蓼食う虫も好き好き

カブクワの採集に関するお得情報から身の回りの自然に関する疑問まで自然のいろいろな不思議を解決、考察していくブログです。自然への興味を持つきっかけを目指しています。

*当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

アカアシクワガタは珍しい?標高がないと見つからない希少クワガタを紹介

関東で珍しいクワガタ?

都市部では非常に珍しいクワガタの一種と言える足が赤いクワガタ。

アカアシクワガタという名を聞いてもイマイチぴんとこない人がいるくらいにはアカアシはマイナーな種類だと思います。

標高が必要なクワガタのため、関東で目にする種類ではないという認識の方もいるかもしれませんが、東京神奈川ともに遭遇することは可能です。

今回はそんなアカアシクワガタの珍しさについて紹介していきます。

アカアシクワガタは都市部で珍しい

まず結論ですが、アカアシクワガタの珍しさは地域により変化します。

出会えないので写真がほとんどない。かなり好きなクワガタなのだが。

都市部を対象とした場合にはかなり珍しいクワガタとして名を挙げられますが、標高の高い山などが隣接したエリアでは普通種です。

都市部を例にするとこのクワガタは難易度が非常に高く、高尾山や神奈川西部のレベルの位置では年に1匹出会えるかどうかという難易度になります。

その要因としてアカアシクワガタはそもそも標高が高い気温の低い環境を好む傾向があることに由来します。

個人的な経験としてはアカアシクワガタの出現には300m程度の標高が必要になると思われます。

山の上で無いとなかなか出会えない。そして都市部ではアクセスの手間が大変。

平地での記録は殆どありませんが、昔のものとして横浜の方で見つかった事例がありますが、果たして自生のものなのか怪しいものと考えます。

この横浜の例は横浜市内のアカアシクワガタ発見例という内容で、神奈川自然史資料の中で読むことができます。

この資料自体1991年と古いものですが、その中でもアカアシの分布が丹沢や津久井であることが述べられていることから、横浜の例が自然分布かは疑わしいものです。

津久井方面でもやはり標高があるので居るらしい。近年の記録は不明。

こうした特異な例を除き基本的には標高がある程度ある地域で見つかる可能性があると考えましょう。

基本的にはミヤマが見つかる以上のエリアで分布してる印象です。

東京の発見例

東京エリアでは標高のある都西部エリアにて広く分布しています、高尾山や奥多摩エリアは非常に有名で情報が出ています。

高尾の例では外灯にて見つかる事が多い。アカアシは外灯飛来かヤナギの樹液にいる印象。

高尾山の例を挙げるとこのクワガタの出現は私の観察下では非常に少なく、その出現はシーズンに1~2匹程度です。

高尾のクワガタとしてはミヤマ、アカアシ、ネブト辺りが珍しい種類として名を挙げられますが、アカアシの記録がダントツで少ないです。

ミヤマ15~20にアカアシ一くらいの印象。

個体数がもともと少ないのか、その発見は殆どがシーズン初期の外灯で見つかっており、そのためか月の無い日の発見例が多くなります。

高尾よりさらに奥地に行くとその出現はさらに増えることが予想され、奥多摩などでは見つけやすいのではないかと思います。

簡単に行けるエリアではかなり珍しいですね。

神奈川の発見例

webでの記録では先ほどの横浜の事例と、県西部での発見例が挙げられます。

アクセス容易な箱根を除けば神奈川での難易度は結構高いと言える

西部の例は標高250m以上のエリアで外灯によるものです。

しかしこのエリアでは個体数は相当薄く、2010年代の発見を最後に記録できていません。

恐らくヤビツや大山のエリアまで行けば標高がかなり上がるので、見つけられるかと思います。

箱根方面も分布していると思いますが、標高を稼がないとやはり珍しい種類であると言えます。平地ではまず見つかりません。

アカアシは探すのが楽しい

都市部を中心にアカアシを探していると、その生息の限界を探しているようでとても楽しいです。

生息域がミヤマと被るので、アカアシというよりはミヤマを探していると見つかる

アカアシは標高のある場所では普通種であるとされており、分布はアカアシやヒメオオ、ミヤマ辺りと被っているブナ帯(1000m程度)の昆虫という感じです。

標高さえ挙げてしまえば出会えるのですが、分布が低地まで連続していることを考えると、レア産地となる生息限界付近で探すのもかなり楽しいです。

何より高尾や神奈川西部で見つかるとすごく嬉しいんですよね。

コクワらしき虫の裏に赤色が見えたとき、とても嬉しくなれますよね。

いないと思っていた生き物が実はいたかのような希少昆虫発見の楽しみが味わえます。

何よりアカアシやネブト、ヒラタのような黒系クワガタの種類が多いと、外れ扱いされがちなコクワガタらしき虫を見つけた時に楽しみが増えるのがいいんですよね。

外れ扱いされがちなコクワガタに見る必要性が生まれるのは非常に楽しみが増えるというもの。

関東の平野部ではそうした影を見つけてもほとんどがコクワであり、ヒラタが見つかる可能性とスジクワの可能性が微妙にあります。

これが西部エリアになるとアカアシとネブトが増えてチャンスが増える分ドキドキ感がかなり増えます。

そうして出会うアカアシの嬉しさはとてもいいものなので、興味のある方はぜひ探してみてください、とても大変ですけれども。
pljbnature.com
アカアシを始め、様々なクワガタと出会うための情報や初心者が初めての成果を上げるための情報まで非常に多くの採集お役立ち知識をまとめています。カブクワを取るなら活用してくださいね。

山地性クワガタ関連記事

pljbnature.com
山地で特に愛されるのがミヤマクワガタです。東京神奈川ではエリアを選ばないと遭遇できない難敵ですが、憧れる方も多いと思うので挑む方に紹介します。
pljbnature.com
外灯に飛んでくるクワガタは環境の影響を非常に受けます。中でも月と風は考えるべき優先度の高い情報です。
pljbnature.com
カブクワが取れやすい時間帯はあるのでしょうか?この記事では樹液と外灯における時間帯の重要度について紹介。
pljbnature.com
黒いクワガタは身近で遭遇できるものとして5種類がいます。山地にいくならば覚えておきたい黒いクワガタの見分けを紹介。ネブトやアカアシ、ヒラタの違いなどが分かります。
pljbnature.com
数少ないアカアシに遭遇できた採集記です。

参考文献
高 桑 正 敏 ・ 古 南 幸 弘 神奈川自然誌資料 横浜市内のアカアシクワガタ発見例 ,39-40,1991,2025,3/2