バッタに噛まれて痛い! 草食性なのになぜ!?
外でバッタを見つけて捕まえてみたらガブリと予想外に噛みつかれてしまったという経験をした方は多いのではないでしょうか?
草を食べているはずなのになぜバッタの口はこんなに痛いんだ!?と疑問に思えば、実はバッタには肉食のものがいたりします。
今回は夏に向けて人気の高いバッタをテーマにこんなバッタは噛む傾向にあるよというものを紹介していきます。
バッタとは?
バッタは日本全国の主に草地環境に出現する昆虫です。
ノミバッタのような数mm程度の種類からショウリョウバッタの♀のように8㎝近い大きさを持つ巨大種まで様々な種類が見られます。
直翅(ちょくし)類の仲間と呼ばれ、バッタの仲間などは特に後ろ足が発達しており、強力な力でジャンプをします。
代表種としてトノサマバッタやイナゴが挙げられますね。
イナゴは貴重なたんぱく源として今でも食利用の文化が残っています。直翅類は身近な草地に現れるからこそ人とのかかわりも強い昆虫群で、見かける機会も多いです。
肉食性バッタの特徴と傾向について
肉食性のバッタがいるという事実に驚く方も多いと思われます。
身近な種を例にとり紹介していきます。
肉食のバッタとして真っ先に例に挙げられるのはキリギリスの仲間ですね。
種としてはキリギリス、コロギス、ウマオイやクビキリギスなど鳴く虫で知られる多くのバッタが肉食性だったりします。
コオロギも肉食傾向の強い雑食性なので、うっかりすると噛まれますよ。
キリギリス系のバッタは肉をかみ切るために顎がよく発達しています。
そのためじっくり観察の機会があれば口元に注目してみましょう。
いかにも鋭そうな顎をしています。
また、バッタの形でもある程度判別していくことが可能です。肉食のバッタはガッチリとした太い体をしているものが多いです。
地上部から背中までの体高がとても高く、腹がぼてっとしている場合には警戒してあげましょう。
また、キリギリス系の骨格をしたバッタは、メスには大きな産卵管がついています。
剣のように伸びているこの部分は、トノサマやショウリョウなどの草食性バッタには見られない特徴なので、運良くメスに遭遇出来ればとても分かりやすいですね。
キリギリス系の骨格は草地から樹幹(木の上)まで幅広い環境に出現します。しかし、木につく傾向のものが多いので、草食性に比べると遭遇率は格段に悪くなります。
厄介なものとしてはクビキリギスが挙げられます。物騒な名の通りかなり気性の荒いバッタで、口元は地で塗られたかのような真っ赤な姿をしています。
(クビキリギスの写真が取れたら写真を載せます)
しかしこのバッタは平べったく、上から見ると草食性に見えます。
それゆえ安心して掴むと噛まれてしまい大変痛い思いをするわけです。
クビキリギスやシブイロカヤキリは他に似たバッタがいないため、例としてそのまま覚えてしまった方がいいと思います。
越冬性をする限られたバッタであるために春先から目にする機会が多く、灯りによってくる性質もあるのでマンションやアパートの壁などで目にした方も多いはずです。
およそ5月頃にかけて巨大なバッタを見かけた場合後述のツチイナゴかクビキリギスです。2種の違いは分かりやすいため、より特徴的なツチイナゴの方を覚えておいて消去法で見分けるというのが有効です。
草食性バッタの特徴と傾向について
草食性バッタの傾向は細長いことです。
トノサマバッタやクルマバッタ、ツチイナゴやショウリョウバッタなど身近で見かける種類の多くはいわゆるイナゴ型の骨格をしています。
クビキリギスなどの特殊なフォルムを除いておおよそ肉食性のキリギリス系骨格とイナゴ系骨格を理解しておけば噛まれる事故は防げるはずです。
例としてイナゴ系を紹介しますと、クルマバッタ、トノサマバッタ、ツチイナゴです。
これに最も身近なショウリョウやオンブバッタなどが入ってきますね。
これらは葉を食べるため、葉がそれほど鋭くありません。
しかし足があまりにも強烈なために蹴られてけがをする可能性があります。私自身ツチイナゴと遊んでいたら蹴られて血が出たことがあります。
完全に安全なバッタはショウリョウバッタとオンブバッタ位のものかもしれません。
雑食性バッタについて
実のところ多くのバッタは雑食性です。
雑食性の中に肉食傾向が強い、草食傾向が強いなどの偏りがあります。
例えばコオロギの仲間は植物なども食べますが、共食いで知られるように動物質の餌を上げないと昆虫を襲うようになります。
スズムシもナスなど与えて育てますが、ナスだけを上げているとタンパク質が不足するためか共食いをするようになります。そのためにかつお節を上げたりしますよね。
我々が肉と野菜、それ以外にもいろいろなものを食べるようにバッタも色々なものを食べて栄養を摂取しているのです。
極端な話肉食性バッタは雑食性バッタともいえます。そうするとバッタの非常に多くは動物質も食べるために噛む可能性があります。
ということは、全てのバッタにおいて噛まれないような持ち方をしてあげればいいということですね。
そうすれば噛むバッタかどうかを気にする必要はありません。
噛まれないための持ち方
これはシンプルに背中をつまむように持つだけです。
ちょうどカブトムシのメスやクワガタをつまむような持ち方ですね。
これは心の持ちようがとても大事で、掴むと決めたなら離さないようにしてあげてください。かといって力を入れすぎないようにしましょう。
この持ち方のデメリットはトノサマバッタやイナゴなど足の強力な種に蹴られる可能性があるということです。
軽い出血が起こるくらいのパワーと棘があり、バッタが跳ねる力を身をもって体験できます。
ある意味では貴重な体験と言えるでしょう。噛まれるよりは痛くないのでこちらがおすすめです。
バッタを探したいならば?
ここからは肉食や草食のバッタを探したいなら?という視点を紹介していきます。
基本的には草地を中心に探していくのがおすすめですね。
背の低い管理された草地ならばショウリョウバッタやトノサマバッタ、自然に近い環境で下草が大量に生えている環境ならばクルマバッタやトノサマバッタ、キリギリスなどが出現します。
水分量が多い場所ならばイナゴ類が出てきますし、雑木林環境に近ければ樹上性のウマオイなど、鳴く虫がよく見られます。
バッタ類は生活圏がはっきりしているので、探したい種がイナゴ型なのかキリギリス型なのか図鑑などで事前に把握し、出現時期や環境などを理解してから探していくというのがおすすめです。
行き当たりばったりでは決まった種類しか見つからない場合が多いです。
ザックリとでも鳴く虫を捕まえたいのかショウリョウバッタなどの草地のバッタを捕まえたいのかなど把握しておきましょう。
種を選んだらザックリ3つ程の探し方があります。
鳴く虫の場合には鳴き声を中心に探していくのがおすすめです。
種にもよりますが時期さえ合っていれば木の上、草地などなどの環境で声を聴くことができるはずです。もちろん種により昼行、夜行性があります。
飛ぶバッタ類を探したい場合には網や足を利用して草地を薙ぎ払ってみるとバッタが飛び出てくるはずです。
一度とんだバッタを慎重に追いかけていくというやり方がおすすめですね。
最後はじっくりと環境を観察することです。
バッタ類は時期、環境、時間帯があっていれば結構移動しています。目視で固体の出現を確認したり、休んでいたりする個体を探していくのもおすすめです。
本日は肉食と雑食性バッタの見分け方を傾向で紹介しました。
安全だと思っていた生き物が不意に攻撃してくるというのはトラウマになる方もいる位に恐ろしいものです。
傾向だけでも抑えておければ対処は可能です。少なくとも今回で肉食性も多いということが分かりましたね。