蓼食う虫も好き好き

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黒と黄色の甲虫は何? キュウリやカボチャなど農作物につく、クロウリハムシ

夏、農作物に黒い虫

ああ!こいつこいつ!とピンときた方も多いのでは?

およそ初夏から秋ごろにかけて作物栽培をしていたり、少し植物のある茂みに行くと黒と黄色の小さい昆虫を目にするはずです。

自然界では警告色などと呼ばれる派手な色合いから小さいながらもかなり目立つためにやたらと印象に残ります。

この虫は目立つだけでなく農作物の葉に加害する虫としても知られています。

今回は害虫だけど結構可愛らしいクロウリハムシを紹介していきます。

クロウリハムシとは?

拡大無しで芝と比較すればこの通り。かなりの小ささ。

クロウリハムシはハムシ科の昆虫で体長はおよそ0.8mm、黒い体に黄色い頭部が印象的な虫です。

名の通りウリ科の植物によくやってくることが知られ、キュウリやスイカ、カボチャ、ゴーヤなどの農作物を始め、カラスウリの仲間など自然界でも身近にウリ科の植物が見られるためこのクロウリハムシも身近に見つかります。

ウリ科作物に見つけた加害痕

派手な色合いから一見危険な印象を受けますが、毒などは無く噛んだりすることもない無害な昆虫です。

しかし見方によっては小さなハチ(特に飛翔時)などに見えていることもあるようで嫌いな人は嫌いなようです。

結構人に飛んでくることもある印象がありますね。

クロウリハムシがいるかもしれないサイン

カラスウリに残された加害痕。丸いのがポイント!

クロウリハムシですが、作物を育てている方には厄介な虫です。たくさんいると葉が食べられてしまいますからね。

ハムシの仲間は特徴的な葉の食べ方をする者がいます。

このクロウリハムシもその類で、葉にサークル状の痕を付ける面白い特徴が見られるのです。

葉は時間経過で丸く白い痕へと変化する

トマトの研究などで知られたことですが、植物は加害されると防御物質や情報の伝達を行い防御態勢をとるそうです。

食害に関しては加害箇所に植物が防御物質を分泌することなどが明らかとなっており、クロウリハムシなどはそれを阻害するために食べる所の周囲を甘噛みしてサークル状に植物繊維を噛みきる様な行動が見られます。

その後内側を齧り始めます。

カラスウリ上のクロウリハムシと加害痕(右下)

なので幼虫の食べ方とは大きく異なり、葉の中心部に丸い加害痕が残るのです。

これによりクロウリハムシ被害を見つけることはとても簡単です。

もし葉に写真の様な丸い模様を見かけたらきっと食べに来ているはずです。

農作物以外にも目にする虫

前述の通りウリハムシであることから農作物であるウリ科植物の多くを食害します。

ウリ科の多くがつる性質のため、低木や人工物のある場所周辺に見られる。

そのため、農家さんや家庭菜園でばかり目につくかと思いきやそんな事はありません。

自然化に自生するカラスウリは、ちょっとした荒れ地や草地があれば目につく普通種の植物です。

この写真は道路沿いの端の植え込みのような場所。身近にある環境。

また、カラスウリが鳥に食べられていることから鳥散布である可能性もあり、これによってウリ科利用のクロウリハムシも少しの自然があれば目にすることができます。

きっとこの記事に来た方もなんということのない場所で黄色と黒の虫を見つけて気になったのでしょう。

クロウリハムシという虫

この虫ですが、意外とと言ったら失礼かもしれませんが綺麗な虫です。

2色の派手な色合いに、黒の光沢と印象に残りやすい虫。

一見すると黒く見える翅なのですが、太陽光下で見ると金属光沢を放っています。

身近な虫ではカナメモチを利用するルリカミキリの翅に近いものがあります。

ルリカミキリも美しい虫なのですが、そう多くもない虫です。

クロウリハムシと同じ配色のカミキリムシ。なにか優位な理由があると思われる。

黒系の光沢の虫という点では最も身近に見られる虫と言えると思います。

ハムシ系に共通することですが、顔は可愛いよりです。

黒目が可愛らしいと思う

頭部が黒いと複眼の位置が分かりにくい場合もありますが、この虫は頭部が黄色いので目がよく強調されており、つぶらな瞳で見てくれます。

この虫は毒もなく噛むこともありません。しかし小さな虫は気持ち悪いという偏見によってちょっと可愛そうな立場にあるという印象ですね。

見かけた際には彼らの振る舞いを観察してみて上げてください。