輝くハチは珍しい
セイボウという昆虫好きにとても愛されているハチの仲間がいます。

タマムシにも負けない強い光沢を放つそれはまさに飛ぶ宝石。
そんな人気のセイボウなのですが、出会うのはなかなかに苦労します。セイボウって珍しいの?と思う方に向けて解説していきます。
セイボウとは?
セイボウは膜翅目セイボウ科の昆虫の総称を指します。

頭部、胸部、腹部に緑や青などの金属光沢をもつのがセイボウの仲間の特徴であり、感じでは青蜂でセイボウと読みます。
成虫の体長は0.5~20mm程度、科の最大種がオオセイボウで2㎝前後の大きさを持ちます。
生態としては寄生性のライフサイクルを持つため、セイボウの出現には寄生先の昆虫がいるかどうかというのがとても大事です。

これと併せて寄生性の昆虫というのは絶滅しやすいとされており、それはセイボウが地域で絶滅しても当然消えることに加え寄生先の虫が絶滅しても消えてしまうことにあります。
一方でそうした両者がしっかりと持続的に生存できる環境が維持されていればセイボウにも出会うことはそこまで難しくないと言えます。

セイボウの成虫は主に植物の花粉もしくは蜜(不明です)を利用していると考えられ、訪花している個体が偶然見つかることが多いです。
また、人工物上やふとした時に見つかることも多く、まさに神出鬼没な印象を受ける昆虫ですね。
セイボウの珍しさについて
セイボウが珍しいかどうかについては地域によるというのが答えになってしまいますが、一般的に考えればこの虫は珍しいと言えます。

虫を多少なりやっている人がお目当てのセイボウについて、その寄生対象と営巣環境について調べてお目当てのセイボウに出会うとなると難易度はそこまで高いということはありません(一般的な種類の場合)
しかしセイボウに興味が湧いたりキラキラした虫が好きな虫初心者の方がセイボウにあってみたいと考える場合にはその難易度は結構高いと思います。
セイボウは例えばミドリセイボウを例にとると、ミドリセイボウはルリジガバチの巣にいる幼虫に寄生します。

ミドリセイボウはルリジガバチの営巣場所となるかやなどの中空の植物に営巣したルリジガバチの出入りを付近で観測し、留守のタイミングを狙って巣内に侵入、産卵します。
この際巣の付近で様子を見るように待機したり、ルリジガバチの営巣場所を探るために中空の植物を徘徊する個体が見つけやすいため、ミドリセイボウに遭遇するにはルリジガバチの生態について良く知る必要があります。

この目的の虫以外の知見を深めるプロセスは興味が無いとなかなか難しく、そうした状況にある人はセイボウがとても珍しいように思えるはずです。
ルリジガバチ利用のミドリセイボウ、イラガ利用のイラガセイボウ、スズバチ、ドロバチ利用のムツバセイボウやオオセイボウなどは身近な代表的なセイボウと言え、寄生対象の生態が分かれば出会うチャンスは普通にあると言えますね。

ただ、寄生性の昆虫に言えることですが個体数というのはやはり多くはありません。頑張れば出会えるけど、頑張っても出会えない時もある。
昆虫としては難易度的にはやや高いとは言えるかもしれません。
キラキラしていて会いたい人が多い虫。ただし小さい
セイボウは実物を見るとそれはそれはまあ美しい昆虫です。

冒頭でも話した通り種によってはタマムシと並ぶかそれ以上かもなと感じることがあるくらいこの虫は美しいです。

故に図鑑やSNSなど大きく拡大された姿を見て実物も見てみたい!と思う訳ですが、実際のセイボウは殆どが15㎜以下と非常に小さい昆虫であるため、セイボウを初めて見た人の反応は意外と良くありません。
拡大した写真はどこかその虫が大きいように錯覚してしまうんですよね。同様のことはセイボウに限らずタマムシでも起こります。

タマムシはヤマトタマムシが有名ですが、ヤマトタマムシ以外のキラキラしているナガタマムシやチビタマムシを見せてもへ~タマムシなんだぁぐらいで終わってしまいます。

虫好きぐらいが喜んでくれる程度です。タマムシでそれなのですから、いざセイボウの実物を見てもちょっと期待外れな感覚に陥る人がいる事もまあ分かります。
この虫の美しさは時にはルーペやTGのようなマクロレンズでないと中々分からないかもしれませんね。
でも種類ごとに色の傾向があり、判別点が複雑なことなども相まってなかなか楽しいですよ。
小さいから複雑な種の珍しさ
セイボウの魅力は捕まえた後にもあります。

前述のとおりセイボウは小さいのですが、配色は似たものも多くその判別は図鑑が無いことなどもあって苦労します。セイボウは日本では46種類が記録されており、似たような虫からそれだけ判別しないといけません。
セイボウの判別は別記事でも述べているので適用すると腹部先の突起の数や参考に配色、捕まえた環境などの要素を複合的に見ます。


捕まえたセイボウがよくいる物なのか珍しいものなのかはよほど詳しい人ならばわかるかもしれませんがほとんどの人はセイボウだけど何セイボウだろう?という段階で調べることになります。
この種類を判別するときがセイボウの醍醐味かなと考えており、体長で明らかにわかるオオセイボウを除き宝箱を開けた時にようなワクワク感があります。

小さい虫だからこそ細部を見て一つずつ謎を解き明かしていくプロセスが楽しめます。
私もセイボウは好きですがセイボウを探したことはあまりなく、身近と言われる種類にさえ満足に遭遇は出来ていません。
ただ、ふと見つかったセイボウが何セイボウなのか、自分が捕まえたことの無い種類なのかどうか調べる時はとてもワクワクしますね。
セイボウは基本的に珍しい虫と言えますが、自身の知識次第でそのハードルは大きく下げることができます。
見つけた時には確実に捕まえられるようにいい網を持って探したいですね。
pljbnature.com
pljbnature.com
綺麗な昆虫関連記事
pljbnature.com
珍しさ以外のセイボウに注目し腹部の形状などを例に判別ポイントなどを紹介していきます。ハンドブックの発売が望まれますね。
pljbnature.com
私的なキラキラ虫の最高格、オオルリオサムシについてセイボウが好きなあなたに紹介します。
pljbnature.com
緑色のキラキラ虫の内、身近なものを17種類紹介します。あの虫が見つかるはずです。
pljbnature.com
オオセンチコガネは山地に生息するキラキラ虫です。ピンクが主体となる神奈川にて色彩の変異を調べてみました。