大人で昆虫採集?

大人になってから昆虫採集というのは、恥ずかしいような何とも言えない感覚があったりしますよね。
網を持つのに抵抗がある気持ちなども私も通った道なのでよく分かります。
ですが昆虫採集は大人になったからこそして欲しいと個人的には考えます。
そこで今回は幼少期からの様々な夢が叶えられるという視点と、大人でも学びになるという点でその魅力を伝えていきます。
憧れのあの虫に出会えるから!
なんといってもこれですよね。

子供のころに捕まえたかった虫たちを探すことができます。子供のころに虫を探していれば、この虫に出会いたかったけどダメだったんだよなぁという種類がいるかと思います。
代表的なものでは、キラキラ輝くミヤマカラスアゲハ、クワガタの中でも山地性のミヤマクワガタ、飛翔スピードが速いオニヤンマ、透明な翅のクマゼミ、キラキラ緑に輝くヤマトタマムシなどの辺りは子供のころには憧れる存在でしたよね。

こうした当時の憧れの虫たちというのは今、挑んでみると比較的簡単に遭遇することができてしまいます。
そう、子供時代の憧れはゲームでいえば四天王。
その裏に潜んでいる知る人ぞ知るかっこいい、美しい虫たちがいるのです。

大人になってから虫取りを始めた人は、大人であることを忘れたかのように少年の様に夢中になる方も多いです。
それは子供のころの種名も分からず、ただただ自然の中を歩き回り偶然見かけた虫を捕まえて一喜一憂するあの感覚が、大人になっても変わらずに再現されるためです。

今虫取りを始めれば図鑑なども充実しています。
それを見てみればあの虫の仲間にはこんな美しくかっこいい種類がいたのか!?とそしてこんなにいるの?と興味が沸くはずです。
幼少期の虫の世界は、僅か1%にも満たないから!
例えば身近なクワガタ。

子供のころには何種類捕まえたでしょうか?日本にはなんと50種類ものクワガタがいると言われています。
トンボはどうでしたか?赤トンボや時折ギンヤンマなんかを捕まえましたよね。

日本のトンボはなんと200種近くいます。タマムシの仲間は約220種。
カミキリムシに至っては約900種類もいます。
そう、子供時代のたくさんのあの虫たちでもたった1%に満たないのです。
逆に言えば1%の世界であんなに楽しいならば、残りの99%部分に手を出したらどうなっちゃうの!?という話ですね。

オニヤンマを捕まえたらきっとヤンマ系の美麗種、コバルトブルーのマルタンヤンマに憧れるでしょうし、ミヤマクワガタを取ったならばオオクワガタに憧れるでしょう。
ヤマトタマムシならば次はアオタマムシでしょうか。

大人で始める昆虫採集では、自分の興味があるジャンルの虫をその好奇心が尽きるまで探し続けることができます。
今日は昆虫採集に行こうかと言われたときのあの何を捕まえようかというワクワク感が、自身の興味次第で無限に湧いてくるというのが昆虫採集の魅力です。
終わりがないという最高の贅沢が味わえますよ。
ギャンブル性があり、代替するものがないから
ギャンブルというとイメージは悪いかもしれませんが、昆虫採集は運が絡むというのが楽しいです。

採集知識をどれだけ詰めていっても必ずしも思い通りにならないのが自然相手の面白さ。
逆に言えば同じところに足を運んでも同じ結果にならない面白さがあると言えます。
例えば身近ななんてことない雑木林ではノコギリやコクワ、カブトムシばかりの環境ですが、温暖化によりヒラタクワガタが見られるようになったなどの変化が起こりえます。

それだけでなく、知識が広がればこれまで記録が無かった昆虫を不意に見つけてしまったりする嬉しいサプライズがある場合もあります。
世の中では同じことをしているならば同じ結果が得られる場合が多いと思いますが、昆虫採集では珍しく同じことをしていても違う結果が得られることが多々あります。
このワクワク感こそ昆虫採集の醍醐味であり、他では味わえないギャンブル性なのです。
なので昆虫にはまると代替品が無くなかなか抜け出せません。
私がはまったきっかけも25年ぐらい記録がない虫を再発見してしまったことにあります。
あの時の映像は何度もフラッシュバックするくらい脳裏に焼き付いていますね。
家族ならば記憶に残る体験になるから
昆虫採集は言うならば自然の中で行うゲームです。

ゲームでは例えばRPGならボスがいますよね。
ボスを倒すためにレベルを上げるわけです。
つまり目的はボスを倒すこと。
昆虫採集ではこのボスが捕まえたい虫です。

ボスの攻略には何も知らずに挑んだり、負けて情報を仕入れたりパターンを分析して挑みますよね。
昆虫もこれと同じで、その戦略性が楽しく思い出に残ります。
お目当ての虫を捕まえるためにはその虫の生態の情報を知ったり、出現する時期や時間などを知る必要があります。

情報を知れば知るほどお目当ての虫に出会いやすくなるのはまさにゲームと言えますね。
一方で何も知らず挑んで敗れてみるというのも実はいい経験です。
重要なのはそこから何を学ぶか。これは昆虫に限りませんが、フィードバックが大事です。

多くの方はカブクワ採集になるとなぜかこの流れを忘れてしまい、特に調べもせずに挑んで成果が上がらないからやめてしまいます。
ですが、その敗れたところから何が足りなかったのかを学べば実は簡単に出会えたりします。
昆虫採集イベントで、そうした親子作戦会議などはとても柔軟な意見が出る賑わいポイントです。
一人でももちろん楽しいのは間違いないですが、パーティを組めばより効率的に楽しく行動できるというのは想像できますよね。

虫を捕まえるという共通の目標に向かって前々から準備をする。いざ現地に足を運び、ボスはどこだと探索をし、相手を見つければネットに入れるかどうかの真剣勝負が始まる。
こうして得られた1匹の虫というのは実は非常に記憶に残ります。
私が出会う方は、子供が虫好きという方は親も虫がかなり好きであるということが殆どです。
年齢が違っても同じ目線で目的を達成できることというのはあまりないのではないかと私は思います。
好きこそものの上手なれということでハマるほど知識も増えていき、思い出も増えていきます。
試行錯誤が楽しいから
昆虫採集は答えが無い体験です。例えばミヤマクワガタを取るとすれば、樹液や木々の見分けなど採集に役立つ情報自体は入手手段がたくさんあります。

しかし、現地で捕まえるとなるとその情報を知った上での現地での立ち回りが必要となります。
例えばそのエリア内で虫が来やすい樹液のポイントを見つけたり、外灯の場所を確認したりですね。

昆虫採集は答えの近くにたどり着くまでの方向性こそ示されていても、結局答えを見つけるためには自分が行動するしかありません。
この点が非常に面白い所で、いわゆる公式などを利用して答えを導くジャンルとは全く異なります。
答えがない所に答えを導くならば、それは自身の調べた情報に基づく仮説を立てることで答えを出す必要があります。

お目当ての虫が取れなければそのまま諦めるのでしょうか?そうではありませんよね。
なぜ今回はダメだったのか?これでだめだったなら次はどうしたらいいのか?そうしたフィードバックを基に次こそはとお目当てに挑みます。
昆虫採集の基本はどうやったらその虫が取れるかを考えることです。

日々の思考というのはとても重要で、世の中には何事もできない理由を探してしまう人とどうやったらこれができるか?と考えられる人がいます。
昆虫採集は後者の思考がかなり鍛えられるので、性格の形成にも大きく貢献してくれると個人的には思います。
楽しみながら思考力と行動力が鍛えられるのは自然体験ならではですね。
集めて楽しいコレクション性がある
昆虫採集は集める楽しさがあります。

それは人の好みにもよりますが、キラキラした虫や特定のカテゴリー群を集めるといったものがあります。
好きな虫=集める虫とは限らない点も面白く、私は結構カブクワ採集していますがカブクワの標本には興味が殆どありません。
今のホットはまさかのオサムシ。

何と言っても飛べないことによる地域変異に富むというところが魅力だと思います。
形も今は魅力的に感じてきてしまいました。

虫を集めるという視点に立って初めて魅力に気がついたカテゴリーですね。
こうした発見がコレクションという視点から見てみると見い出せ、この虫いつか捕まえたいなぁ、旅先になにかこの仲間いなかったっけな?といった移動の楽しみが増えます。
誰もが憧れるあの虫たち
ここでは虫取り楽しかったなぁと懐かしさを覚えた方に向けて、自然下にいる魅力的な虫たちを一部抜粋します。
いわゆる初心者が憧れる虫たちですね。
ミドリシジミの仲間たち
エメラルドグリーンや緑色の金属光沢をもつ大変美しいシジミチョウの仲間たちです。

種により利用する樹種が決まっていることや、樹木の葉先に止まっていること、出現時期が1月程度しかないことなどからこの虫を目当てにしないと出会えない人気種です。
ミヤマクワガタ
クワガタの中では初心者層に別格の人気があります。

膨れ上がる耳状突起、大あご、金色の毛など非常にユニークで、平地にはほとんど見られないのもポイントが高いまさにあこがれの虫です。
本格的に採取を始めてみると意外と出会うのは難しくなかったりします。
アカエゾゼミ
セミの中でも標高があり、針葉樹のモミなどが混じる広葉樹林に出現するため、出会う機会の非常に少ないオレンジ色のセミです。

ただでさえ珍しいのに腹部までオレンジのアドニス、全身オレンジのコンコロールなど、色彩変異による希少性もあり、人気が高いセミです。
ヨコヤマヒゲナガカミキリ
カミキリ部門なら圧倒的に人気が高いです。

本来のブナ帯では分布が薄く広いことからめったに遭遇できない本種ですが、高尾山ではそれなりに狙って出会えることから希少昆虫として人気が高いです。大理石と言われるその姿は他のカミキリとは一線を画す美しさがあり、シーズンには多くの方が見られます。
アオタマムシ
キラキラ好きならばまず憧れる虫かもしれません。

やや標高のある場所のモミの枯れ木にやってくるという都合上、狙わないと出会えない虫です。
ヤマトタマムシよりも小型で希少性が高く、個体差により色の変化もあるので探してよし捕まえて嬉しい虫です。
この辺は実は高尾山でまとめて見れたりします。身近でもこんなユニークな生き物がいたんですね。
多くの大人が足を踏み入れるとハマってしまう昆虫採集。面白さは間違いないので、興味が沸いたならば昔の憧れの虫を探すところからやってみませんか?
昆虫採集をさらに楽しむ道具たち
ここまでで昆虫採集の面白さと懐かしさを紹介してきました。
中には自分も大人になったからこそやってみようかなと思う方もいるかもしれません。

そんな方には大人用虫網として長竿網をお勧めします。
網を進める理由としては前述の通り、大人の昆虫採集では知識を付けることで虫に遭遇できる可能性はとても増えます。
しかし小さい網や短い網ではその見つけた虫をみすみす逃してしまうという機会が非常に多くなってしまいます。
道具の差でその機会を逃してしまうのは私自身良く体験していましたので、これから始めるならば昆虫採集の結論と言える長竿網から始めることをお勧めします。
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柄が数m伸びてリーチ外の虫でも取れる可能性が生まれますよ。
昆虫採集情報まとめ
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高尾山の虫に興味が湧いたなら毎年夜行ってそれを記録した高尾山昆虫観察記がおすすめ。ミヤマやヨコヤマが狙えます。
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昼の部、アオタマムシに興味があるならば。コレも毎年行ってしまういい虫です。
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カミキリ部門では青いルリボシカミキリの人気が高いです。
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ヤマトタマムシは入門者の憧れです。長竿網があるとかなり簡単に遭遇できます。
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カブクワを捕まえたいならばこのブログはカブクワ情報サイトでもあるので初心者で成果を上げる細かいノウハウがたくさんあります。
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山地のキラキラ、オオセンチコガネも人気が高いですね。