ツツジの葉が白く、黒い斑点がある際の害虫
ツツジの管理をしていると葉が白くなってしまっていたり、葉裏には黒い斑点が出てきている状態を見つけることがあります。

これ以外にも2mm程度の小さな虫がツツジの周りや叩いたときに飛び出してくることがあるかもしれません。
こうした現象に関わっているのはツツジグンバイです。
今回はツツジ害虫の1種であるツツジグンバイを紹介していきます。
ツツジグンバイとは?
ツツジグンバイはカメムシの仲間のグンバイムシ科の昆虫の1種です。

体長は3mm程度と非常に小さく、透明でキラキラした翅を持ち、その翅には茶色っぽい模様が入っています。
小型昆虫であるためか繁殖ペースが速いらしく、気が付かぬうちに大量に発生しているケースを多々目にします。
成虫はおよそ4~10月程度まで発生し、ツツジの葉裏から葉の細胞を吸っているとされています。

そのため、吸われた細胞はスカスカとなり、恐らく葉緑体なども抜けてしまうために白く変色し、葉の表側からでも認識できるほどまだらに変わってしまいます。
グンバイ類のこうした吸汁活動ではアブラムシやコナジラミ類と同様に排泄物からの病原体の繁殖が認められており、ツツジグンバイにおいてもすす病などカビ類の繁殖が引き起こされる可能性があるため、多方面から侮れない害虫です。
ちなみに成虫は翅をもちますが幼虫には翅がありません。
ツツジグンバイの被害
ツツジグンバイによる典型的な加害痕はこのように葉を上から見た時にまだら模様のように白色が混じってくることです。

そして葉の裏には黒い斑点が現れるのが特徴になります。これはツツジグンバイの排泄物であり、類似の被害との判別点になります。
実はツツジに白い模様が出る要因は多数あり、代表的なものがハダニによる加害です。
ハダニはクモの仲間であり、風に乗り移動してくるためマンションの高階層などにおいても被害が出ます。
そして同じように葉が白くなるのですが、ハダニのフンは目立ちません。その代わり葉の裏側などに1㎜以下程度の小さなダニが付いているのを見つけられます。

グンバイは前述の黒い斑点を葉裏に見つければほぼ確定することができますので、日頃から観察してあげれば見つけるのは簡単です。
グンバイとはどういう虫か
多くの方はそもそもグンバイという虫を知らないかと思います。グンバイは植物の汁を主に吸う生き物です。

身近なものではセミやカメムシが仲間として挙げられます。
彼らもまた植物の汁を吸っていますよね。
グンバイの多くは名前に植物名が入り、特定植物や科への嗜好性を示します。

ツツジグンバイは文字通りツツジ類に好んでつく種類であり、その範囲はアセビ類についていたこともあることからツツジ科ツツジ属(多くのツツジやサツキの仲間)でなくとも問題ないようです。
グンバイへの対策
グンバイを始め、ハダニやアブラムシなど植物の汁を吸うものやルリチュウレンジハバチのように植物体を食べる種類には総じて浸透移行性の農薬が有効です。

代表的なものはオルトランですが、ツツジグンバイはついている場所も全体的にわかりやすいため、シュシュっと吹きかけられるタイプのものがおすすめです。
私はベニカファインスプレーを使用していますがこれはやはり効果的ですね。
葉が白くなっていたらとりあえず使っておけば間違いないです。

とはいえグンバイを始めとした虫はライフサイクルも速いので、次の発生や新しい個体も飛来してきます。
それを見据えて浸透移行性農薬では数週間の効果の継続が望めますが、再び被害が出てもまた撒けるので安心です。
一方で農薬を使わない場合には葉水が効果的です。葉水とはじょうろなどで葉に水をかけてあげる行動なのですが、これが有効的でした。

私の実験ではこの頻度を朝夕1回ずつ、夕方1回、三日に1回とした場合、葉水の頻度が減るほどハダニなどの加害が激しくなる傾向が見られました。
特にグンバイとハダニについては朝夕1度撒いているときはほとんど気になりませんでしたので、かなり効果があるものと思われます。
薬剤を使用したくない場合には検討してみてください。
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