昆虫採集を楽しく安全に
カブトムシやクワガタムシを始めとした昆虫の時期に入りつつあります。
今年の採集を楽しみにしている人も、今年こそはと意気込んでいる人も多いことでしょう。
昆虫採集においては準備が非常に大切です。
そこで屋外で活動している私が個人的におすすめする持っていてよかった道具を紹介していこうと思います。
空調服
空調服はかなりおすすめできますね。

特に汗をかくのが嫌な人や服の中がむわッとして不快な人、立ち止まったら汗が引いてくれるような状況を作りたい方におすすめしたいです。
例えばカブクワ採集は夜とはいえ雑木林に入るため、かなり蒸し暑いものです。
近年は熱帯夜も頻繁にあり、夜でも行動しているとガンガン汗をかいてしまいます。
そんな中でそうした汗を利用して体を冷やす空調服は、昼の下見では必要不可欠で、夜の採集でも積極的に利用したい夏のマストアイテムとなっています。

屋外ではスズメバチやマムシを始めとする毒持ちの生き物が注目されやすいものですが、最も危険なのは太陽の日差しと気温です。
これは気が付いた時にはアウトになっており、河川敷や雑木林の中、移動中など人の少ない場所を通る機会も多い虫取りにおいては致命傷となります。
空調服は体感温度として日向でも2~3℃、日影ではそれ以上に温度を下げることができ、非常に快適に行動することができます。
お値段はややしますが、日本の夏も依然と比にならないほど過酷なものになっています。
帽子などと掛け合わせることでかなり体感温度が変わるため、昼夜ともに活動機会が多い方にはおすすめです。自分の通常の服よりもワンサイズ大きいものを選ぶことで通気性が良くなり快適になります。
長竿網
長竿網は一部のクワガタ採集にはマストなアイテムですが、ここでは都市部の方に向けてお勧めしたいです。

それは他の人との差別化という点において大きく役立ち、短い網を持つ人が取れなかった個体を取るためです。
都市部の夏休み期間には限られた緑の場所に多くの家族が集合するため、ライバルの存在によりカブクワが取れなかったということが起こります。
そうした親子層が持っていない道具を持っておくことは差別化となり、高所の個体でも見つければ取れるため、探す範囲も増えます。
ただ、見つけた個体を取れるようにする道具であるため、見つけるための知識はしっかりと持っておく必要があります。

都市部では差別化の道具として重要ですが、山地でミヤマ以上のクワガタなどを狙う場合には無いと損する道具となります。
高い場所に止まっているクワガタ類を指をくわえて眺めるような思いをしたくない場合には持っておくといいですね。
何よりそうした虫への熱い思いを持つ子たちの興味を、その口径と長さでカバーし、より多くの昆虫との出会いを提供してくれるのが長竿網です。
虫好き親子には特におすすめです。
虫よけ
夏の期間はとにかく害虫の仲間が厄介です。

昼夜問わず付きまとう蚊の面倒くささ、耳元の嫌な羽音、どこからかやってきて付きまとうアブ、目の前でうざったい目まとい、草地にはマダニやツツガムシがおり山地ではヤマビルにたかられる。
これこそ自然の驚異です。
万能なアイテムこそありませんが、アブやマダニを除けば多少なりとも楽にはなる対策はあります。
総合的にはスキンvapeが塗りやすく、使いやすくて長持ちするのでお勧めです。蚊に困っているならばこれはおすすめですね。
プッシュ式であり、空打ちが無いので薬品の寿命が長いのもいいですね。

ヒルにはヤマビルファイターが効果的です。
ミヤマなど山地に行くならば行く場所のヒル事情は事前に調べておき、対策の手段を持っておきましょう。
夏の害虫は本当に不快ですからね。
飲み物
飲み物は意外と罠です。

確かに持っていくと重さはかかるので、重さを取るかお金を取るかという感じではありますが、自販機などで購入していると思ったよりもお金を消費してしまいます。
例えばお水。
自販機では110~40円ぐらいが相場ですが、事前に買っておくと40~60円ぐらいで買えます。
夏場には活動していて1本ではすみませんから、採集の機会が多い人ほど恩恵を受けることができます。
それと冷たいものを飲むとお腹を壊しやすく、屋外でそうなってしまうのはつらいです。
事前に購入しておけば常温水となるのでその点もより安心できますね。
屋外で飲みすぎてお腹を壊したことのある方も多いのではないでしょうか。
ゼリー飲料やジュース
手軽にカロリー摂取できる携帯食料はどれだけあっても困りません。

夏の暑い期間の移動では予想以上にカロリーを使うため、カロリー摂取をしないとばてたり気持ち悪くなってしまいます。
とはいえ固形物がイマイチ口を通らないことも多いですよね。
そこでゼリー飲料やジュースを持っていくといいです。
ジュースは水と同じく自販機などで買うとかなりお金がかさみます。
ゼリー飲料には色々ありますが、私はエネルギーチャージ系(1本180kcal程度)とクエン酸やロイヤルゼリーなどが含まれたビタミン系をお勧めします。
疲れた時に不足しているんだろうなと分かるぐらい美味しく感じるので、疲労回復系やカロリーが取れる何かの形態はお勧めです。
冷やせるものがあるならば(保冷剤や袋)、一本満足バーやプロテインバーのようなドライフルーツなどが豊富なものやたんぱく質が豊富なものも持っていくとゼリーに飽きずに食事を楽しめます。
個人的にはちょっといい値はしますが、一本満足バーのフルーツ100シリーズはご馳走レベルで美味しくておすすめできますね。
保冷剤無しでは溶けてしまうのでやめましょう。
掻き出し棒
ヒラタクワガタやコクワガタを狙う可能性があるならば携帯しておくことをお勧めします。

思わぬ形で洞のあるいい木や隙間のある両物件を見つけてしまうことがあり、掻き出し棒が無いために中に怪しい物体を見て終わってしまう経験は採集者のあるあるです。
都市部において樹皮めくれなどが破壊されてしまうことの背景には、そうしためくれがクワガタの隠れ家となることを知らないような初心者が来ていることがあると個人的に考えており、樹皮は剥がされやすいですが洞は破壊しにくいため、そうした場所にクワガタが潜んでいることがあります。
長竿網と同じく持っているかどうかで目の前の個体が取れるかどうか決まる道具であるため、持っておくことをお勧めします。
針金などの硬いもので作る方法もありますが、甲虫を気付付けてしまう可能性が高いので私はステンレス製のものを使用しています。
安いです。
ライト
ライトは夜の活動で基本的に必要となりますが、どの程度のライトが必要かはどこで採集するかにもよります。

都市部で採集されるならばライトはIphoneなどでも構いませんが(さすがに暗いが)、雑木林や山に入るつもりならばそれなりのものを購入するのをお勧めします。
しかし必要性が分かりにくいのも分かります。特に都市部の緑があるところでは夜とはいえある程度安全ですからね。
一方で山に行けば道迷い、獣との遭遇、自分が食物連鎖の中に入ったかのような焦燥感にかられることになります。
これは実際に夜の山に行けば体感できますので、車などでまず体感してみることをお勧めします。

そしてその怖さを知ったならそれが克服できる程度のライトを購入するといいですね。
とはいえ日ごろの活動がソロなのか複数なのかでもこれは変わってきます。
参考程度に私はソロ山では常時800~1200lm(前方視野が十分確保できる)程度のものを使っています。
これなら慣れれば怖さはかなり軽減されるとともに活動の機械の増加に繋がります。
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帽子
帽子はとてもおすすめできる道具です。

昼間ならば強烈な太陽光を遮ってくれるため、体感5度程度の温度差が生まれます。ハチなどの不意な頭部への着地などのリスクを大きく減らしてくれますので安心感が高いです。
夜の場合も実はおススメで、これはクモの巣への頭部が引っかかる機会が大きく減るメリットがあります。
地味ながらかなりストレスになるのがクモの巣です。
また、外灯採集やライトを持っていると虫がライトに突っ込んでくることが多く、帽子が無いと髪にくっつかれたりしてうざったいです。
そうした気に障る微妙なストレスが大きく軽減されるため、帽子はお勧めです。
昼間は必ず装備しましょう。
日焼け止め
日焼け止めも昼間の活動においてはマストなアイテムです。

紫外線は細胞を破壊するため、今は大丈夫でも年を取ったときに必ずしわ寄せが来ます。
これは自然系の仕事などで年上の方を見れば明らかで、肌のシミなどは職業病のようなものです。
日焼け止めは汗で流れやすいため、なるべく水に強いやつを選び、時折塗りなおすようにしましょう。気にしないならなくて構いません。
現状使用しているのはniveaのものですが、汗で流れてしまう感覚があり、今年は水に強いやつを試してみようと思っています。良ければ紹介します。
また、合わせてサングラスやUVカットのメガネなどもおすすめです。私も使っています。
ケース
ケースはタッパーのようなものからルアーケース、ジップロックまで一通りそろえておくと楽です。

虫かごでも構いませんが複数取るつもりなら個体ごとに分けられる形をとった方がいいですね。

標本関連道具
標本をやる方ややってみたい方に限りますが、蝶や蛾では展翅板やテープ、甲虫では酢酸エチルなどが必要です。
これに加え昆虫針があれば標本は作れます。
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おすすめ度順は?
昼間:空調服=捕虫網>飲み物>帽子>日焼け止め=虫除け
夜:ライト>捕虫網=空調服>飲み物>虫除け
迷ったら網、ライト、空調服を揃えるだけでもかなり快適になります。
道具を揃えた次は情報収集
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カブクワ採集のあらゆる基本情報はこの記事から。