高尾山のヤマビル事情
ハイキングでも人気が高い高尾山にはたくさんの野生動物が生息していますよね。

野生動物が増えると気になるのがマダニやヤマビルなど動物に由来する寄生生物の存在です。
SNSやwebなどを見ると高尾山にヤマビルがいる!!というような報告こそありますが、その多くは別の環形動物の仲間である物ばかり。
果たして高尾山にヤマビルはいるのでしょうか?
登山道上で襲われる可能性は現状低い
高尾山自体には私自身それなりに訪れており、一般登山者に比べると藪や道外れに入る機会も多いかと思います。

今のところ高尾山でそうした道外れにおいてもヤマビルに襲われたことはありませんので、特に登山道沿いにおいては襲われる可能性は低いのではないかと考えられます。
ヤマビルの侵入は身近な別地域での事例を見るに最初は獣密度が濃い獣道や湿度の高い薮の中などで見られるように思います。
かつてのホーム地であった秦野方面の弘法山は今でこそヤマビルにまみれた山となってしまいましたが、2013年ごろには薮の中に入らなければヤマビルに襲われることはありませんでした。
それが今では登山道や舗装沿いでも見ると聞きますから、この光景は高尾山でも当てはまるものと考えられます。
そう、昆虫採集者からヤマビルの報告が増えてきたらいよいよ危険な頃合い。ヤマビルが藪から登山道沿いの縁まで詰めてきているサインであると思われます。
高尾山には今後ヤマビルが出る可能性が高い
高尾山のヤマビル事情についてですが、今後については出現する可能性が高いです。

ヤマビルの出現はシカやイノシシなどの獣と強く関わっています。
そして高尾のビジターセンターにシカの増加グラフが掲載されており、2010年代後半から個体数が増加し、近年では確か数倍もの個体数が目撃されているみたいな話(不確かですみません)が掲載されていました。
実は昆虫採集者的に見てもこれらのシカの増加は感じ取れています。

シカ糞を利用するオオセンチコガネやセンチコガネを高尾山の中腹帯以降で目にする機会が非常に増えました。
ゴホンダイコクコガネという糞虫も8月頃に新成虫の時期になると最も目にする甲虫と言えるぐらい出現するようになっています。
特にオオセンチコガネの増加は非常に目につき、宮ヶ瀬の例を取れば明らかなようにシカの密度とオオセンチコガネは密接にかかわっています。

シカ糞の消失にオオセンチコガネが関わっているのは有名な話で、奈良県のシカがいる公園の糞消失にオオセンチが貢献しているという話や糞虫の多様性に富んでいることからも動物密度との関わりが強いことがわかります。
つまりシカ糞を利用する昆虫の増加(これは主観ですが)を見ればシカが増加していると推測できます。
そしてA=BB=CつまりA=Cのようにオオセンチコガネが増えるということはヤマビルが増加するというように見ることもできるかと個人的には考えます。

実は高尾山においては写真などはありませんが、ヒルに吸血されたという話も上がってきているようです。
観光地として有名であるため、ヤマビルを知らない人が多く訪れてくる高尾山にヤマビルが出てきてしまえばあっという間によくない評価が広まることが考えられますね。
ヤマビルの対策は広がってしまうととても難しく、現実的には登山者側で防除するしかありません。
近年の昆虫事情を想像すると、実は意外と身近な場所まで来ているのではないかと考えられますので、6号路を始め水気の多い場所や4号路のような沢沿いの木陰道を歩く場合には既に対策しておくのが良いのかもしれません。
ヤマビル対策
ヤマビルの対策は密度により変わります。現状の高尾山では登山道沿いを歩いている限りで襲われることはまずないかと考えられます。

こうした密度の低い状況では通常の虫よけスプレー(ディート含有量10%のもの)を靴に吹きかけておく程度でも大丈夫です。
これは密度の低い場所で最も簡単他ヒル対策の一つと言えますので覚えておいてください。
今後ヒルの出現数が増えてくる場合にはヤマビルファイターやヒル下がりのジョニーなどの専門の防除剤を使用することで個体数が増えても安全に登山を楽しむことができます。

ヒルは血を吸われると血が流れ出てしまい非常に不快です。山でデートに来たのに血まみれなんてことになるとがっかりでしょうね。
しばらくの間は高尾山の表側の観光路でヒルに襲われることは無いと思いますが、いずれそんな未来も訪れるのではないかと思います。
高尾山ビジターセンターや登山者、それから虫仲間などの情報を活用して今後も目を光らせていきたいですね。
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ヒル対策についてはおすすめの道具がありますので対策としてとてもおすすめです。
不快害虫対策
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ヤマビルと同じ動きをするシャクトリムシはよくヒルと間違えられます。
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アブや毛虫類は避けては通れない山地の害虫ですね。