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緑色の繭の正体は蛾の繭!ウスタビガとヤママユガの緑色の繭について毒の有無や成虫など紹介

地面や木の上に緑色の繭

全てのシーズンにおいて、特に冬場に目にする緑色の大きな繭があります。

目につく緑色の繭。ウスタビガという大きな蛾の繭が一つ考えられる。

木?葉?からぶら下がったり、地面に落ちているそれは皮質であったり糸状であったりするかと思いますが、よく知らない方からすれば毒があったりしないの?と心配になったりどんな虫が入っていたんだろうと期待に胸が躍りますよね。

そこで今回は自然下で目にする緑色の繭から2種類について詳しく紹介していきます。

緑の繭はヤママユガの仲間の一部の繭

まず結論ですが、緑色の繭を見つけた場合にはヤママユガ科の仲間の繭である可能性が高いと言えます。

上側にひも状のものが伸びていたらウスタビガ

繭が丸くて糸のようなものをまとっている場合にはヤママユガ。繭が革質で小さな食虫植物のウツボカズラのような姿をしていればウスタビガです。

繭に入っていた蛾の姿

皮質なウスタビガの繭(左)と糸のヤママユガの繭(右)

この繭ですが、革質な方はサイズ差が激しく、大から小まで様々にあるのですが、糸状の方は大きくて見つけるとびっくりするのではないかなと思います。

成虫はどんな姿をしているのでしょうか?

糸状の繭にはヤママユガが入っています。

8月ごろに出現するヤママユガ。多くの虫好きが好む巨大な蛾。

ヤママユガは主に8月頃、夏の終わりにかけて出現するベースは黄色の大きな蛾です。

成虫は翅を広げると13~5㎝程度物大きさがある巨大種で、もふもふなぬいぐるみのような蛾として虫愛好家に愛されている人気種です。

皮質の方にはウスタビガが入っています。

ウスタビガ。成虫は11月後半から12月頭ぐらいに見つかる。

ウスタビガは出現期が初冬であり、関東の平地では11月下旬から12月上旬ごろに出現します。

時期が特殊であるため、寒い時の夜に探さなければ出会えないため、なかなか知られていない可愛い大型の蛾です。

成虫はベースが黄色と茶色っぽいものがおり、翅を広げると10㎝程度の大きさを持ちます。

どちらも虫好きからは愛される人気の種類と言えますね。

冬場に蛾の仲間の繭が良く見つかる理由

成虫の姿を見た後は再び繭に話を戻しましょう。

繭が見つかりやすいのは冬。その理由はバードウォッチングと同じ。

この緑色の繭は冬場に非常によく見つかるのですが、なぜだと思いますか?

前述のとおりヤママユは8月頃、ウスタビガは11~12月頃に出現するため、オールシーズン繭はあるんです。

木の上で隠れても幼虫は寄生昆虫によくやられている

これは個人的な解釈ですが、緑色を持つことで捕食などを避けているのではないかなと思っています。ヤママユもウスタビガも落葉樹を利用するのですが、春から秋にかけてはこれらの木の上には緑の葉がたくさんあります。

この中に上手く溶け込んでいるのではないかなと思います。

そして葉が落ちる冬になると落葉樹は葉を落とすため、枯れたように見える樹上に急激に若々しい緑色の繭が目につくようになるのです。

この繭を見つけた人も偶然空を見上げたら目についたかたまたま下に落ちていたという場合が多いのではないでしょうか。

繭を作る場所の違いが発見場所の違いに繋がる

これらのヤママユガは樹上で繭を作ります。

落ちていたウスタビガの繭。自然の豊かな場所では冬場に落ちている繭が見つかる。

しかし同じヤママユの仲間であってもその繭作りには差が見られるのです。これが冬場の繭の発見場所にも傾向として現れます。

ヤママユガは落葉樹の樹上で繭を作ります。が、繭を作る際に周辺の葉を巻き込んで自分の繭が外から見えないように巻き込んでしまいます。

繭の周りに葉が囲まれていた名残が残っている

これにより葉が落ちる時期になると周囲の葉毎地面に落ちたり、周囲の枯葉事樹上に残っていたりします。

もちろん繭だけで落ちていることもあるんですが。

ウスタビガの方はというとウスタビガはそうした繭を葉で隠すことをしません。それどころか枝に直接、葉に直接、時には幹に直接繭をくっつけていることがあります。

露出の機会が多い分葉が落ちた時期になると良く目立ち、その時期の乾いた風の影響を受けて落っこちてしまうことも多いです。

なので恐らくですが、この記事を見に来た方も多くはウスタビガの繭の方を見つけているのではないかなと思っています。

ヤママユの繭は糸状であるため、かなり丈夫で冬場でも木にしがみついていることが多いです。

ウスタビガはその木への張り付きが幼虫時の糸だけなので剝がれやすいんですね。

実際ヤママユの繭はその丈夫さについて天蚕と言って、カイコをも上回る上質な糸の素材として扱われていたほどなのです。

蛾の繭の優れた機能、雨よけとカモフラージュ

前のトピックでヤママユの繭は葉で覆われており、ウスタビガの繭はむき出しであるという話をしました。

この繭の右側のお尻のほうには小さな穴が開いている

自然界では雨が降るため、ヤママユは葉が雨を防いでくれる可能性がありますが、むき出しのウスタビガの繭では構造上雨がたまってしまいます。

特に糸のヤママユは内部に水が入っても糸を抜けて落ちていくのに対し、革質なウスタビガは排水に問題があるためですね。

ウスタビガの繭は繭の下部に穴が開いています。これはむき出しで雨風にさらされやすい繭の欠点を取り除く機能であると思われます。

こう考えるとすごいですよね。同じヤママユの仲間でも繭の構造上だけ見ても全然違うことが分かります。

ちなみに同じヤママユの仲間であるクスサンは、スカスカの格子状の繭を作ることで知られています。

面白い違いですよね。繭を拾った方は形状を確認してみてください。

繭に毒性はあるのかどうか?持ち帰る際の注意点

これらの繭はとても美しいものです。特に綺麗なものであれば触ってみたいと思いますよね。

これらの繭はいずれも毒はない

この緑の繭についてはどちらとも毒はありません。

もちろん幼虫にも毒はありません。

なので良い繭を見つけられたら触ってみたり、持ち帰ってみても良いと思います。

特にヤママユの繭の丈夫さについては実際に触ってみないとよく分かりません。

繭を持ち帰る際には気を付けて欲しいことがあります。繭にたまごが無いか確認しましょう。

特にウスタビガでよく見られるのですが、繭に産卵するケースがあります。

これらのガは触角で雌雄の判別ができる。くし形の左が♂。細いのはメス。

これが有精卵かどうかは不明ですが、ヤママユの仲間は大きさの割に寿命が極端に短く、オスはメスのフェロモンを感知することができます。

ウスタビガが繭から出て羽を伸ばしているときにフェロモンを感知した♂がやってきて交尾をし、そのまま卵に産卵するのかもしれません。

という可能性が考えられるので、卵の持ち帰りには気を付けましょう。


と自然の中で見つかる繭を一つとっても同じ蛾の仲間の違いをたくさん見ることができます。

緑の大きな繭は色々な観点から自然を見る教材としていいものなので、運よく見かけたらぜひじっくり観察してみてください。

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