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ミヤマクワガタって珍しいの? 生息地とその珍しさについて紹介

なかなか見つからないミヤマクワガタ

クワガタを採り始めて最初に憧れることになる存在、ミヤマクワガタ。

ミヤマクワガタは人気がとても高いクワガタです。

クワガタの中でも山地に出現する傾向が強いことから、出会う機会は少ないです。

このクワガタをお目当てに旅先に行くことや、道の駅やテレビなどで偶然目にしていずれは捕まえてみたいなと憧れを抱くミヤマ。

平地性クワガタたちを捕まえられるようになった多くのクワガタ採集者の次の壁として名を連ねています。

今回はそんなミヤマクワガタの珍しさに注目しつつ、東京神奈川辺りの都市部の例と一般的な生息地について紹介します。

ミヤマクワガタは珍しい?

まず結論としてミヤマクワガタの珍しさは地域により変わります。

小型でも構わず、ミヤマクワガタに出会うならばそんなに難しくはない

山地に近い方や東北地方など緑の深い自然が残っている地域にお住まいならば珍しくはありませんが、東京や神奈川など自然が少ない場所では珍しいと言えます。

その珍しさはおよそ20年前の神奈川レッドデータ(最新)にて要注意種、今では準絶滅危惧位はありそうな気がします

ミヤマが普通にいる新潟のとある環境の雰囲気。

ミヤマクワガタは深山(ミヤマ)の名がついていることから深い山に生息していると考えられていますよね。

実態としては山の深さというよりは森林面積が重要といった感じです。

例として神奈川を上げると、このクワガタの出現は東部の横浜から三浦半島にかけてと西部の丹沢エリアを中心に分布しています。

深い山が必要ならば東部には生息していないはずです。

例えば古いものでは町田地域での記録がある。場所は長池公園で20年ほど前だが。

また、過去の生息状況を見ていくと、多摩丘陵の地域でも記録があることから、開発前には平地にも広く分布していたことが推測され、現在はその名残が広い緑の残る場所にて生息していると考えられますね。

なのでミヤマクワガタは山地に面した地域では珍しい種類ではなく、むしろ優先的に見つかる種類と言えます。

いい風景。山岳地帯ではミヤマは珍しくない

神奈川東京では信じられにくいですが、新潟などの地域に行くとノコギリと同等かそれ以上に見つかってしまいます。関東民的にはうらやましい限りですよね。

ミヤマクワガタの採集に挑みたい?

都市部の人がミヤマクワガタに挑むならば大きい方法が二つあります。

都市部での有名産地高尾山とアクセスが良い新潟。後者でも車なら都市部から2時間位。

一つは都市部からアクセスできる広い自然が残る西部に行くこと。もう一つが自然の多い他地域に行くことです。

前者は東京神奈川を例とするならば高尾や奥多摩、青梅、丹沢や箱根辺りのエリアが有名です。

山梨側の道志のエリアもいることで知られていますね。(私ではないが知人が見つけている)

ケーブルカーのような山の途中までアクセスができる場所は人気。高尾や大山などが身近ではよく聞くポイント。

後者は私は新潟や草津、青森くらいしか言ったことが無いのでそこしか例に出せませんが、山岳地帯に面したエリアでは普通に遭遇することができる種類です。

山梨のペンションスズランや奥多摩で採集ツアーを行っている奥多摩公房さんなど、有名な採集関連ツアー及び施設もありますがいずれも周囲が山です。

そういった環境へ足を運ぶことでミヤマクワガタを捕まえられるチャンスがあります。そして比較的簡単に出会えます。

なんといってもミヤマは昼も夜もどちらも探しやすい種類ですからね。

ミヤマクワガタを自力で探すなら?

本記事は珍しさについて語る記事なので採集方法については述べませんが、ブログ内にはミヤマクワガタの採集に力を入れたものもあります。
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高尾山の採集記録や神奈川におけるミヤマを述べたものがあります。
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当ブログ内では今年ミヤマを捕まえたい、クワガタを捕まえたい方に向けたコンテンツがたくさんあり、このまとめ記事を中心に多くの記事にアクセスできるようにしています。ブックマークなどして是非活用してください。

今後珍しくなるミヤマクワガタ?

ミヤマクワガタですが、今後珍しくなっていく可能性が挙げられます。

あくまで都市部の例だが、山地の方へと分布が縮小している可能性がある

これは実体験や他の方の意見も踏まえたものなのですが、ミヤマクワガタの生息地域がノコギリクワガタと入れ替わるような現象が見られています。

恐らく低温環境を好むミヤマクワガタは、昨今の温暖化により生息できるエリアが山の上の方へ追いやられているのではないかと推測しています。

これに伴って語られるのがクワガタの小型化です。

冷温な環境では大型個体がよく見つかるが、温暖環境では小型が多い傾向を感じる。

温度が上がるとクワガタの発生が産卵から成虫まで2年かかるものが1年で出てくるようになると言われています。

これにより幼虫期間が短くなり小型化していくというものですが、高尾のミヤマなど低地のものに当てはまっているような気がします。

温暖化により小型化し、さらに上がれば気温の限界を超えて生息エリアが減少する。

新潟の事例ではきっと安泰なのだろうが、高山の少ないエリアでは温暖化の影響は受けそう

そう考えると山岳地帯などは変わらず安泰ではありますが、都市部のエリアにおいては今後ますます珍しくなっていってしまう可能性がありますね。


個人的な定点観測でも、ミヤマクワガタの出現は減っていると考えられます。

県西部エリアでの7年ほどにわたる定点的な観測では、7年ほど前は年に両手行かないくらい見つかっていたミヤマクワガタが、ここ数年ではせいぜい3匹程度見つかれば御の字という程度に見つからなくなっています。

もちろんただの主観。現地の採集者の増加などの要因も考えられる。

ここ数年は自然の変化としてナラ枯れが大きな存在としてありましたが、発生木となる広葉樹の根の供給と樹液の供給が満たされて、この現象が2021年ごろに爆発的に広がったのを考慮すれば、彼らのライフサイクルより一昨年ぐらいからミヤマの個体数が増加してもよさそうなものなのです。

しかしそれどころか個体数は減り、代わりにノコギリクワガタはとても見つかるようになりました。

代わりにノコギリは結構増えた。一方で見つかるのがマイナー樹木で多いことから採集者の影響も受けていると考えられる。

この入れ替わりの話は学術的な根拠はないのですが、体感ベースでは何か影響があると思わざるを得ません。

東京では高尾山や奥多摩という安定的なポイントがありますが、神奈川のミヤマはますます薄くなっていき、結論の通り地域によっては非常に珍しいという存在になりそうです。今年は期待したいですね。
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ミヤマにこれから挑む方に向けてカブクワ採集の必須項目である樹液の見つけ方や木の見分け、各種採集テクニックや平野部での種類別の所感など採集に役立つ情報が読めます。
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これらの記事は有料版ですが上はポイントの探し方と見るべきサインを、下は現地で樹液を見つける方法とどんなところに彼らがいるのかを詳細に述べました。親子で憧れのカブクワを探し、思い出を作るその助けとなる記事にしました。

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