葉で見分けるユニークな図鑑
植物の見分けは非常に難しいです。

特に樹木は葉や幹などの多くの植物に共通する部位の中でどこが違うのかを知らなければならず、その判断は慣れた人でも迷うものがある程です。
そんな中で植物の葉を見て見分けるという非常にオタクな図鑑があります。山渓ハンディの樹木の葉という図鑑です。
この図鑑をお勧めする人
・植物に関わる仕事をしている人
・昆虫採集など植物を知る必要がある人
・植物愛好家でその見分けを詳細に知りたい人
・樹木を学びたい人
買った理由
全てが同じに見える植物の葉。

これを見分けて知識を増やしたいという思いから購入しました。
幹や枝から葉までが押し葉標本が生きていたときのように拡大されて各種紹介されており、他の図鑑では見られない構成となっています。
この図鑑は例えば植木屋や園芸店、庭師、樹木医のようなその道のプロから、植物を愛する愛好家まで樹木を見分けたい方にお勧めできる唯一無二の本です。
ここがいい
1100種の樹木が葉で見分けられる
この図鑑はオタクです。

華型である花でなく、各ページには枝から切り取った葉が掲載されており、コメントを付け加える形で同科の類似種との見分けポイントが掲載されています。
例えば葉のギザギザの鋸歯の程度、枝や葉の毛の有無、葉先のとがり方、冬芽の形や鱗片などです。
しっかり理解すれば近場の雑木林程度での解説は簡単にできるようになります。
そんな説明が1100種掲載されており、狂っています。素晴らしい。
判別点が視覚的にわかる
大きく掲載された葉が、枝から載っており、蜜腺や毛などの重要なところは拡大表示されています。

このおかげで同科の葉だけでもかなり違うというのがよく分かります。
コメントも的確で、どこを見て判別したらいいのかが分かるようになれますし、仲間内での植物観察でそんな細かいことを知ってるのと驚かれます。
葉の写真だけではない
葉で見分けるとうってありますが、枝、樹皮、花時の全体の雰囲気などの情報も充実しています。

木を見分けるという視点で使える本だと考えた方がいいです。
葉だけでなく多角的に植物を特定するという視野が学べます。
樹木を個体で認識できる
この本を見るとあらゆる場所に生えている樹木の葉の形や樹皮の違いなどの意識が向くようになります。

そして何が違うのか?という自然の醍醐味となる興味を持って調べる好奇心が大きく向上します。
読んでいるだけで詳しくなった気分が味わえ、1枚の葉のどこを見たらいいのか?が非常によく分かるようになります。
専門書として使えるレベル
この本の内容は研究者、園芸関連、庭師など植物を扱うプロの方においても大いに役に立つレベルの詳細な見分けが掲載されています。

この本は必要な人と不要な人がはっきりと分かれる本です。
また、葉で見分ける本はあまりなく、その中でもこれだけの網羅性があるのは唯一無二なので、木に興味がある方はこれ1冊で仕事に必要な見分けの知識がつきます。
昆虫採集で非常に使える
例えばタマムシやカミキリムシのように特定の樹種につく種類を狙いたい場合などにはその木を見分ける必要があります。


マイナーな樹木を見分けたい場合にもこの本は代替が無く、便利です。
ここがイマイチ
マニアックすぎる
植物の中では花に興味を持つ方の方が多いはずです。


木に興味が沸いた人ならば大変おススメできますが、いきなりこの本を購入すると植物は何が面白いんだと疑問が湧いてしまうかもしれません。
葉や樹皮、枝や芽などで判別することに楽しみを見いだせるレベルに到達できる人をさらに引き込む内容です。
重く厚い
マニアックな本あるあるですが、例にもれず重く厚いです。

花をピックアップした野に咲く花や山に咲く花よりも厚いです。
持ち歩きは可能ですが、どちらかというと写真などで葉や樹皮を控えてお家で調べるのに向く本です。
読むのが大変
ページ数は824ページ。花ではなくおおよそほとんどの人が初めて頭に入れる知識がたくさんあるので、大ボリュームすぎて全部読むのに苦労します。
総じて必要な人にはとても助かり、いらない人には全くいらない0か100かの本と言えます。必要な人には5500円で良いのこれ?と思えるはずです。
悩んでいる方はこの本にはまる素質があるところまで来ていると思うので、安価版の代替が無いことを考慮すると買って後悔することは無いと思います。
野に咲く花や山に咲く花と合わせると3500種ほどの植物が分かるようになります。
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