カブクワって昆虫なの?素朴な疑問が刺さる

カブトムシやクワガタを捕まえてみて、なんでカブクワは昆虫なの?と素朴な疑問を投げられることがありませんか?
なんで空は青いの?なんで雲は空にできるの?虹はなんで七色なの?
これと似たようになんとなく聞かれるこの質問ですが、先の3つの質問に意外と答えられないように、聞かれてみると昆虫って何なんだ?と疑問に思うケースがあるかと思います。
そこで今回はカブトムシやクワガタは昆虫なのか?を紹介していきます。
昆虫と虫、その違いとは?
昆虫と虫は同じように使われていますが、その意味というのは大きく異なります。

例えばクモやムカデを見つけた時に大きな虫がいた!虫がいるから取って!というような発言があります。
クモやムカデは厳密にいえば昆虫ではありませんが、虫とは呼ばれますよね。
この違いは生き物を分類する視点で見ることにより理解が深まります。
ちょっと難しい視点なのですが、それゆえその違いを知る人も多くはいない知識の差別化ポイントとなります。
難しい分類学
生き物はその特徴をまとめて同じ特徴を持つ者同士をまとめたカテゴリーがあります。

これの内昆虫類は六脚類(ろっきゃくるい)と呼ばれます。
例えばノコギリクワガタは六脚亜門-昆虫綱の生き物ですが、クモは挟角亜門(きょうかく)-クモ網の生き物です。
ムカデは多足亜門-ムカデ網の生き物です。

いわゆる昆虫とは分類的に六脚亜門-昆虫網に分類される生き物のことを指すため、クモやムカデは昆虫ではないと述べることができます。
これを分かりやすい言葉で述べると足が六本あるという話に繋がります。
昆虫網の生き物が持つ指標
では昆虫と言われる生き物たちに共通する特徴とは何でしょうか?
テーマであるカブトムシやクワガタは昆虫なのか?に従って体の作りを見ながら学んでみましょう。

昆虫網の生き物は頭、胸、腹の3つのパーツから体ができているという特徴があります。
先ほどの亜門や網などは何の話か分かりにくかったかもしれませんが、この話まで来るとかなりなじみ深いことが分かるはずです。
そして足は6本。先ほどの六脚により分かれた部分がここに繋がっています。
脚は基本的には胸に3対ついています。

クワガタを例にすると頭部と胸部、腹部の3つがはっきり区切られているように見えますが、実際には胸部が前胸、中胸、後胸と分かれているため、胸の部分は一番後ろの足の辺りまであります。

そして翅は基本的には4枚あります。
実際にクワガタにあてはめてみましょう。
クワガタに見る昆虫の体の作り
まず頭はお馴染みの顎がついている付け根のところになります。

胸は頭と連結している一つお尻側のパーツです。ここが前胸です。

そこからまた節が挟まり、中胸になります。

中胸はおよそ体の中央、2枚の翅がそろう中心にある三角形の突起の小楯板(しょうじゅんばん)を目印にするといいです。
後胸は一番後ろの足がある辺りを目印にしましょう。

脚より後ろが腹部です。
ということで昆虫の体と足が3対胸から出ることが分かりました。
翅はどうでしょうか?

カブクワの翅をじっくり見る機会はありませんよね。
ここでは飛翔の標本の乾燥中のものがあるのでそれを見てみましょう。

クワガタはこのように硬い上翅(じょうし)と薄い下翅(かし)の計4枚の翅をもちます。
硬い翅をもつ昆虫の仲間を我々は甲虫の愛称で呼んでいます。

追加の知識として、甲虫とは硬い翅を1対、薄い翅を1対持つ虫のことを指し、用語としては鞘翅目(しょうしもく)と呼ばれる昆虫たちのことを呼びます。
ということでカブトムシやクワガタは昆虫であるということが分かりましたね。昆虫の作りに注目してみると非常に観察が楽しくなり、種毎に何が違うのかという楽しみに繋がります。
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カブクワ採集を行うならば初心者でもこの記事から順番に学んでいくことできっと取れるはずです。
0からでも大丈夫!ちょっと学ぶことはありますが、何もしないよりもずっと効率的に見つける情報がたくさんありますよ。
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