑紋が見られ、胸部に大きな斑紋が1対、腹部には大きな斑紋が4対程見られます。
この内腹部の上端の1対がマスダクロホシと見分ける際の判別点として利用されますが、マスダクロホシとはサイズ感や色の違い、後食する植物などの要素で見分けることも可能です。

関東においては個体数が非常に少ない虫でしたが、ナラ枯れの増加に伴い分布が急激に拡大したようです。
合わせて以前では見られなかった場所においても出現し、一時的に楽に採集できる状況が生まれました。
近年ではナラ枯れが落ち着いた影響か最初期程見つけられなくなりましたが、新鮮な材を見つければ取ることは可能です。
採集においては伐採木上、立ち枯れ、ひこばえ掬い、葉のスウィーピングなどで捕まえることが可能です。
枯れ木の鮮度は立ち枯れ後2年のもので飛来しているのを確認しているため、そこまでうるさくはないようです。
マスダクロホシタマムシとは
マスダクロホシタマムシはタマムシ科ルリタマムシ亜科のタマムシの1種です。

クロホシタマムシに姿、名前非常に似ていますが、マスダは針葉樹を利用する点で出現する環境が大きく異なります。
マスダクロホシタマムシはスギやヒノキの生木を利用し、成虫はカエデ科の植物を交織することが知られています。
成虫はスギヒノキとカエデ科が同所的に生えている場所の、枝先や樹冠のモミジの葉柄を齧ることが明らかとなっており、この二つの要素を満たす環境で探すことが重要です。
成虫は主に5~7月頃に出現し、出現のピークはおよそ6月頃と私の記録ではなります。

マスダクロホシタマムシは知名度も高くなく、有名な虫と合わせて狙える機会が少ない針葉樹利用のタマムシということであまり採集されていませんが、後食がモミジであることが判明したためアオカミキリなどと一緒に狙うことができます。
色合いはオレンジ身が強く、光沢はクロホシ程ギラついておらずのっぺりしています。特有の光沢感があるため、見慣れると光沢だけでも分かります。
採集においては新鮮なスギヒノキの伐採木上、モミジ類のスウィーピングなどが有効です。採集には長い網が必要となります。
クロホシタマムシ採集の具体例
ここからはクロホシタマムシの具体的な例を紹介していこうと思います。
あくまで神奈川における例なので採集の際の参考にしてください。

クロホシタマムシは5~7月程度の比較的長い出現期間を持ちますが、個体数がよく見られるのは5月であると思っています。
実は定点的に同じ木でクロホシタマムシを1シーズン採集したことがあり(持ち帰らず)、個体数は5月のGW頃から見られ始めて下旬ごろまでは半日かからずに10匹程度かそれ以上ぐらいの個体数が見れていました。

6月に入っても上旬では10は行かないぐらい。下旬になると片手か数匹程度と時期が夏に進むにつれて出現が減ってくる傾向が見られます。
なので時期は自分の体験から言えば5~6月上旬ぐらいがおすすめですね。
採集については天気は絶対に晴れである方が良いです。時間については午前中の9時ぐらいから木に日が当たっていれば来ていました。

木に日が当たっていれば午後でも4時ぐらいまで飛来してきます。ただ個体自体は午前中から正午辺りの時間帯の方が多い印象を受けます。
採集方法についてはナラ枯れに由来する鮮度のいい枯れ木があるならばその木がよく、木の真下から見上げて探します。
探し方は2種類あり、一つが木に既に張り付いている個体を見つけるルッキング。
もう一つが空の青などに枝を透かして飛来してくる個体を見つけるルッキングです。

クロホシタマムシはシルエットが枯れ木に飛来するカミキリムシやヨコヅナサシガメと大きく異なるため、飛来したシルエットでも慣れると十分にわかります。
シルエットで確認した後、木に付いているのが緑色ならばクロホシタマムシ、緑色が見えないならばムツボシタマムシであると判別します。
いい枯れ木があればこのやり方で見つけることができますね。

一方で枯れ木を見つけられない場合には伐採木や若芽のスウィーピングを狙います。
伐採木は鮮度が良ければクロホシタマムシの飛来が見込めます。
写真などを取りたい場合にはこの方法がおすすめです。

ただちょうどいい伐採木に出会うのが難しいため、雑木林的な環境にたくさん足を運ぶ必要があります。
材の鮮度については立ち枯れ後2年後までは飛来を確認しています。
材としてはカワラタケ系の白いキノコや赤いキノコが生えている程度ならば来ており、ハナビラニカワタケが生えているものは大丈夫なようでした。

幹にいたら下から突いて網に落とす。枝にいる時は枝を叩くようにして落とすと捕まえやすいと思います。
スウィーピングについては一番いいのは衰弱木の芽吹きかなと思っています。
ナラ枯れ生存木からは胴吹きなどの弱弱しい葉が出ます。

部分的な枯損が産卵場として、新葉が餌として使われるため条件として優れています。
葉の上にクロホシタマムシがいると葉にシルエットが透けるため、網で掬わなくても分かります。加えて葉に飛来するシルエットも見つかりやすいため、きたらネットインしましょう。
総じてナラ枯れに由来するコナラの枯れ木があるとかなり見つけやすいという感じです。
こうした木に緑色のネットを立てかけておくだけでも網に飛来する個体が時折いるため、網の色を変えてみるのも有効です。
緑の服を着ても効果がありましたよ(笑)
マスダクロホシタマムシ採集の具体例
マスダクロホシタマムシはクロホシと違って環境に依存するため、スギヒノキなどに隣接した植樹のモミジ類などを見ていくのがおすすめです。

クロホシは産卵の個体を狙うことになりますが、マスダは私は後食に来た個体を捕まえています。
時期は5~7月頃まで見つけられるのですが、私はアオカミキリの狙える6月中旬ごろに行くと個体数がとても多い印象を受けます。
なのでおすすめは6月中旬です。
マスダはモミジ類の葉柄を後食します。

これに加えて葉の上で待機していることが多いらしく、運よく樹冠を狙える環境を見つけた時には5分で4匹ほどのマスダがモミジの樹冠で飛んでは止まってを繰り返していました。
モミジ類についてはイロハモミジ、オオモミジ、イタヤカエデでの発見例があります。
マスダは飛翔速度が非常に早く、光沢をもつこと以外はハエのような雰囲気に見えます。

スギヒノキが付近にあるモミジの先端をスウィーピングの要領で掬っていくと入ってくれます。
同じ環境ではアオカミキリが同じように枝先につくので、嬉しい副産物が手に入ることもあります。
私の捕獲例ではどの種類のモミジでも幹に近い枝で見つかることはあまりなく、下枝でも枝先、樹冠でも特に突き出た枝先、樹冠でなくとも周囲に良く抜き出た枝先などをよく利用しているようです。

長竿網を良く伸ばして素早くスウィーピングしていく必要がありますね。
なお、後食植物についてはどの種も同じように樹冠を見れることは無いので不明ですが、私の場合は樹冠が見れるオオモミジが最も多く、次点でイロハモミジ、イタヤカエデという感じです。
葉などで痕跡が分からないため、クロホシタマムシよりも採集難易度は現在難しいと思われます。
また、マスダの方は緑ネットに誘引される感じがありません。勘違いかもしれませんが。
タマムシ採集をするなら長竿網を
タマムシ科の採集として2種類のタマムシの採集方法を見てきました。

クロホシとマスダは伐採木ならば手で捕まえられるぐらいの感覚ですが、効率的に探す場合には高所にいる個体を捕まえるために長竿網が不可欠です。
特にクロホシタマムシにおいては緑ネットに誘引されることを確認しています。
ネットが緑で伸ばしておくだけで捕獲チャンスがあるならば、採用したいものですよね。
採集に使えるそうした網の使い方については別記事でまとめてありますので、タマムシの昆虫採集を楽しみたい方は参考にしてください。
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