家に出る徘徊性のクモ
家の中にクモがいることがありますよね。

蜘蛛は巣を張ると思っているとその俊敏な動きに驚いてしまい、益虫なのに怖い!と思って苦手意識が付いてしまいます。
しかし安心してください。家に出る1㎝位のクモはハエトリグモの可能性が高いです。
ハエトリグモは可愛らしくペットとしても人気が出る程愛嬌のある存在です。
今回は数多くいるハエトリグモの中から家を中心とした場所に出現する種類について紹介します。
ハエトリグモとは
ハエトリグモはハエトリグモ科のクモの1種です。

巣を張らず、地上や壁などを徘徊する性質を持ち、ショウジョウバエやハエの仲間、小型昆虫などを捕食して生活しています。
体長はおよそ1㎝前後程度と小型ですが、動きはとても機敏で人の気配も良く察知しています。
種類が豊富なことで知られていますが、森林や草地、人家の近くなど種により出現する場所の傾向に偏りが見られることが分かっています。
人の生活になじみ深い場所に出る種類がある程度決まっているため、生活圏に応じておよそ出現してくるハエトリグモを絞り込むことができます。

ハエトリグモは通常巣を張りませんが営巣時には巣を作ります。
また、天敵などの攻撃時や逃避行動の際にはお尻から糸を出してロープのように行動することを確認しています。糸に絡まる感覚が嫌いな人はハエトリグモを捕まえるとその感覚が来るので気を付けましょう。
家の周辺で見かけるハエトリグモたち
家の周り、すなわち人工物が多い環境で目にするハエトリグモはおおよそ決まっています。



種名であげるとチャスジハエトリ、シラヒゲハエトリ、アダンソンハエトリあたりです。これにミスジハエトリなどが有名ですね。

これらの種類は自然の中よりもずっと家付近の方が目にします。
その姿を見てみましょう。

まずチャスジハエトリですね。ハエトリグモの中でもとても大きな種類です。
茶色い筋があることからチャスジハエトリと呼ばれていますが、模様を見なくても大きさで判別できてしまうことが多いです。
大型個体の場合には虫や生き物が苦手な場合には触るのをためらってしまうぐらいの大きさがあります。


大型種であるため、ハエトリグモ同士の争いでも強いらしくチャスジハエトリが出てくると一回り小さいハエトリは姿を見る気概が減ってしまいますね。
シラヒゲハエトリは地域にもよるのかもしれませんが、私の観察地域では目にする機会が多く、家屋にも出現します。

ただしチャスジハエトリとの相性はかなり悪いらしく、チャスジが出てくるとシラヒゲはいなくなります。
シラヒゲハエトリは名の通り白いハエトリグモなのですが、どちらかというと建物の外壁などのコンクリ的な環境を好むように思います。
時折室内にも入ってくるようですが、うまく棲み分けをしているのかもしれません。

清楚な感じがしてとても好印象なハエトリグモです。ガードレールなどにいたこともあるので、自分のカモフラージュに優れた場所を認識しているのかもしれません。

アダンソンハエトリは黒と白の色合いを持つため、非常に印象に残りやすいハエトリグモです。
チャスジと比べると見かける頻度はがっくり下がる印象ですが、生息密度によってはアダンソンの方が見つかるかもしれません。
パソコンモニターに出てきたりしたことがありますね。

また、人家の近くに出現するようなネコハエトリやマミジロハエトリのような種類が偶発的に家に入ってくるということもあります。
しかし、家に来るハエトリグモはおおよそチャスジ、アダンソン、シラヒゲ、ミスジ辺りが多いのではないのかなと思いますね。
ハエトリグモが家に来る理由と狩り性能について
しかしなぜハエトリグモが家に出てくるのか気になりませんか?

彼らは肉食の昆虫として獲物を捕食しに来ています。
つまりお家に虫の気配があるのかもしれません。とはいっても確証できる根拠はありませんが。
ハエトリグモは種ごとに出現する環境があることから種間でのエサの競合を避けるために家屋的な場所を選んでいるものがいるのでしょうか。

クモの仲間にはアシダカグモのように獲物が出す振動を感知して敵や餌の接近を感知しているものがいます。
ハエトリグモは小型のクモであり、その捕食対象であるハエ類は飛翔していることが多いですよね。振動を感知しているとはなかなかに考えられません。
一方でハエトリグモは指を近づけたりすると非常に素早く反応します。

指の接近を感知しているのか振動を探知しているのでしょうか?
これについて一つ考えられるのはパソコン画面におけるハエトリグモの反応です。
パソコンに来たハエトリグモにマウスポインターを近づけてみると反応する様子が見られました。
ハエトリグモの視力が悪いことは有名です。

また、それに応じてぼやけの程度で獲物との距離を測っていることも有名です。
ただそれが餌かどうかは判別できませんよね。
そこでハエトリグモは対象が動いているかどうかで獲物かどうかを判別しているのかもしれません。
また、大きさも分かっている可能性が高いですね。
ハエなどの小さな生き物にはとびかかるのですが、少なくとも私が見かけるたびに手を近づけても一度もとびかかってきたことはありません。
なのでサイズ感も判別できているようです。
人の家近くに出るネコハエトリやマミジロハエトリなど
前述のネコハエトリおよびマミジロハエトリは人の住処近くの草地などに出現することが多いように思います。

ハエトリグモの出現はお住まいの地域により変化する可能性がとても高いのです。
私の地域ではチャスジとシラヒゲが最も多いです。
名古屋で実施された市民参加型のハエトリグモの調査では環境区分こそ人家と限定されていませんが、発見された総個体数の内最も占めているのがネコハエトリとなっていました。マミジロは5番目に多い種類の様です。


チャスジは7番目、シラヒゲは9番目です。
ハエトリグモ自体は家で目にするものよりも圧倒的に屋外で生息しているものの方が目につくとは言えそうですね。
ですが、印象に残るのはやはり家に出てくることが多いハエトリであると思います。なお、この報告によると樹木での出現が最も多く全体の6割近くの出現を占めています。

ハエトリグモは家に出るのを除くと本来は木の上は葉の上を徘徊して獲物を探しているんですね。
お家に出たハエトリグモがパソコンや立てかけてあるものの上を徘徊しているのも納得がいきます。
今回は家に出る徘徊性の可愛らしいハエトリグモの中から特に人の生活している環境に出てくる種類を紹介しました。これ以外のハエトリグモが見つかったならば貴重な情報かもしれませんね。
参考文献
名古屋生き物一斉調査2023 ハエトリグモ編調査結果報告書
https://www.bdnagoya.jp/calendar/pdf/isseichousa2023_houkokusho_haetorigumohen.pdf
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