高尾山の暑い日中を満喫する
高尾山の7月から8月上旬にかけてはアオタマムシが日中のターゲットとして人気がとても高い印象です。

7月の下旬頃になるとヨコヤマヒゲナガカミキリという大変人気の高いカミキリムシも出現するようになり、夜間にはこの虫を目当てとした来訪者も多く見られるようになります。
しかしヨコヤマの生態を理解すれば日中にヨコヤマを見つけることも不可能ではありません。
今回は夜間がメインとなるヨコヤマを昼間に探しつつ、アオタマに採集に集まる沢山の方と出会いながらアオタマをつまんできました。
日中にヨコヤマを探す
ヨコヤマですが実は昨年9月上旬にイヌブナの地際で日中に採集に成功しています。

ヨコヤマのメスは夕暮れに産卵のために樹冠から降りてきており、夜間にはイヌブナの太い幹でルッキングをすることで見つけることができます。
日が昇るとともに樹冠に登り始めることが推測されますが、一部は地際のウロや落ち葉の中などに潜伏しているようです。
日中のルッキングではこの居残り組を探していくことになるため、主にイヌブナの凹凸や地際の落ち葉との隙間などを探していくことになります。

アオタマのポイントを目指しつつ丁寧に地際を見ていくわけですが、羽脱の痕やヒコバエなどはよく見られるため、運次第では見つけられそうですね。
日中のルッキングの何がいいってあのなんかいた感です。生態を理解しつつも最後に遭遇するのは根性と諦めない精神力なのです。
見つかるときはすんなり見つかるし駄目なときはどんなに頑張っても駄目。そんな天命に任せた自然のギャンブルが日中ヨコヤマ採集の楽しみです。

いないことが当然なのですが、見るべきポイントはしっかり抑える。そんなルッキングを続けつつヒコバエもないヨコヤマがいなさそうな地際を見ると...?
ルッキングの視界に白い違和感が......
ヨ、ヨコヤマじゃないですか!

地際で目が合うかのように吸い寄せられたヨコヤマは、地面から垂直に刺さるかのように幹に張り付いていました。やはり運次第では全然昼間でも出会えますね。
採集したときにはきれいなヨコヤマだと思っていましたが、家で過去の標本と比べると結構擦れていましたね。まだまだこれから出る時期だと思うのですが、アオタマが6月の時点で出ていたようにヨコヤマも早く出ていたのでしょう。
ビカビカの個体も欲しいですが、まずは完品ヨコヤマに出会えたことに感謝ですね。幸先が良いです。
アオタマをつまみに
この日は今季おなじみのSさんが早々からアオタマに行くとのことで私が遅れて合流する形になっていました。

現地につくとSさんと虫取り青年がいました。この青年はこの日二桁ものアオタマを取っており、バイタリティあふれる人でした。
私はこれまでのアオタマはひっそりと採集していたので知りませんでしたが、高尾のアオタマ界隈は盛り上がっているようでSさんは顔なじみが多いようです。ポイントにも時々人が訪れてここはどうですかなんて話を軽くして人が消えていきます。
このアオタマ界隈は面白いですね。

Sさんは始発のケーブルカーから2時間ほどで2匹を捕まえたらしくさすがの腕前です。選球眼のようにアオタマが来る木の判別がうまいようです。
私は今季6月ラベルが既に取れているのでアオタマへの執着は薄く、どちらかというとアオタマの飛来の感じや時間、日差しや気温のコンディションなどの情報収集とアオタマ界隈との雑談がメインという感覚でした。
正午手前ぐらいまでそれ以来の飛来はなく、Sさんは別の場所に移動してしまっていたので退屈しているとHさんという方がやってきます。
アオタマは取れていないもののなんとか取ってやりたいとなかなかの志が見受けられたのでポイントで一緒に張ることに。
カミキリ屋らしいのですが、やはりアオタマはいい虫であるのでいろいろな方から人気があるようですね。

巡回をしつつ一度離れて戻ると網を伸ばすHさん。どうやらアオタマが来たものの取り逃がしてしまったようです。アオタマ採集は同じ木でも樹皮裏に潜ることや羽脱孔に入ってしまったり、風の条件で難易度が変わるため、なかなか採集に手こずりますよね。
特に最初の1匹は緊張もしますから外した悔しい気持ちもわかります。
また戻りますよと話しつつ待機しているとアオタマらしき姿が飛来します。

2m程度のラッキーチャンスと思いきや、網からピンボールのように弾け飛ぶアオタマムシ!
まさかの2mのものをロストし二人で笑ってしまうというなかなか面白い光景がそこにはありました。
こうしたところに高尾のアオタマ採集の面白さがあると思いますね。
これから取りたい方ももうたくさん取っている方もまじりつつ色んな人が来て情報を交換していく。
そして採集の上手い下手はあれどロストの可能性がつきまとうハラハラ感があり、それを見ている虫仲間と共有するのはなんというかモミの立ち枯れをある種のコミュニケーションの場として集うかのようでなかなか面白いものだと思いますね。
アオタマを手でつまむ
時間は流れHさんは別の場所へ。

どこかに行っていたSさんが戻ってきて張り込んでいきます。
やはり日が高くなると飛来も増えるのか順調に捕獲数を増やしていきます。このポイントでは8~9mの網がないとお話にならないという感じですね。
私の網は5mなのとまあ取れなくてもいいという感じなので雑談メインで楽しみます。
とはいえSさんとの経験値の差をかなり感じましたね。
親子向けイベントでカブクワ採集をすると、見つけるのはほとんど私なのですが、アオタマ採集においては見つけるのはほとんどSさんです。しかも網を伸ばしても私が見つけられないこともありました。
アオタマの飛来の部分に関する知識量に大きな差があるのでしょう。さすが数年間アオタマに通っているだけのことがあります。学びになりましたね。
時折幹周りに降りてきていないかなと幹周りをしていましたが運良く腰ぐらいの位置にアオタマが降り、それを手でつまめました。

アオタマの坊主は避けられたようです。
しかもやや紫が強い個体でなかなかの幸運に恵まれました。
その後もぼちぼち飛来し、私は1個体でしたがロスト分も含めると今日張った木だけでも10匹を確認しました。高尾アオタマについてはピークを迎えていると言えそうです。
Sさんがこの後予定がある話だったので降りつつ樹液の木のポイントなども教えてもらい、浄心門でHさんも合流します。地際ヨコヤマルッキングの話をしたのでそれをされていたようです。


Sさんから本日予定していたオオクワガタの受け渡しと遠征おみやげのカタビロオサムシもいただき、高尾ではヨコヤマとアオタマもつまめ、虫仲間との楽しい時間となりましたね。
早い時間からいい木をキープしてくださったSさんに感謝ですね。
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次回は昼間にヨコヤマとアオタマに加え、ミヤマとネブトの人気昆虫すべてを捕まえる挑戦をします。
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前回はオールナイト高尾でシンジュサン、ミヤマ。それから日中アオタマという狂気のスケジュールを行いました。本記事のSさんも同行しましたが、お互い疲れを引きずったようです。
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アオタマについては今季6月から出現しています。
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昨年9月の日中ヨコヤマ探索編です。こう考えると結構長い間ヨコヤマは楽しめますよね。
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今季高尾ではミヤマは豊作なようです。ネブトも報告が随分と多いですね。
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2024年編と23年編もあります。23年は主にミヤマを、24年は高尾のミーハー虫をおおよそ狙っていますね。