ナガサキアゲハってもしかして珍しい?
アゲハチョウは一目にもつきやすい大きな蝶ですよね。

中でも近年見かける機会が増えたのが南方系のアゲハチョウ最大種のナガサキアゲハとモンキアゲハです。
今回はそのうちのナガサキアゲハに絞ってその珍しさと見分け方などについて紹介していきます。
ナガサキアゲハとは
ナガサキアゲハはアゲハチョウ科の昆虫の1種で、日本でも最大クラスの大きさを誇る巨大なアゲハ蝶です。

その大きさは飛翔の段階でも大きさで分かってしまうほど大きく、同じく最大種のモンキアゲハと並んで目につく種類となります。
ナガサキアゲハは名前から想像が付きやすいように南方系の昆虫です。
温暖化と共に分布を北に拡大している虫や、暖地に生息している虫に使われることが多い南方系という言葉では、クマゼミやツマグロヒョウモン、ヒラタクワガタやモンキアゲハのような温かい場所に生息している昆虫に使われます。

開翅長は大型のヤママユに引けを取らない13~4㎝と超巨大です。


また、雌雄で模様が異なることや通常尾状突起が無いこと、模様が他の種にはない位置にあることなどで判別もしやすい入門種向けのアゲハ蝶です。

ナガサキアゲハは珍しい?
まず結論としてはこれは地域にもよります。

北限となる地域やこれから侵入の見込みがあるような地域では珍しいということができますが、少なくとも関東の平野部程度まではもはや普通種になってきているなという感じです。
見かける機会はモンキアゲハもナガサキアゲハもそれなりにあり、住宅地ではナミアゲハやクロアゲハほど見かけませんがひとたび自然のある場所に足を運ぶと普通に目にすることができます。
町中のミカン科の樹木にナガサキアゲハの幼虫を見つけたこともありますので、普通に定着しています。
普通種ですね。
ナガサキアゲハを見分ける方法
最大種であるため大きさで見分けられることも多いのですが、形態的にもナガサキアゲハはかなり分かりやすいです。


まずあらゆる場面で雌雄問わず使える方法として尾状突起がありません。
尾状突起とはアゲハチョウの後翅にある飛び出た突起のことです。
通常ケガをしたなどのケースを除き国産のアゲハチョウの多くにはこの突起があり、特にややこしい黒系のアゲハ7種類についてはその全てに突起があります。

なのでこの突起が無いことを見た時点でナガサキアゲハと同定することができます。
一方で尾状突起は発生後期になると擦れて落ちたり、天敵からの攻撃でなくなる場合があります。

そんな時でも翅の付け根に赤い模様がある点や後翅に白い模様がはっきりとある点、それらの要素に尾状突起の後がない(丸みが残る)などの要素を見ていくことで判別は簡単にできます。
ナガサキアゲハの存在を幼虫で知る方法
ナガサキアゲハの幼虫ですが、実はアゲハの仲間の中でも非常に特殊な模様があるために簡単に判別することができます。

特に緑色の幼虫の段階まで来ていれば背面まで伸びる白い模様が入るため、判別は簡単です。

クロアゲハの様に背面まで白模様が来る種類はいますが、マダラ色になっているため、純白の網目模様がかかっていればナガサキアゲハを疑って大丈夫です。
ナガサキアゲハは身近でも頻繁に見かけるようになりました。
初心者の方でもポイントを押さえておけば見分けるのは簡単ですので是非この巨大アゲハを捕まえて大きな蝶の魅力を堪能してください。捕まえる場合には捕まえるための記事がありますのでそちらをご利用ください。
採集には網があると便利ですよ。
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