蓼食う虫も好き好き

カブクワの採集に関するお得情報から身の回りの自然に関する疑問まで自然のいろいろな不思議を解決、考察していくブログです。自然への興味を持つきっかけを目指しています。

*当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

緑と赤に輝くハチの正体はセイボウ!ムツバセイボウとセイボウの探し方について。

キラキラ輝く人気のハチ

キラキラしたハチなのでいると目につく。人気の昆虫。

セイボウという昆虫を知っていますか?タマムシのような美しい光沢をもつハチの仲間なのですが、遭遇する機会が少なくなかなか見ることができない虫です。

一方で寄生性の生態を持つことから生態を理解することで出会う機会を増やすこともできる虫と言えます。

今回はそんなハチに興味がある人や野外でキラキラしたハチを見かけた人に向けてセイボウという昆虫を紹介していきます。

セイボウとは

セイボウは膜翅目セイボウ科に所属するハチの仲間の1種です。

全身にかけて種により異なる金属光沢をもつ

ほとんどすべての種において色合いの差はあれども美しい青や緑、赤などの金属光沢をもつ美麗種と名高い人気カテゴリーの虫です。

成虫は主に5~10月頃にかけて出現し、基本的には訪花した個体や寄生先となる対象の存在がある場所の周辺で見かけることになります。

成虫は主に花の花粉もしくは蜜のどちらかを餌にしていると考えられます。幼虫は種により多様な寄生先の幼虫を食べて育ちます。

サイズは1㎝以下から最大種のオオセイボウで2㎝程度。オオセイボウのサイズ感は非常に大きいですが、ほとんどの種類で13㎜以下程度と非常に小型です。

虹色のような輝きを持つ種類もいる

加えてかなり素早く活発に移動するため、見つけたと思ってもすぐに逃げられてしまったりする場合も多いです。

この記事のように事前にセイボウというものを知っておき、小さく動くハチを見つけたらセイボウだ!とすぐに認識するのが肝心です。

これに加えてセイボウの仲間は種類の判別が非常に難しい種類です。

色での判別は個体差があるため危険であり、胸部の形状や腹部の先端の分かれ方などをポイントにし複合的に判別していく必要があります。

しかしこの複雑さもパズル感がありなかなかに楽しいのです。

ムツバセイボウとは

ムツバセイボウはそんなセイボウの仲間の中でも分かりやすいセイボウと言えます。

今回の写真はすべてムツバセイボウのもの。

成虫は緑を基盤としており、腹部の節には節に目立つ別色の帯が節の下部に張り付くように3つ目立ちます。

腹部の先端は6つに分かれているのがこのセイボウの特徴であり、サイズが1㎝以下程度であればムツバセイボウの可能性が高いですね。

この個体はルーペにて配色パターンと、腹部の先端が6つに分かれていることからムツバセイボウとしました。

お尻の先から片側に3つ、尖った腹部の端が見える。3×両端の2で6つ。

色合いは私が見たセイボウの中ではパターンが少ないかなという印象を受け、過去3例分の個体では全て同じ色合いをしていました。


ムツバセイボウは木造の人工物の上で発見されました、過去に2例同様の環境で見つけており、これは寄生先の昆虫が影響しています。

ムツバセイボウと寄生対象のハチ

ムツバセイボウはハチの仲間に寄生することが知られています。

対象はフタオビドロバチやフタオビスズバチなどドロバチやスズバチの仲間であると言われています。

スズバチの仲間は竹などの丸く空いた植物に幼虫を詰め込んでブロック状に部屋を作ることが知られています。

一方のドロバチの仲間の中には朽ち木などの死んだ木の中に穴をあけて営巣するものがいます。

ムツバセイボウが狙っていたのは環境的に見るとドロバチ系の仲間なのではないかなと思われますね。

別の日に遭遇したムツバセイボウ。寄生先の営巣場所なのか執着している。

今回捕まえたムツバセイボウはこの木造物にやたらと執着しており、日差しが当たって人が接近したようなコンディションでも逃げることをせず、ジップロックで捕まえられました。

ムツバセイボウに限らず、他のセイボウにおいても寄生先の対象を探しているときというのは虫の食事中の時のように警戒心がかなり薄くなるのではないかなと思われます。

本来は巣を作っているハチの近くで待機して、産卵の機会をうかがっているようです。

ムツバセイボウを例に腹端を見てみよう

ここからは少し見にくいですが、判別点として活用できるポイントについて紹介します。

Ctrlキー+マウススクロールで拡大するとわかりやすいと思われます。

腹端(ふくたん)とは腹部の末端のことを指します。セイボウの仲間は他のハチのように針を持っているので、この腹部の中心にある突起を数えないように注意しつつお尻の先がいくつに分岐しているのかを見ていきます。

チョットギザギザしているのが分かりますよね。これをルーペなどで確認します。

身近なセイボウではミドリセイボウが5つ、イラガセイボウが5つ、ムツバセイボウが6つ、ツマムラサキセイボウでは4つというように明確な違いが見られる場合があります。

ここで分かれば儲けものですね。

色彩については個体差も含まれるので参考程度ですが、基準となる色合いはやはりあり、ムツバセイボウの場合にはこの色合いが基準であるように思います。

セイボウのサイズ感。小指の爪ぐらいのサイズ感。

ミドリセイボウでは緑身が強い、イラガセイボウでは赤みが少ない、ツマアカセイボウは腹部の先が赤いなど色でも特徴は出ています。

が、先ほどの腹端などと組み合わせて判別するのが良いかなと思います。

セイボウの仲間は図鑑などもなく種類の特定にはなかなか苦労させられます。

が、種数自体はめちゃくちゃ多いわけではないので、思わずいい種類とかを引き当てると嬉しくなっちゃいますね。

セイボウの探し方

こんなに綺麗だと実際に自然下で見てみたい、捕まえてみたいと思いますよね。

ムツバセイボウは木材や竹筒などを利用するスズバチやドロバチに寄生する。当然その周辺にやってくる。

ここからはそんな魅力的なセイボウに出会う方法を紹介していきます。

まずあまり面白くないですが、お住まいの地域や付近にある公園などとセイボウで調べてみることをお勧めします。

セイボウは写真撮影の対象として人気であるため、公園レベルであると意外とヒットします。

ここが分かるなら一番楽で確実です。

会いたいセイボウを事前に知ってからその寄生対象がどこに営巣するかを知るといい。

セイボウは前述のとおり寄生先にライフサイクルが依存しているため、寄生先が生き続けられる良質な環境が出現に必要不可欠です。

記録があり、写真が上がる場所というのはその場所の可能性が高いです。

例えばかやぶき屋根はいまではなかなか見られませんが、この枯れたかやにはルリジガバチというミドリセイボウの寄生対象が利用します。

つまりかやぶきやねがある環境ではミドリセイボウが見やすいと言えます。

イラガの繭に寄生するイラガセイボウなどもいる

これは生息環境的な例ですが、寄生先のハチがその環境にいるかどうか見るというのもおすすめです。

ドロバチやスズバチの仲間は似ているため、判別には少々困りますが、セイボウの寄生先は種名でそのセイボウを調べれば出てきます。

姿と営巣場所を覚えて実際に近しい環境を見て回ればセイボウもいるかもしれません。

写真をじっくり取りたかったりする場合にはこうした寄生先を探している個体を見つけるのがおすすめです。

他の手法としては訪花個体を探すというのもおすすめできますね。

今年、シソ科でオオセイボウがたくさん見つかった

偶発的に遭遇するという側面が強い訪花個体ですが、先ほど述べたように寄生先がいる場所で探すなどの要素を絡めることにより遭遇の可能性は大きく上がります。

例えば人気のオオセイボウですが、神奈川のとある場所では一度に10以上のオオセイボウが見られる場所があります。

寄生先となる対象と訪花植物が上手くそろうことはなかなかありませんが、状況次第では合うことは十分可能です。

ライフサイクルも面白く、見た目も綺麗なセイボウは自然観察の対象としてとても優れています。

ぜひ一度実物を見てその輝きを確かめて欲しいですね。

美麗昆虫関連記事

pljbnature.com
昆虫界屈指の美しさを持つと考える北海道特産種のオオルリオサムシやアイヌキンオサムシの紹介です。
pljbnature.com
アゲハ蝶の美麗種、カラスアゲハとミヤマカラスの違いや探し方について紹介します。
pljbnature.com
身近にも生息している紫色の光沢をもつムラサキシジミの紹介です。
pljbnature.com
青色の光沢をもつハチの仲間のルリチュウレンジハバチはツツジを利用する身近なハチです。
pljbnature.com
緑色のキラキラした虫はもしかするとこの記事で見つかるかもしれません。