長い毛をもついかにも危険そうな虫
およそ初夏から冬の頭頃にかけて金色の毛をもつ長い毛虫を目にする機会があります。
ドクガの仲間であるその毛虫は、名の通り危険であると思いきや? 実は毒が無いとされるリンゴドクガだったりします。
今回は非常に目立つ毛虫であるリンゴドクガを紹介します。
リンゴドクガとは?
リンゴドクガはドクガ科に所属する蛾の仲間です。
ドクガの仲間ですが毒は無いとされています。
幼虫には他の毛虫とは比較にならないほど長い金色の毛をもち、頭部には黒い模様が見られます。
また、お尻には少し毛色の違うオレンジ系の突起(毛)が見られます。
出現時期は初夏の6月頃から遅いと12月頭頃で確認しますが、個体数は多くは無く散発的な発見のみとなります。
それゆえ成虫の発見には至っておりませんが、リンゴドクガの成虫は蛾の中でも有数のモフモフ系で非常に愛嬌があります。
ドクガ科と毒
リンゴドクガに毒はありませんが、この個体発見時は毒があると私自身思っていたので触れ合いはありません。(今後あれば触れてみます)
前提として種の分からない毛虫に触るべきではありません。
毛虫の仲間はいわゆるベイツ擬態であると考えられます。
実は毛虫の中で毒のある種類というのはほんの一握り程度のものです。具体的にはドクガ科、カレハガ科、ヒトリガ科、イラガ科などが代表的ですが、全体で見れば少ないものです。
しかし世の人は毛虫のほとんどには毒があると認識しているようです。これこそまさに毒のある虫の姿を毒の無い虫が真似るベイツ擬態と言えるのではないでしょうか。
リンゴドクガはドクガ科の中でも珍しい毒の無い種類です。
しかしその見た目は金色の体に黒い模様と完ぺきではないもののいわゆる警告色に近い色合いをしています。
今回は私自身もリンゴドクガに騙されてしまったという訳です。
リンゴドクガと寄生植物
リンゴドクガのような特定種の名前がつくような昆虫は昆虫界隈でも目にします。
しかし本当にその仲間を食べるものと、実際にはそれ以外も食べる物の2種類がいます。
大変ややこしい点です。
リンゴドクガは後者のタイプであり、私の場合バラ科で見かけたことはありません。
一つはモクレン科のコブシ、一つはドウダンツツジでした。
美しい幼虫成虫であるため、探したい場合には注意が必要です。
一方で自然界にはエゴシギゾウムシやクズノチビタマムシのような植物の名前が入っており、専門職のものもいます。
名前から詮索すると思わぬ形で見つからない罠にはまる可能性があるので気を付けましょう。
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