クモ!怖い!?
クモといえば万人に嫌われる怖い生き物です。

お庭の隙間に張られた巣。自転車に張られた巣。夜引っかかる不快な巣。
草むらをかき分けて素早く動く姿。
人に嫌われる生き物の要素として素早い、得体が知れないなどがありますが、クモは見事にこれらを満たしていますね。
しかしクモの中にはペットとしても人気が高いハエトリグモの仲間がいます。
人を噛まず、可愛らしいふるまいを見せてくれるクモで、予想以上にかわいいですよ。今回は白いハエトリグモを紹介します。
シラヒゲハエトリとは
シラヒゲハエトリはハエトリグモ科の仲間のクモの仲間です。

全身の印象は白と黒という印象で全身には細かい毛が生えています。
ハエトリグモの仲間は巣を張らないクモの仲間として知られており、自慢の脚力を用いて獲物にとびかかり捕食します。
出現期は4~11月程と比較的長いですが、秋口頃から見かける機会が増える印象です。

シラヒゲハエトリに限りませんがこの仲間は益虫としてよく知られており、ショウジョウバエやキンバエなどの家によく出るハエの仲間やゴキブリの小さいものなどを捕食してくれています。
人に対しては危害は加えない種類なので把握しておきましょう。
この仲間はお家にもよく出る種類です。
巣を張らないクモの仲間
ハエトリグモの仲間は巣を張りません。しかしこれは糸を持たないという意味ではありません。

ハエトリグモの仲間を手で囲むように捕まえてみると彼らは必死に逃げるはずです。
もし壁などからジャンプしてくれるならば手にレスキューのような1本の糸を伝っていることが分かるはずです。
敵から逃げる際の緊急時には彼らも糸を使うようですね。

それから産卵の時にも実は繭を作るために糸を使っています。
昆虫の捕食時には使わないのが面白い点ですね。
確か最近の研究かなんかで視力の悪い彼らは複眼から見える対象とのぼやけ具合で距離を測るみたいな記事を読んだ記憶があります。
そのためか動くものや振動(おそらく毛で感知)には非常に敏感です。指で追いかけてみれば器用に距離を取りつつ逃げていきます。とてもかわいい。
ハエトリグモの愛嬌
ペットとしても人気があるハエトリグモですが、確かに他のクモ類とは異なる可愛らしさがあることに気が付きます。

私はクモが結構苦手だったのですが、ハエトリの仲間だけは全然問題なく触れます。
これは例えばジョロウグモなどの大型種には噛まれるリスクが付きまといますがハエトリは噛まないからでしょうね。
ハエトリのかわいらしさはその動きにあります。生き物なんですがどこか機械的な動きを感じさせるものがあるんですよね。

人が機械や人形の動きを真似する芸がありますよね。彼らを見ていて感じるのはそれに近く、機械っぽい生き物として他の生き物では楽しめない特有の動きがあります。
歩いているとにはどことなくムーンウォーク味がありますし、ゴキブリのように常にスタスタと歩き回るわけではなく、ピッピッとメリハリがある感じです。
毛づくろいもしますし、人間っぽくボケッとしてることもあります。
後は万歳とかもありますね。
生き物としてはかなり珍しい動きと見慣れた動きが合わさることで君はそんな動きもできるんだ!?と発見が楽しい生き物となっております。
確かにこれはペットとして需要があるのもうなずけます。
ハエトリグモに毒はある?噛む?
前述で答えは出ていますがハエトリグモには毒はありませんし噛むこともありません。

しかしこれは人に対してであり、おそらく昆虫に対しては毒のある成分を注入している可能性があります。
ハエトリグモに襲われた虫はマヒしたかのように捕食中も動くことがありません。
なので同じく巣を張らないカニグモの仲間のように毒を利用してるのかもしれませんね。
ハエトリグモを探してみよう
ここまででこの生き物がクモとしてもちょっと変わった存在であることがよく分かりましたね。興味がわいた方は探してみましょう。

家の中に出る種類という認識が強いですが、主に草地を中心に人工物回りなどにも出現します。
種類問わず探すならば庭先の壁や建物の壁、特に外灯がある周辺の壁にいることは多いです。

それ以外では草の上や葉の上、草地とコンクリのギャップなど種にもよりますが出現環境は広いように感じます。
日本には100種以上のハエトリグモがいると言われています。種によって時期が決まっていたりするので自分が遭遇してみたいハエトリグモを探してみるのも楽しいと思います。
シラヒゲハエトリはこの秋ごろに建物の壁などでよく目にしますので探してみてください。